振り向きやハイライトの動き等について芝居の動機付けからの考察

振り向き等の動画の考え方や、芝居の動機付けについての考察
35
村田峻治 @toshiharumurata

さて、今日は動きや芝居の動機づけについて、動画の皆さんには振り向きを例題に考察してみよう。

2010-11-28 19:18:13
村田峻治 @toshiharumurata

これは芝居ではありませんが、よく白い歯に光が走ったり、目がキラリーンと光ったりするカットが有りますが、この場合、演出意図でそういう事をする訳です。意図がない場合はと言いますと、何らかの動機付けが無ければならない訳です。

2010-11-28 19:22:02
村田峻治 @toshiharumurata

だから手に持った宝石が動かないのにハイライト等の光が動く事は光源に変化がない限り有り得ない訳です。要するに動機付けが必要な訳です。(宮崎駿氏が『天空の城ラピュタ』制作中、ラストでドーラが手に持った宝石のハイライトについて言及し、差し出すワンアクションを指示した時の発言より。)

2010-11-28 19:25:43
村田峻治 @toshiharumurata

これらの事を考察すると、基本的に何かの現象や芝居の場合には動機付けが必要になる訳です。(ギャグ等の場合除く)それでは振り向きについて解説していきましょう。TVシリーズ等の原画ではこれから解説する事が出来ていない事が多いのですが、動画が考えて描いた場合にそれを補完する事も可能です。

2010-11-28 19:29:42
村田峻治 @toshiharumurata

よく有るバストショット以上のサイズの振り向きの場合で解説していきましょう。まず、振り向くにはどんな動機付けが必要なのか?目線移動では追い切れない場合に顔を動かさなければならない。若しくは身体ごと向き直る場合です。動く先にキャラクターの意識が向かうためまず、目線が先に動くわけです。

2010-11-28 19:33:55
村田峻治 @toshiharumurata

目線が正面を向いたまま原画や動画が散見されますが、これはNGですね。次にどの様なアクションになるか、顔を向いただけでは無理が有る場合です。この場合は身体ごと振り向く事になる訳です。ですから、基本的には目線は目標に向かって常に先に移動します。その後で顔が動くわけです。

2010-11-28 19:37:29
村田峻治 @toshiharumurata

ただ、基本的には目線移動と顔の動きは3k等の場合、同時に行われる事が多いです。中枚数が多い時などは動画でこの様な芝居付けをすると自然なモノになります。顔の次に身体が動くわけですので、身体ごと振り向く場合は顔に遅れて肩、身体が追従して動きます。

2010-11-28 19:41:18
村田峻治 @toshiharumurata

身体も顔も常に同じ角度で振り向く様な動きはロボットではないので通常無い物とお考えください。目線については逆の場合もあります。この場合はキャラクターが今見ているモノに意識がいっていて、何か後ろに声や音などが聴こえたりして振り向く時は顔が先に動き、目線は元の方向に残し気味になります。

2010-11-28 19:44:07
村田峻治 @toshiharumurata

良く考えられた原画ではこれ等一連の動きを原画に描いて有りますが、そうでない場合も動画で補完してみると原画でなくてもラッシュ等を観た時に随分印象が変わってきます。もう一歩深く考えるとモーションラインも首との関係で顔も残し気味に角度がつく事が多いのですが

2010-11-28 19:48:22
村田峻治 @toshiharumurata

これは原画レベルで描かれていないと動画では無理ですね。しかし、自分等が動画の頃はこれ等の動きが足らないと思った時は原画の絵を少し変えて動画をやったりしていました。こういう行為は演出や原画の意図を崩す場合も有るので推奨はしませんが、動画でも動きをクリエイトするチャンスはあるのだと。

2010-11-28 19:52:19
村田峻治 @toshiharumurata

動画の頃からこの様な試行錯誤や実験、研究をしておくと原画を担当する場合に役に立ちます。原画の方は自分のカットを動画してみると、欠点や必要なアタリ、原画等の課題が見える事も多いので、なりたての時にはそういう事機会を作る事をお薦めします。

2010-11-28 19:54:37