倫理学で思考実験はなぜ必要なのか

北田暁大 @a_kitada

「思考実験の社会学」誰かやりませんか。けっこうやりがいありますよ。@contractio @myamadakg @gunma_jirou

江口某 @eguchi2014

やっぱりちょっとだけ思考実験について書いとくかなあ。

江口某 @eguchi2014

倫理学におけるおもしろおかしい思考実験のようなもののはしりが、Foot先生やThomson先生の中絶論文だというのは、私の推測では、偶然ではない。

江口某 @eguchi2014

あるいはMarry Anne Warren先生のやっぱり中絶論文 On the leagal and moral status of abortion。

江口某 @eguchi2014

どれも豊かな思考実験をつかっておもしろおかしく議論している。

江口某 @eguchi2014

そうしているのは、もちろん彼女たちにとってそうせざるをえない事情や理由があるからだと思う。

江口某 @eguchi2014

でもまあちょっとだけ続ける。

江口某 @eguchi2014

そういう人の生き死にに関する話っていうのはシビアなものだし、そういうのを真面目に考えようとしても我々は頭がシビれてしまう。

江口某 @eguchi2014

その頭がシビれる感じってのはまったく不快なものだし、答がすぐに見えるわけではないのですぐに考えるのがいやになる。

江口某 @eguchi2014

そういう不快さを避けるために、たいていの真面目な人は、そういう問題について考えることをそもそもやめてしまう。

江口某 @eguchi2014

でもちゃんと考えなならない場合どうするか? そういうのに対する彼女たちの答の一つが、おもしろおかしい思考実験に訴えることだったのだと思う。

江口某 @eguchi2014

まさに多くの人が傷ついたり不快になったりする問題を、それでも考えるための手段が思考実験だ。

江口某 @eguchi2014

苦しいことを考えるのはふつうの人には無理だし、不快な感情は視野を狭め、他人を責めさせてしまう。

江口某 @eguchi2014

宇宙人や胞子の話にしてしまえば、なんとか考えつづけることができるだろう。

江口某 @eguchi2014

もし本気で「思考実験の社会学」をやるのであれば、そういう厳しい問題についての真面目な議論の歴史をちゃんと調べてみてほしい。

江口某 @eguchi2014

おそらく、倫理学者による真面目な議論、厳しい問題についての議論ほど、思考実験が使われていることに気づくだろう。

江口某 @eguchi2014

まあそうじゃない単なるおもしろい話のための思考実験や、他の研究者を笑いものにするためのも、たしかに数はあるだろう。でもそういうのは本流じゃない。

江口某 @eguchi2014

そしてここで宣伝です。

江口某 @eguchi2014

これのトムソン先生とウォレン先生の読め。 ／ 江口 聡 の 妊娠中絶の生命倫理 を Amazon でチェック！ amazon.co.jp/gp/product/432… @さんから

江口某 @eguchi2014

ははは。ひさしぶりに宣伝した。

江口某 @eguchi2014

フット先生のはよっぽど収録しよかと思ったんだけど、70年代からってのにしたんだよな。失敗だった。

江口某 @eguchi2014

まあたしかに歴史は長いわね。っていうかたしかに最初から思考実験。