あちゅりさんの童話

ある国のお姫様のお話
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汚物より下が思い付かない @YoppiteOf

世界観は王道ファンタジーって感じで、主人公は生まれたときから王様のお嫁さんになるのが決まってた女の子。甘やかされて育ったから少しふっくらくらいの体型、顔は不細工。でも甘やかされてるからその事実に気付いてない。 イメージは鬼灯の冷徹のイワ姫な感じで

2014-10-27 13:36:28
汚物より下が思い付かない @YoppiteOf

王様は大きな大きな国を納めるだけあってとても美形で仕事もできる感じのパーフェクトなお人、民の支持も高い。正妻が主人公になるであろうことをあんまりよくは思ってないけど主人公のことは人間的には好いてるって感じ。 でも災いによって滅びフラグがたって、神子を召喚する流れ

2014-10-27 13:40:53
汚物より下が思い付かない @YoppiteOf

それで神子を召喚したら、すごい可愛いモデル体型の若い子が出てきてなんやかんや(まさかの省き)国を救う。一生懸命考えて行動するところとか前向きなところとか民を一生懸命思うところに王様が惹かれはじめるわけですよ。それが主人公はおもしろくなくて、意地悪したりするのよね。

2014-10-27 13:44:22
汚物より下が思い付かない @YoppiteOf

それでも前向きに立ち向かったり、私も王様が好き!だからライバルだね!とか言ってくる神子に自分の性格も見かけ的な意味でも何一つ勝てないって気付いた主人公が神子なんかいなくなればいい!とか癇癪おこして王様にガチ拒絶されて自業自得展開が起きて、無事神子と王様がハッピーエンド(アバウト)

2014-10-27 13:48:19
汚物より下が思い付かない @YoppiteOf

ここから語りたかったわけだが それでも神子は役目を終えたことで元の世界に帰らなくちゃいけなくなって。王様と神子は恋人同士だったけど、神子は必ず帰ってくると約束して帰っちゃうわけよ。それでショックと寂しさでまるで駄目人間になっちゃった王様をずっと支える主人公

2014-10-27 13:51:06
汚物より下が思い付かない @YoppiteOf

私はあなたのそばにいます。死ぬまでそばにいます。あなたのためなら良い人間になります。だから私を見てって支え続けて、処女とか捧げちゃってさ。抱かれてるときに神子の名前を呼ばれても抱きしめてあげたりとかして。それが何年か続くうちに、王様も主人公に心を開き初めて

2014-10-27 13:54:18
汚物より下が思い付かない @YoppiteOf

そなたがそばにいるから、私は頑張れるってなって。主人公は自分の容姿も中身も神子には勝てないコンプレックスはあったけど、幸せだと思って過ごしていたところに神子まさかの約束通り帰還

2014-10-27 13:56:33
汚物より下が思い付かない @YoppiteOf

王様もね、結局は主人公を神子の代わりに見てただけで欠けたものを補うように神子を選んでしまうわけです。更に神子の国では一夫一妻制度だからと主人公は婚約破棄で捨てられてしまうのです。この国では婚約破棄=恥ずべき存在で自分のお屋敷とかも取られちゃってさ

2014-10-27 14:02:12
汚物より下が思い付かない @YoppiteOf

王様に初めてまで捧げてしまったため誰もお前みたいなデブス相手にしねぇよとボロ汚い小屋に押し込められてしまうのです。召使や庭師、その他従業員も辞めてしまいました。更には王様や神子からもっといい家に住まわせてやってくれとか頻繁に届く励ましの手紙、全てが主人公の心を抉ります。

2014-10-27 14:08:11
汚物より下が思い付かない @YoppiteOf

主人公は自分が醜くて醜悪だから愛してもらえないのだと自分を責め、常に仮面を付けるようになります。洋服も色があるものを一切身に付けず、いつも自分を責め続け、涙を流すのでした。主人公の家には誰も寄り付かず、唯一尋ねるのは王様と神子の手紙を届けに来る第一騎士の男性だけです。

2014-10-27 14:16:08
汚物より下が思い付かない @YoppiteOf

毎週欠かさずやってくる騎士長のこの男はとても寡黙であり、主人公とそう歳も変わりませんでした。そして何より最近遠征より帰ってきたため主人公のことをあまり知らないのでした。知っていることといえば、王様のお嫁さんになる予定であったがそうならなかった。その事実だけなのでした。

2014-10-27 15:27:07
汚物より下が思い付かない @YoppiteOf

主人公は騎士長のことが嫌いでした。毎週持ってくる忌まわしい手紙も、目の前で読んだことを確認するよう言われてる、と読まされることも。仲睦まじい内容も、全てが憎かったのです。どうせこの男も私を醜い醜悪な女だと思っているのだろう、そして私と会うことを迷惑に思っているに違いない

2014-10-27 15:30:34
汚物より下が思い付かない @YoppiteOf

主人公の心は既にボロボロだったのです。彼女にとって、一目見たときから大好きだった王様と添い遂げることが自分の夢であり運命だったのです。しかしそれは歪められた別の世界の絶世の美女に奪われてしまった。それも2度も。 だけど本当はわかっていたのです。

2014-10-27 15:32:20
汚物より下が思い付かない @YoppiteOf

王様と神子が2人並ぶ姿はどの絵画も見劣りするほどお似合いで、とても美しかったことに。互いが互いを想い合っていることも。自分のような醜さでは、王様の隣にいることが許されないことであることも。結局は噛ませ犬のような存在だったことも。 それでも愛していました。ずっと、ずっと。

2014-10-27 15:33:58
汚物より下が思い付かない @YoppiteOf

そして生きることをやめてしまおう。そう思う頃に毎回騎士長はやってくるのでした。あの忌まわしい手紙を持って。 そんなことが続いて2つの季節をまたいだ頃、騎士長が主人公に話しかけるようになります。あなたはどうして泣いてるのですか?と。

2014-10-27 15:40:56
汚物より下が思い付かない @YoppiteOf

騎士長は不思議でなりません。例え愛した相手であろうとも我らが主君である王が希望の神子様と幸せになったなら良いではないか。こんなボロ屋ではなく2人が提供してくれる屋敷に住めばいいだろうに。仮面を付ける意味も手紙が毎週書かれる意味も手渡さなければならぬ意味も。理解出来なかったのです。

2014-10-27 15:45:20
汚物より下が思い付かない @YoppiteOf

王様たちは主人公を死なせたくありませんでした。神子は主人公に生きていてほしくて、王様は後ろめたい気持ちも少し。そのためには自分のテリトリー近くの屋敷にいてほしかった、そして手紙と称した自分たちの愛情で前向きになってほしかった。騎士長はもしものための保険。それが真実でした。

2014-10-27 17:21:01
汚物より下が思い付かない @YoppiteOf

外が暖かくなった頃、王様と神子は夫婦となり子を授かったのだと遠い噂で知った主人公は騎士長にもう手紙はいらないと伝えます。醜い自分などもう誰にも必要とされなくていい。もう疲れてしまったからと。その頃には騎士長と主人公はある程度なら会話する仲になっておりました。

2014-10-27 17:23:21
汚物より下が思い付かない @YoppiteOf

しかし騎士長はそれを断ります。私が疑問に思っていることの全てがまだ解明されていないからです。と。 主人公は全てを包み隠さず話しました。もうどうでも良かったのたです。それで独りになれるならそれで良かったのです。醜い自分の醜いお話を。

2014-10-27 18:10:04
汚物より下が思い付かない @YoppiteOf

すると騎士長は主人公にこう告げます。では代わりに私があなたに手紙を書きましょう。と。 そして騎士長はまた毎週主人公の元に訪れます、自分の手紙を持って。 内容は手紙と呼べるものではなく、1日の報告や政治について、時には武道に必要な要素なんていうのもありました。

2014-10-27 18:13:31
汚物より下が思い付かない @YoppiteOf

手紙のやり取りをしていくうちに少しずつ、主人公は騎士長のことをもっと知りたいと思い始めます。裏表のない騎士長なら自分のような醜い人間でもいいと言ってくれるかもしれない……。少しずつ、少しずつ主人公は自分の凍り付いたボロボロの心が癒されていくのを感じました。

2014-10-27 18:17:20
汚物より下が思い付かない @YoppiteOf

仲良くなるに連れどうしても主人公は騎士長に顔を見せることができません。全てが醜いせいで選ばれないと思っているに主人公にとって、騎士長にその姿を見せることは何より辛く恐ろしいことなのでした。それ以外ならば騎士長に全てを見せられる、そう思うくらいには主人公は心を許していたのです。

2014-10-27 18:21:29
汚物より下が思い付かない @YoppiteOf

そして騎士長もまた、主人公に言えないでいることがありました。それはさも自分が提案したように手紙を書くと言ったことが全て命令であったこと。そして手紙は全て王様と神子が書いたものを自分の文字で起こしただけであること。それは全てが命令で、打ち明けることも禁じられているのでありました。

2014-10-27 18:24:43
汚物より下が思い付かない @YoppiteOf

しかし初めが命令であっても騎士長は主人公のことを気にかけている気持ちは本当でした。これが恋かどうかは騎士長にはわかりませんでしたが、彼女がまた日の下で笑えるようになればいいとそう思っておりました。 そしてなんやかんやあって(まさかの省き)主人公は仮面を外す決意をします。

2014-10-27 18:28:17
汚物より下が思い付かない @YoppiteOf

主人公にとって仮面を外すことは、何よりも恐ろしいことですが騎士長のことを信じておりました。あなたならば私を愛してくださいますか?私を選んでくださいますか?どうか、どうか私を選んで。捨てないで その願いを込めたとき、玄関のチャイムが鳴りました。彼です!

2014-10-27 18:32:07