チームの中で使われる言葉と、誰かを説得するときの言葉とは、順番が正反対になってくる
- lucifer_af
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一般内科領域だと、たいていのことはUpToDate で間に合うのだけれど、守備範囲外のことでエビデンスを調べる、特にそれを使って誰かを説得するのって難しい。
2014-10-13 12:48:26具体的には抗生剤の皮下点滴を行いたいのだけれど、まわりの人達を説得できるだけの根拠がなかなか見つからない。海外の論文はあって、国内の緩和医療ガイドラインなんかにもすでに触れられている手技ではあるのに、「具体的にこうやります。上手く行っています」みたいな報告にたどり着けない
2014-10-13 12:50:12薬の添付文書に書かれていない使いかたについては、やっぱり「ずるをするなら2番めに」という意識が働く。海外の論文ではこう、ではなく、「国内の誰かがすでにやっている、こんなやりかたでこのぐらいうまくいき、こんな合併症が出る」という経験例を引っ張りたい。学会とか勉強会の知識。
2014-10-13 12:52:58チームの中で使われる言葉と、誰かを説得するときの言葉とは、順番が正反対になってくる。どちらも「わかりやすさ」という同じ目標を目指しているようで、使う場所を間違えるとろくでもないことになる
2014-10-13 14:11:19チームの言葉は結論が先にくる。お互いの人となりはそれなりに分かっていて、目指す目標が共有されている前提において、まずは結論が、その後で観測した事実が、最後に事実についてその人が行った判断が、結論を裏付ける形で述べられる
2014-10-13 14:13:10誰かを説得するときには、結論を後回しにしてまずはお互いが把握している事実の共有から開始する、あるいは結論から始めるにしても、相手が持っているであろう譲歩ラインの、かなり手前側に自分の意見を置かないといけない。「本当の結論」は、相手の側から言葉として発せられるべきで
2014-10-13 15:33:15痰が絡む、呼吸数が速い、酸素濃度が低く体温が高い。このあたりは議論の余地がない事実であって、一方で病名は肺炎だ、とか、この患者さんには入院加療が必要だ、といったあたりは、それがどれだけ正当であっても判断で、説得する際には、相手に判断してもらわないと意味が無い
2014-10-13 15:34:54病気というよりももう寿命と言ってもいいような状態の患者さんを前に、ご家族に「これは寿命です」と切り出してみたり、あるいは明らかに入院が必要な患者さんを何処かの病院に紹介するときに、「○○病で入院が必要だと思います」と切り出したりすると、それが正しくてもたいてい上手く行かない。
2014-10-13 15:36:30議論の余地がない事実を重ねて、「要するにこの状況はこういうことなのですね」という言葉が相手の口から発せられて、説得は成功したのだといえる。でも挨拶もそこそこに事実を淡々と並べると、今度は「お前は要するに何が言いたいんだ?」といういらだちにもつながる。暫定的な結論が冒頭にほしい
2014-10-13 15:38:25