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銀の縁にて

竹村京さん(@kyou_takemura)の書いてくださった、落ちぬい二次創作です。 今回はギンブチ鎮守府における戦闘活動を含むお話です。分割思考の実態などをどうぞお楽しみあれ。 ご感想などは、竹村京さんor#落ちぬいタグへ。 続きを読む
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竹村京 @kyou_takemura

▼『翔鶴は細いんですから、もう少しふくよかになった方が健康的でいいと思いまして』 『限度があります!』 一緒になってすぐの頃、標準体重プラス10kgを突破したことがよほどトラウマになっているらしい。#落ちぬい二次

2014-11-14 00:20:32
竹村京 @kyou_takemura

◇どういうわけか私はそれを労せず実現している。 これは「海ぼうず」が何かを失った代償に得た武器の一つ、と考えるべきなのだろう。#落ちぬい二次

2014-11-14 00:21:48
竹村京 @kyou_takemura

▼『当然です!赤城さんでさえあの時の私の写真を見て自制しているんですよ!?』 『まあまあ。怒るとお腹が空きますよ。携行品にチョコバーを多めに入れさせたので食べて落ち着いてください』 『鷲塚さん!』 それっきり翔鶴はまた無視に戻ってしまった。#落ちぬい二次

2014-11-14 00:23:14
竹村京 @kyou_takemura

◇モグリは腕を失い、代わりに睡眠をほとんど必要としない体質を得た。 片目は渾名通り片目を失い、代わりに超人的な白兵戦能力を得た。 私は両脚を失い、代わりにこの脳を得た。#落ちぬい二次

2014-11-14 00:24:29
竹村京 @kyou_takemura

▼スマートフォンに目を落とすと、兵頭がスカートを掃除機で吸うという特殊なプレイに興じていたらしい。掘り下げたかったが、既に会話は終わってしまったようだ。残念。#落ちぬい二次

2014-11-14 00:27:00
竹村京 @kyou_takemura

◇武器か、それとも呪いか。 あの日海に沈んでいった523名の仲間たちが我々生き残りに力を与えているのかもしれない。 そう思うとこの奇妙な体質が掛け替えのない大切なものだと思えてくる。 たとえ復讐を求める死者の怨念の結晶だったとしても、だ。#落ちぬい二次

2014-11-14 00:29:28
竹村京 @kyou_takemura

▼しかし、相手は本当にぬいぬいなのだろうか。生返事だけで明確に不知火を誘うと言わなかったことが少し気になる。 もっとも、団長に面会させた以上そう簡単に乗り換えるとも思えないのだが。#落ちぬい二次

2014-11-14 00:30:34
竹村京 @kyou_takemura

時計を確認し、椅子に深く身を沈めて目を閉じる。 余計な思考をやめて翔鶴たちとの思考リンクを最大に解放する。 『間もなく出現予想海域です。索敵を厳に』#落ちぬい二次

2014-11-14 00:33:01
竹村京 @kyou_takemura

戦術予報が正しければこのあたりに深海棲艦が現れるはずだ。常に彩雲を何機か飛ばしているが、そろそろ全機出してもいいだろう。 しばらくして彩雲が敵を発見したとの報が入る。#落ちぬい二次

2014-11-14 00:35:21
竹村京 @kyou_takemura

「摩耶さんは対空戦闘用意、由良さんは対潜戦用意!」 旗艦の翔鶴が思考リンクを結んでいない摩耶と由良に指示を飛ばす。この空母を基幹とした艦隊の天敵は潜水艦だ。もし潜水艦が大挙して出て来たら速力に物を言わせて逃げるほかない。#落ちぬい二次

2014-11-14 00:36:51
竹村京 @kyou_takemura

由良は潜水艦をできるだけ遠くで探知するため、摩耶は敵航空戦力から空母を守るため、空母四名からは先行して行動している。 強力な電探と対空砲を備えた摩耶は艦隊防空の要だ。対して由良は爆雷とソーナーで対潜戦に特化しており、潜水艦二隻程度なら対処できる。#落ちぬい二次

2014-11-14 00:37:51
竹村京 @kyou_takemura

この二人がいるからこそ、空母四名は攻撃に専念できるのだ。 敵は空母ヲ級2、軽母ヌ級1、戦艦ル級1、駆逐ニ級1。 「魚雷が来ます!各自回避!」#落ちぬい二次

2014-11-14 00:39:08
竹村京 @kyou_takemura

由良が魚雷発射音を探知し、僚艦に警戒を促す。音紋の照合で潜水カ級1と判明。空母の数は多いが、現代艦での空母打撃群とほぼ同じ構成だ。 加賀の至近を魚雷が通過して行ったが、幸い被害はなかった。#落ちぬい二次

2014-11-14 00:40:22
竹村京 @kyou_takemura

『各機発艦はじめ!』 空母各員がまず艦上戦闘機を発艦させる。合計80機以上の烈風があれば、まず航空優勢を失う事はない。敵艦戦のうち数機が被弾し墜落する直前に機銃を放ったが、赤城がかすり傷を負っただけだった。#落ちぬい二次

2014-11-14 00:41:17
竹村京 @kyou_takemura

それなりの数が撃墜されたものの、敵艦戦は全機撃墜。ル級の対空砲も潰すことに成功した。 『空母は各自総攻撃。優先度は軽空母、空母、戦艦、駆逐艦とする』#落ちぬい二次

2014-11-14 00:42:28
竹村京 @kyou_takemura

戦艦や駆逐艦よりも射程が長い空母を先に叩く。航空支配を確立しておけば戦艦や駆逐艦の対空防御はまともな効果を生まないので、それらが脅威となるのは砲の射程まで接近されてからだ。 『摩耶は対空防御に徹せ。由良は対潜戦に専念のこと』 私の指示を翔鶴がそれぞれに伝える。#落ちぬい二次

2014-11-14 00:44:02
竹村京 @kyou_takemura

空母たちはそれぞれ艦爆・艦攻を発進させている。翔鶴と瑞鶴には軽空母、赤城と加賀にはヲ級の片方を狙わせる。 「行くわよ!全機、突撃!」 「アウトレンジで、決めたいわね!」 「第一次攻撃隊、発艦してください!」 「鎧袖一触よ。心配いらないわ」#落ちぬい二次

2014-11-14 00:44:54
竹村京 @kyou_takemura

既に対空砲火はなく、敵戦闘機も上がる端からこちらの戦闘機と摩耶が撃墜していく。攻撃隊は全機健在のまま敵艦上に到達、次々と爆弾と魚雷を放ってゆく。 第一次攻撃の戦果は上々。標的となった二隻は命中弾を多数受けて爆沈した。 『第二次攻撃、急ぎなさい』#落ちぬい二次

2014-11-14 00:46:04
竹村京 @kyou_takemura

攻撃を終えた艦載機が戻ると間を措かず第二次攻撃隊を発艦させるとともに。消耗した艦戦の一部も交代させる。 次の目標は赤城と加賀が残る空母、翔鶴と瑞鶴がル級だ。 『由良がカ級を撃沈しました』 『よろしい、速やかに後退させなさい』#落ちぬい二次

2014-11-14 00:47:44
竹村京 @kyou_takemura

口の中に生臭さが広がる。誰か被弾したか? いや、これは私の肉体の感覚だ。 薄く目を開くと制服の胸に血の染みが広がっていた。両の鼻腔からあふれ出た血が口に流れ込んだのだ。#落ちぬい二次

2014-11-14 00:51:33
竹村京 @kyou_takemura

四人と思考をリンクするという事は、私の脳で四人の思考をエミュレートするようなものだ。一人分の容量しかない脳で五人分の思考を行うのだから単純に容量が足りていない。#落ちぬい二次

2014-11-14 00:53:28
竹村京 @kyou_takemura

『提督、大丈夫ですか!?』 『たかが鼻血です。私の心配より戦闘に集中しなさい』 『無理をしすぎです、なにも全員とリンクしなくても……!』 『黙りなさい』#落ちぬい二次

2014-11-14 00:54:56
竹村京 @kyou_takemura

思考に専念したいが、出血したままでは気に障る。手早く丸めたティッシュを鼻に突っ込んで応急の止血をして再び目を閉じる。 第二次攻撃隊はヲ級を沈めていたが、ル級の方は中破させただけだった。ル級は黒煙を吹きながらも気にせずこちらに向けて突き進んでくる。#落ちぬい二次

2014-11-14 00:56:07
竹村京 @kyou_takemura

『反復攻撃。摩耶と由良は後退を急ぎなさい』 空母と潜水艦が沈んだ以上、この二人の出番は終わった。 『赤城は駆逐ニ級を狙いなさい。他はル級を。砲の射程に近付かれてはいけません』 『了解しました』#落ちぬい二次

2014-11-14 00:57:46
竹村京 @kyou_takemura

『いや……翔鶴は偵察機を飛ばしなさい。嫌な予感がします』 『まさか、増援ですか?』 『可能性はあります』#落ちぬい二次

2014-11-14 00:59:13