大松達知さん年間時評(『歌壇』2014.12)について

長文になったので、まとめました。
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石川美南 @shiruhitozo

『歌壇』12月号の年間時評で大松達知さんが斉藤斎藤さんの短歌月評(東京新聞10月11日夕刊)を紹介されていますが、ニュアンスが不正確というか、我田引水すぎるように感じました。意見は違っていいけど、引用は正確であるべき。皆さんぜひ原典も当たってください。

2014-11-13 23:51:02
おおまつたつはる。 @omatsuta

@shiruhitozo そうですかあ。慎重にしたつもりなんですけれど申し訳ないです。斎藤さんの文章が全体として緊密に構成されているいい文章で引用に苦労した記憶した記憶はあります。我田引水の意図はなかったんですけれど結果的にそう読まれたなら良くないですね。

2014-11-14 15:23:39
石川美南 @shiruhitozo

@omatsuta えーと、ツイッターで議論すべきことではないかもしれませんが、少し私の思ったことを書かせていただきますね。以下、1~17まで続きます。長文になりますが、お許しください。

2014-11-15 14:01:03
石川美南 @shiruhitozo

@omatsuta 【大松さんへ・1】大松さんは時評で、石井僚一の新人賞受賞作が「テキストだけで読めば迫力ある挽歌」だとしつつ、石井の父親が存命であることに触れ、作者の年齢性別氏名が伏せられた新人賞応募作では虚構として機能しない(虚と了解できない)と批判しています。(つづく)

2014-11-15 14:02:09
石川美南 @shiruhitozo

@omatsuta 【大松さんへ・2】そして、石井作品が、「歌と作者名は切り離せないのか(そう思う)、背景情報は作品に不可欠なものなのか(ある程度は必要だろうと思う)という短歌を巡る根本の問題を提起した」と総括しています。(つづく)

2014-11-15 14:02:41
石川美南 @shiruhitozo

@omatsuta 【大松さんへ・3】その過程で、「屋上屋を架せば、斉藤斎藤はこの問題に触れて……」と、斉藤さんの時評に言及しています。「屋上屋」と言っている以上、大松時評と斎藤時評はほぼ意見をほぼ同じくしているという印象を、読者は持つでしょう。(つづく)

2014-11-15 14:02:58
石川美南 @shiruhitozo

@omatsuta 【大松さんへ・4】では、斎藤時評には何が書いてあるのか。私も要約は下手なので、本当は全文引用したいところですが、ざっくりまとめてみます。(つづく)

2014-11-15 14:03:28
石川美南 @shiruhitozo

@omatsuta 【大松さんへ・5】(斉藤時評要約)(1)短歌には「自分や身内の生老病死についてはリアルな虚構を作らない」という暗黙のルールが存在する。 (2)命に関わる場面で「アマ」が作った歌が、「プロ」の歌よりも感動的、という「番狂わせ」が起こりうる。(つづく)

2014-11-15 14:03:45
石川美南 @shiruhitozo

@omatsuta 【大松さんへ・6】(斉藤時評つづき)(3)命に関わる虚構が許されると、「番狂わせ」が起こらなくなる。 この(3)については、ややニュアンスが分かりにくいと思うので、私なりに補足しますと、(つづく)

2014-11-15 14:04:06
石川美南 @shiruhitozo

@omatsuta 【大松さんへ・7】「テキストは全部虚構である=事実かどうかは関係ない」と言いきってしまうと、技術や発想力だけで歌を評価することになり、短歌はむしろ退屈になる。「虚構」と「現実の強み」両方を抱き込んでいるからこそ短歌は面白い、ということだと思います。(つづく)

2014-11-15 14:04:24
石川美南 @shiruhitozo

@omatsuta 【大松さんへ・8】さて、大松さんの時評では、斉藤時評の(1)~(3)部分からキーワードを抜き出していると思われます。ただし、斉藤時評はここで終わっている訳ではありません。(つづく)

2014-11-15 14:04:51
石川美南 @shiruhitozo

@omatsuta 【大松さんへ・9】(斉藤時評つづき)(4)しかし石井は審査員を騙そうとした訳ではなく、短歌は基本的に虚構であるべきだという立場なのだろう。 (5)若手における短歌観や死生観の変化の影響もあるかもしれない。(つづく)

2014-11-15 14:05:09
石川美南 @shiruhitozo

@omatsuta 【大松さんへ・10】(斉藤時評つづき)(6)せっかくの新人なのだから、石井は短歌界の暗黙のルールには構わず、堂々と思うところを述べればよい。(つづく)

2014-11-15 14:05:40
石川美南 @shiruhitozo

@omatsuta 【大松さんへ・11】(5)についても、やや補足が必要かもしれません。斉藤さんは前月の短歌月評(東京新聞2014.9.13)で、光森裕樹、大森静佳、吉田隼人の歌に触れ、修辞の力によって「身近な他者や自己の死を先取りし」ようとしている、と評しています。(つづく)

2014-11-15 14:05:53
石川美南 @shiruhitozo

@omatsuta 【大松さんへ・12】そして、石井作品についても、こうした傾向の一環として読める「かもしれない」と考察している訳です。(つづく)

2014-11-15 14:06:28
石川美南 @shiruhitozo

@omatsuta 【大松さんへ・13】ところが大松時評では、斉藤時評の(4)~(6)の要素が全て語り落とされています。そのため、あたかも斉藤さんが、「虚構として機能しない場において、父の死という虚構を作った」から「石井作品は評価できない」と評しているかのように読めてしまいます。

2014-11-15 14:06:50
石川美南 @shiruhitozo

@omatsuta 【大松さんへ・14】また、斉藤時評(1)~(3)部分の紹介の仕方についても、斉藤時評があくまで「暗黙のルールが存在する」と状況説明しているところを、「自分や身内の生老病死に関わる虚構は許されておらず」、と書き換えている点など、不正確に感じました。(つづく)

2014-11-15 14:07:22
石川美南 @shiruhitozo

@omatsuta 【大松さんへ・15】ついでながら、石井作品が生まれた背景について、大松さんが「蛇足で邪推」している部分ですが、これ具体的にはどこの学生短歌会のどんな事例を根拠にしていらっしゃるのか。私にはよくわかりませんでした。おっしゃる通り、「邪推」だと思います。(つづく)

2014-11-15 14:08:00
石川美南 @shiruhitozo

@omatsuta 【大松さんへ・16】短い文字数で一年間を振り返る時評、とても大変だったことは想像するに難くありません(私は未熟者ですので、一ヶ月分振り返るだけでも青息吐息です)。また、意図的に斉藤さんの文脈を捻じ曲げた訳ではないことも、承知しています。(つづく)

2014-11-15 14:08:21
石川美南 @shiruhitozo

@omatsuta 【大松さんへ・17】それでもなお、この件に関しては、「ちょっとないなあ…」と思ったというのが、正直な感想です。長文、失礼しました。140字に切りながら書くの、難しいですね。今後また、飲みながらお話したいです。(おわり)

2014-11-15 14:08:47
石川美南 @shiruhitozo

@omatsuta (おまけ)斉藤斎藤さんご自身のツイート(短歌と虚構1~5)もご参照ください。twitter.com/saitohsaitoh/s…

2014-11-15 14:25:42
斉藤斎藤 @saitohsaitoh

【短歌と虚構・1】うーん。全部の流れを終えてるわけではないですが。ツイッターを眺めてると、短歌と虚構の問題については、前提の部分でかなり誤解がある気がします。

2014-11-05 14:12:38
斉藤斎藤 @saitohsaitoh

【短歌と虚構・1】うーん。全部の流れを終えてるわけではないですが。ツイッターを眺めてると、短歌と虚構の問題については、前提の部分でかなり誤解がある気がします。

2014-11-05 14:12:38
斉藤斎藤 @saitohsaitoh

【短歌と虚構・2】短歌クラスタをざっくり、ライトユーザー/ヘビーユーザーに分けます。で、ツイッターを見てると ライト層:短歌=虚構派 ヘビー層:短歌=事実派 に見える。ライト層の中には「短歌は虚構に決まってる。事実とか言って閉鎖的な短歌村キモい」みたいに言う人も、何人かいる。

2014-11-05 14:12:45
斉藤斎藤 @saitohsaitoh

【短歌と虚構・3】でもですね。実際には、 ツイッターやってるライト層:短歌=虚構派 ツイッターやらないライト層:短歌=事実派 ヘビーユーザー層     :短歌=虚実皮膜派 という感じです。短歌をやり込んでる層に、「短歌は100%事実を書くべき」なんて人は、ほぼいません。

2014-11-05 14:12:51
斉藤斎藤 @saitohsaitoh

【短歌と虚構・4】ツイッターやらないライト層とは、歌集はほとんど読まないけれど、日々の生活を歌にして、新聞やテレビに投稿するのを楽しみにしてる人のことです。この層は、多少の脚色はありつつも、基本的には実際にあったことを歌にしているし、他人の歌も事実として読む傾向があります。

2014-11-05 14:12:58