茂木さん朝の連続ツイート2010年12月
駄菓子(3)謎だったのは、「舐めると甘い紙」で、確か赤い色をしていたのだと思う。当時、「チクロ」が騒がれていた時期で、おそらく身体には良くなかったと思うが、みんな平気で舐めていた。ぼくも2枚、3枚と舐めていたような気がする。
2010-12-29 09:22:31駄菓子(4)太田さんで買ったもので一番燃えたのは、「メンコ」で、特に、忍者のような絵柄で、端がささくれ立っているようなやつはどういうわけか「先祖代々」と呼ばれて珍重された。「先祖代々」を手に入れると飛び上がるほどうれしく、仲間から羨望の眼差しで見られた。
2010-12-29 09:23:55駄菓子(5)紙の一部分が丸く盛り上がって、そこに火薬が入っているやつは、確かピストルに使ったのだと思うが、単独でも、地面の上に置いて、そこに石を投げつけたりして良く遊んだ。バシンという音を、ぼくは本当は怖がっていたが、本能的にそういうのが好きらしい友だちもいた。
2010-12-29 09:25:22駄菓子(6)駄菓子の「太田さん」の回りは、子どもたちのコミュニティのようなもので、その回りで草野球をしたり、缶蹴りをしたりした。太田さんは、その店の裏のアパートで一人で住んでいた。どんな人生を送ってきた人なのか、ぼくたちは知るはずもなかった。
2010-12-29 09:26:28駄菓子(7)幸せだった駄菓子の生活に変化が訪れるきっかけは、小学校2年の時に発売された「仮面ライダースナック」だったと思う。凄まじい人気で、カードを抜き取って、食べていないスナックが袋ごと捨ててあったりした。ぼくと悪ガキ仲間は、こそこそと拾って、草野球の合間に食べた。
2010-12-29 09:28:22駄菓子(8)「仮面ライダースナック」は、駄菓子の「太田さん」では売っていなかったから、自然と子どもたちの足が太田さんから離れていくようになった。やがて、素朴な駄菓子よりも、キャラクター製品の方が子どもたちの間で話題になる時代が訪れた。
2010-12-29 09:29:22駄菓子(9)やがて、ぼくたちは、あれほど好きだった「太田さん」のことを忘れてしまって、駄菓子もあまり食べなくなっていた。小学校高学年になったころ、ふと気付くと、「太田さん」は消えていた。かけがえのないものを失ってしまったことがわかるのは、ずっと後になってのことである。
2010-12-29 09:30:25合宿(1)「合宿」で、午後1時に集合して、翌朝の4時まで、15時間ずっと喋っていた。端から見ると尋常ではないが、本人たちにとっては案外面白い。そうして、こんな「一回性」の対話でないと出て来ない話題もある。
2010-12-30 10:11:58合宿(2)15時間連続で喋ったと言っても、「話題」の数はたかが知れたもので、せいぜい30くらいではないか。人生の多様性を覆い尽くすには、30喋ってもまったく足りない。
2010-12-30 10:12:48合宿(3)喋っているうちに、次第に、感情が深掘りされていく。普段は言いもしないことを、酒の勢いもあって言う。ちょうど、休火山が噴火するようなもので、そのような瞬間が面白い。
2010-12-30 10:13:32合宿(4)白洲信哉(@ssbasara)などは、いつも噴火している活火山だが、それでも、15時間も喋っていると、深い時間帯になると爆発の方向が変わってくるし、噴煙の上がり方も目新しい。
2010-12-30 10:14:21合宿(5)要するに、15時間連続酒を呑みながら喋っていると、普段の会話とは全く性質の異なる領域に達するわけで、だからこそ、泊まり込んで時間を共にする意味があるのだろう。
2010-12-30 10:15:15合宿(6)滅多に見られない表情も目撃する。白洲信哉(@ssbasara)が、ソファの上で眠っていたかと思うと、突然喋りだす。その直前に、「半眼」になって、うっすらこちらを見る。そのありさまが彫像を見たような衝撃である。
2010-12-30 10:16:24合宿(7)朝、あいつも起き出してきたな、と感じる瞬間が面白い。あるいは、あいつはまだ布団の中でぐずぐずしているとおかしな気分になるのも面白い。朝歯を磨いたり、顔を洗ったりする思わぬ癖に、こいつはこういうやつだったのかと納得したりする。
2010-12-30 10:17:21合宿(8)白洲信哉は、シャワーを浴びていたら、「なんだい、茂木さんはシャワーを浴びているのか」とやってきて、「それじゃあ、良いお年を」とさっさと帰ってしまった。これからお母さんの明子さんがこちら方面にいらっしゃるというのに、長男は逃亡である。
2010-12-30 10:18:58