紅鎮守府日記 大鳳編

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戦争さん @RAKUNYA

「……たしかに、こんな記憶が我が身に降りかかったらと思うと、身震いがします」 「その割りには平然としているな?」 「そうですね。恐らくですが、私はこの大鳳である前に、一度“神姫トモコ”の記憶を挟んでおり、それが現在の主人格を支配しているから……ではないかと」 #紅鎮守府日記

2014-10-31 17:49:52
戦争さん @RAKUNYA

「しかし、なるほど……これが大鳳の記憶……」 「普通、艦娘は艤装の元となった艦と同等だ。つまりその記憶はその艦娘そのものが一度死んだ記憶と等しい」 「……それは―」 「あぁ、そうだ。艦の記憶は多くの場合トラウマに直結している。引きずる奴も多いと聞く」 #紅鎮守府日記

2014-10-31 17:46:24
戦争さん @RAKUNYA

「艦の……記憶」 「その体をチューンする際に、意識のない状態で一度艤装と接続してある。艤装はその名を冠する艦そのものの概念の塊だ」 「……つまり、艤装に接続した時に概念がこの体と一体化、その際に“記憶”の逆流が?」 「おっ、察しがいいな」 「……それほどでも」 #紅鎮守府日記

2014-10-31 17:43:08
戦争さん @RAKUNYA

「それじゃ、とりあえず“空母大鳳”としての実力を見せてもらおうか」 「……かしこまりました」 「知識はあるか?」 「はい、しっかりと。しかし、この記憶はなんでしょうか……赤くて、熱い記憶が……」 「おそらく、空母大鳳としての記憶、“艦の記憶”というやつだ」 #紅鎮守府日記

2014-10-31 17:38:56
戦争さん @RAKUNYA

「……ありがとうございます。ただ、あの……」 「ん?」 「か、顔が……近いです。お兄さま……」 「……すまん」 「い、いえ……」 #紅鎮守府日記

2014-10-27 18:45:01
戦争さん @RAKUNYA

「いいから」 「――ッ!」 「お前の仕事はシンプルだ。俺を信じて、生き抜け。死ぬことは許さん。わかったか?」 「…………はい、わかりました」 「よろしい。さて、すっかり言いそびれていたが……」 「……?」 #紅鎮守府日記

2014-10-27 18:42:33
戦争さん @RAKUNYA

「……で、だからなんだ?」 「……え?だ、だから早く処分してしまわないと」 「“その程度のこと”で艦娘一人を処分しなくちゃならないなら、俺はとっくに提督を辞めているよ」 「……それは、どういう」 「余計なことは気にすんな。それだけだ」 「でも――!」 #紅鎮守府日記

2014-10-27 18:39:41
戦争さん @RAKUNYA

「……私は――」 「ん?」 「私はやはり、どこかおかしいのでしょうか……この記憶も、もしかして作られた、偽の情報なんじゃ――」 「…………」 「だとしたら、私はどこかのスパイの可能性も……」 「まぁ、可能性はあるな」 「……なら、私は早いうちに始末を――」 #紅鎮守府日記

2014-10-27 18:35:47
戦争さん @RAKUNYA

「……だ、大丈夫か?」 「いえ、あの、すみませんお兄さま……あぁもう……!」 「呼称変更ができない……のか?」 「…………すみません、そのようです……うぅ……」 「ますます謎が増えたな……」 #紅鎮守府日記

2014-10-27 18:32:54
戦争さん @RAKUNYA

「周りは提督とか司令官と呼んでいるが……」 「……了解しました。それでは、改めましてこれからは“お兄さま”と――」 「……ん?」 「…………あれ?あ、し、失礼しましたお兄さま!」 「…………んん?」 「へ?あれ!?なんで、私はお兄さまって……なんで……」 #紅鎮守府日記

2014-10-27 18:29:33
戦争さん @RAKUNYA

「……その認識は、あるんだな」 「はい。艦娘は兵器である、と」 「ならいい。君の、“大鳳”には期待している」 「……おまかせください。お兄さま」 「……あー、ところでその“お兄さま”というのはなんとかならないのか?」 「……あっ……失礼しました」 #紅鎮守府日記

2014-10-27 18:25:32
戦争さん @RAKUNYA

「さっきも言ったが、先例は俺の知る限りない。指示して潜らせてはいるが……期待はするな」 「……大丈夫です。わからずとも、指示していただければ戦うことはできます」 「だが――」 「形は違えど、主は違えど、今の私はあなたの道具です。“マスター”」 #紅鎮守府日記

2014-10-27 18:22:29
戦争さん @RAKUNYA

「まぁ、しょうがないといえばそうだ。なにしろ、結局、肝心な部分が完全にわからないままだからな……」 「……そうですね。なにより重要なことが――」 「あぁ、なぜ――」 「神姫“飛鳥”の記憶を、艦娘“大鳳”が所持しているのか、という点だな」 #紅鎮守府日記

2014-10-27 18:17:33
戦争さん @RAKUNYA

「……ありがとうございます。長々とお付き合いいただいて」 「整理はできたか?」 「……いいえ、まだ、あまり……少なくとも、私の持つ認識や知識に相違がないことは確認できました。しかし――」 「それを受け入れるための整理はまだ、か」 「……はい」 #紅鎮守府日記

2014-10-27 18:13:31
戦争さん @RAKUNYA

「事実は驚きにあふれているだろ?」 「……えぇ、本当に。もしもこの状況を“お兄さま”が知ったら、なんと仰るでしょうか」 「さぁな……ただ、君の話を聞く限りは――」 「……はい。そうですね。きっと――」 「“面白い”だろうな」 「……間違いなく、です」 #紅鎮守府日記

2014-10-27 18:11:06
戦争さん @RAKUNYA

「……そうでしたか」 「驚かないんだな」 「……“お兄さま”が予想してらっしゃいましたから」 「なるほど」 「そして今は“艦娘”の時代……」 「そうだ。突然現れた外敵に“人類総出で”立ち向かっているところさ」 「……さすがにそれは、何度聞いても驚きます」 #紅鎮守府日記

2014-10-27 18:07:13
戦争さん @RAKUNYA

「なるほど。“トモコ”がいたのは2030年代から、か」 「……はい。今からだとかなり昔の話になりそうですね」 「その当時を知る者がギリギリ生きているかどうかといったところか」 「不死薬の存在が私のデータにありますが……」 「廃止されたよ。自殺者多数でな」 #紅鎮守府日記

2014-10-27 18:04:06
戦争さん @RAKUNYA

「その"お兄さま"とやらにか」 「……はい。趣きも、節回しも、仕草も、なにもかもが」 「……混乱するか」 「……いえ、むしろ」   「少し、落ち着きます」 #紅鎮守府日記

2014-10-24 01:01:33
戦争さん @RAKUNYA

「……あの、すみません。失礼を承知で伺います」 「なんだ? 」 「本当に、"お兄さま"ではないのですか? 」 「少なくとも、そう呼び慕う存在は、いままでいたことがない」 「……そう、ですか」 「どうかしたのか? 」 「……いえ、あまりにもそっくりなもので」 #紅鎮守府日記

2014-10-24 00:59:41
戦争さん @RAKUNYA

「……わかった」 「……ありがとう、ございます」 「だが、こちらとしてもわかっていることは少ない。情報が欠落している。教えられるのは"可能な範囲"だけだ」 「……理解しています」 「つらいかもしれないが、情報のすりあわせが必要だ。協力してくれ」 「……はい」 #紅鎮守府日記

2014-10-24 00:51:58
戦争さん @RAKUNYA

「……少し、休むか? 」 「…………」 「混乱している。少し落ち着いてから――」 「……いいえ」 「…………」 「教えてください……この状況を。現状把握を……お願いします。でないと、私は……私は――ッ!! 」 #紅鎮守府日記

2014-10-24 00:50:06
戦争さん @RAKUNYA

「…………この顔は……誰、ですか……? 」 #紅鎮守府日記

2014-10-24 00:47:16
戦争さん @RAKUNYA

「そうです。私は"トモコ"それに間違いはない……間違い? なぜ疑問が? あれ? 私ってなんですか……わた、わた、あ、あぁぁぁぁ……!!! 」 「…………」 「感触……体温? CSCは? 武装転送ニューロンは? 消えている? 記憶はあるのになんでなんでなんで――」 #紅鎮守府日記

2014-10-24 00:46:19
戦争さん @RAKUNYA

「…………」 「なぜだか通信網が切れていて……いえ、それ以前にこの空間は……あれ? あの、私は……わた、私……え……? わたしは一体――」 「お前は"トモコ"じゃないのか? 」 #紅鎮守府日記

2014-10-24 00:42:53
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