#完全ノープラン艦これ与太話 【アイアンクラッド・フライング・ブッダ】 #5～#7

春魔解丼 @vespiking

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空気よりも重い有毒ガスは瞬く間に地下倉庫を満たし、次元ワープゲートを経由し、綾波らのフロアまで到達した！緑色のガスがフロアを満たす。｢ア、アイエエエ！？な、なんやコレ……｣小高い祭壇上から、眼下のジゴクを見下ろし龍驤は戦慄する。｢あ、綾波＝サン！綾波＝サン！｣ #KZNPLN

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｢ウグゥーッ！？｣ガスを吸い込んだ綾波は突如呻き声をあげ、血を吐いて倒れた！｢綾波＝サン！畜生！クソッタレめ！｣ガスマスク内蔵型のコンバットメンポでガスを逃れたランドグリーズは、綾波を抱え祭壇上へ跳躍！｢ハァーッ！ハァーッ！｣綾波は白目を剥いて痙攣！ #KZNPLN

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｢アッハハ！アッハハハハ！これでキサマらもオシマイよ！｣じわじわと祭壇を侵略する毒ガスに包まれながら、五十鈴は狂ったように笑う。｢私の船体は残念だけど調整済み。この毒ガスに対する耐性をしっかり付与して来てるの！あとはしばらく待って、死体からマキモノを奪うだけ！｣ #KZNPLN

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｢フザケルナーッ！｣ランドグリーズはVT信管ランチャーを構えるが、ニンジャ第六感で危機を察知し、トリガを引く指を止める。｢アハ！お利口さんね。このガスは可燃性よ。爆発物がお得意の貴女には、少し相性が悪かったかしら｣｢グ……！｣ランドグリーズは歯噛みした。 #KZNPLN

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コンバットメンポの防毒機構は、カラテの呼吸を著しく阻害する。毒ガスの充満した室内で、身体能力の勝るトゥエンティワンとカラテで勝負するのは自殺行為だ。｢ア……ア……｣綾波の鼓動が弱まる。｢綾波＝サン……ナンデ……アアア……｣龍驤はぼろぼろと泣き出した。 #KZNPLN

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綾波の小さな手が、弱々しく龍驤を掴んだ。｢り、龍驤＝サン……。に、ニゲテ、ください……アバッ……その、マキモノを、渡しては……あのような、者に……アバッ｣｢綾波＝サン！喋ったらあかん！静かに……ムグーッ！？｣龍驤の顔面に、何かが押し当てられた。 #KZNPLN

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｢……予備のガスマスクだ。ある程度なら、ガスを防げる｣｢ア、アイエエエ……？｣ランドグリーズは立ち上がった。｢私が時間を稼ぐ。奴とて、あのレールをよじ登るには時間を要するはずだ。小柄なお前にフーリンカザンがある｣｢で、でも……｣｢必ず追いつく！行け！｣ #KZNPLN

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｢アイエエエ！綾波＝サン！那智＝サン！絶対待っとるからな！｣龍驤は駆け出した。トゥエンティワンは当然、インターラプトへ向かう。｢アハ！逃がすもんですか！ここで死グワーッ！？｣五十鈴悲鳴！一瞬の隙を付き、那智がスリケン投擲したのだ！｢貴様の相手は私だ！｣ #KZNPLN

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｢イヤーッ！イヤーッ！｣那智は空中で三回転しスリケン連続投擲！｢邪魔をするな！｣｢邪魔をするさ！先に契約を切ったのは貴様だトゥエンティワン＝サン！今の雇い主はそこの龍驤＝サンだからな！｣那智は着地と同時にトビゲリ！｢那智、か。久しく呼ばれていなかった名だ｣ #KZNPLN

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那智のヤバレカバレの猛攻撃を、トゥエンティワンはカラテでいなす。毒ガス地帯でのフーリンカザンは歴然。だが、片手間でいなすのは骨が折れる。追撃が遅れる。那智の思惑通りに！｢オノレーッ！ズガタッキェー！｣｢イヤーッ！イヤーッ！｣｢イヤーッ！｣龍驤がレールにしがみつく！ #KZNPLN

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トゥエンティワンは那智の猛攻を振り解き、駆ける！龍驤は常人の3倍近い腕力で、レールをよじ登っていく！｢チィーッ！あのマキモノめ！使用者のエンハンス効果もあったか！｣トゥエンティワンもまたレールにしがみつく！｢イヤーッ！｣｢グワーッ！｣スリケン投擲！ #KZNPLN

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那智はこれ以上の妨害を諦め、バックフリップで祭壇上へ戻る。｢アバー｣｢アバー｣バイオ艦娘らは息も絶えだえの綾波を案じ、しゃがみ込む。既にガスは祭壇上に達しつつあった。｢……お前達……すまない｣那智は綾波をかき抱いた。｢……川内……｣ #KZNPLN

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命からがら地下倉庫を脱した龍驤が見たのは、無残に崩落したテンプルの姿だった。｢ア、アア……綾波＝サンの、テンプルが……｣龍驤はヨロヨロと廃墟へ近付いた。ガシャリ、ガシャリ。瓦礫を運ぶ音が聞こえる。復興業者か？それにしては、手配がハヤイ過ぎる。 #KZNPLN

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廃墟には1隻の軽巡洋艦が佇んでいた。桃色の頭髪を長くまとめ、大きなポニーテールで……ナムサン。巡洋艦のポニーテールが、重機クレーンめいて動き、瓦礫撤去している。何たる光景か。｢ア、ア……｣｢アラ。実際アブナイですよ。外して保持｣巡洋艦はせせら笑った。 #KZNPLN

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｢アンタ、誰や……｣桃色髪のクレーン巡洋艦は、顔色一つ変えず、防塵マスクを着用したまま龍驤へオジギした。｢ドーモ。オミナント警備、復興部門。……そうですね。アンバランサーとでも呼んでください｣｢オミ、ナント……？｣龍驤は無意識にマキモノを隠した。 #KZNPLN

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｢世の中って、不平等だと思いますか？違いますよ。世の中は平等です。不公正なだけで｣アンバランサーは立ち上がり、マキモノを求めるように手を差し出した。｢ささ、わかりますよね。マキモノ。ください｣｢……嫌や！｣｢そうですか、わかりました｣｢アバッ｣ #KZNPLN

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アンバランサー、軽巡由良はマキモノをひょいと拾い上げた。｢ナムアミダブツ。力を持たざる者が、持つ者に敵わない。平等でしょ？｣首が180度曲がった龍驤は、瓦礫の山でぴくりとも動かぬまま、虚ろな瞳で由良の背中を見ていた。 #KZNPLN

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｢アー、実際酷い事故デスネー｣マッポ妖精が瓦礫を検めながら、ぶつくさと呟いた。｢ブチョー、被害者が1隻です。首に瓦礫があたって死んだみたいです｣｢アー、事故死ね｣｢デスネー｣マッポは調書をまとめようとした。その時。｢ちょっと待て｣ #KZNPLN

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｢そいつを検死に回す。マイヅル鎮守府へ運べ｣｢アー、総指令。コリャ事故死で……｣｢いいから、黙ってやれ。そいつのブラックボックスを調べる。洗いざらい、全部だ。……高くつくぞ、オミナント｣二色髪の駆逐艦から、殺意が溢れ出した。 #KZNPLN

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#完全ノープラン艦これ与太話 【アイアンクラッド・フライング・ブッダ】#6終わり。#7へ続く。 #KZNPLN

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