#完全ノープラン艦これ与太話 【アイアンクラッド・フライング・ブッダ】 #5～#7

春魔解丼 @vespiking

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#完全ノープラン艦これ与太話 【アイアンクラッド・フライング・ブッダ】#5 #KZNPLN

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――マイヅル鎮守府、索敵室。 #KZNPLN

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「……時津風の反応が、消えたわ……アア……」部屋の中央で、陰鬱な黒髪の駆逐艦がぶるぶると震える。「不知火……ネエ、応答して……不知火……」二色髪の駆逐艦はギリリと唇を噛む。「クソッ……！敵戦力は」「妙高、依然健在の模様……でも、アア、よく見えない……」 #KZNPLN

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二色髪の駆逐艦、長波は焦燥と同時に、奇妙な疑念を感じていた。コトダマ空間に直接アクセスする早霜の索敵能力は、雨天で室内にいながら快晴時の正規空母すら凌駕する。万に一つも、彼女の報告に見逃しはない。だが。「……本当にそうか？」長波は自問した。 #KZNPLN

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かの鎮守府からの増援、羽黒。マイヅルの不知火と、時津風。何れも各鎮守府の『最高戦力』に数えられる大戦力を、こうも立て続けに。1隻の企業重巡によって。――それは部下への過度な信頼が見せる、都合の良いifかもしれない。だが、それを疑うだけの違和感が、長波にはあった。 #KZNPLN

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「……ランダマイザ」「うん？」事態を傍観していた大型の深海棲艦が、ヒョコリと顔を長波へ向けた。「現存の磁気嵐貫通装置と水上電探で、射程はどの程度だ」「物理索敵するの？」「コトダマ空間侵食系の敵艦が、こちらの索敵を乱している。その可能性も視野に入れる」 #KZNPLN

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「オッケー、やってみる」ランダマイザと呼ばれた深海棲艦は二足歩行ロボットじみた巨大義足をガシャガシャと鳴らし、ホバー椅子型の超弩級艤装に飛び乗った。「で、範囲はどの程度だ」「使いモンにならないヨ。旧式も旧式、ホコリ被ってる。目視の方がまだ、イケル」 #KZNPLN

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「オイオイ、それで……」「そ、だから」長波を遮りつつ、ランダマイザはウエポンベイをパカリと開き、弾薬の代わりに詰め込まれた工具類を取り出した。「1時間くれ。今から作る。要求スペックは？」ランダマイザはレンチをクルクル回しながら、艤装のオーディオ装置を起動した。 #KZNPLN

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「ドーモ、ランドグリーズ＝サン。トゥエンティワンです。多勢に無勢。貴女達は今、21隻の精鋭艦隊と相対している」軽巡五十鈴、トゥエンティワンは挑発的にアイサツした。その全身からは、赤とも金とも蒼ともつかぬマーブル状のオーラが、不規則に立ち上る。 #KZNPLN

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「……貴女、一体」綾波はじりと滲む汗ごと銃身を握り締め、瞬きの闇にすら恐怖した。トゥエンティワンに、今までに見てきたどの艦艇よりも歪で、禍々しいなにかを感じたのだ。名を知らぬ野生の猛獣に、或いは見たこともない毒虫に、野山で道を塞がれたような不気味さがあった。 #KZNPLN

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「私は、まあ、そうね。ニンジャよ。でもね、スゴイなのはそこじゃないのよ。ニンジャなんて、オマケの副次要素。新陳代謝が向上したのは有り難かったけどね」この場の全艦艇から砲を向けられ、なおもトゥエンティワンは怯まない。「オミナント・メディテックこそが私の力よ」 #KZNPLN

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「ひとつのドックで、同時に建造できる艦娘は1隻。これは物理的に仕方がない。1隻ぶんの生命維持しかできないから。でももし、そう、大型艦建造ドックでもない、ただのドックに。12隻ぶんの開発資材を小分けにして投入すると、どうなると思う？」 #KZNPLN

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「ドックに投入されたバイオ艦娘胚は、培養開始から1時間で保護カプセルが溶融し、培養液に放たれる。ここから免疫能力を獲得するまでの数時間、ドックの生命維持作用で彼女達は命を繋ぐ。完成された遺伝子配列が、不要なパーツに使われる細胞をすべて、有用なパーツに回す」 #KZNPLN

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「ちょうど、そう。この期間。当然12隻の生存を保証しうるシステムはドックにはない。そうするとね、彼女達。互いに殺し合いを始めるのよ。意思も自我もない細胞が、たったひとつの生存枠を巡って争うの！まるで、卵子へ向かう精子のようにね。生命の神秘だわ」 #KZNPLN

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「こうして12段階の淘汰リーグを勝ち抜いた優秀な胚は、改修に不要なパーツに割くリソースを極限まで廃しながら成長し、晴れて最強のバイオ艦娘として竣工するわ。そこにいる子達のようにね。スーパービルディング法と呼ばれる最新の建造方法よ。凄いでしょ？」 #KZNPLN

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トゥエンティワンは水兵服めいたニンジャ装束をぐいと掴み、胸をはだけた。顔面の縫い目は、全身に及んでいる。「そうして誕生した極上の改修パーツの、さらに選りすぐりの20隻ぶんが私の身体を構成している。私自身と、彼女達20隻。つまり私は21隻の大艦隊なの。ワカル？」 #KZNPLN

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「下衆め」ランドグリーズは吐き捨て、深く息をついた。「お前の無駄な自慢話のお陰で、先の銃撃は随分と回復したよ。恩に着る」「バカねえ、待っててあげたのよ」「減らず口を！イヤーッ！」先に仕掛けたのはランドグリーズだ！跳躍と同時、左手の重武装義手を起動。主砲へ装弾！ #KZNPLN

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「イヤーッ！」トゥエンティワンの右腕がムチのようにしなり、スリケンを投擲！「グワーッ！」義手に突き刺さる！なんたる正確無比なエイミングか！『装弾機構に被弾したデチ。爆発しないよう砲撃にロックがかけられるデチ』無慈悲な合成ゴーヤ音声が響く。 #KZNPLN

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「アハハ！バカね！その義手は我が社の製品よ？どこを叩けば止まるかぐらい、わかってんのよ！イヤーッ！」五十鈴はさらにトビゲリを繰り出す！ランドグリーズ回避！だが跳躍が短い。先の傷の影響だ。 #KZNPLN

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●ほんじつの訂正メント行為● ほんじつ、過去のツイットンにおいて妙高が「妙高を撃破」と発言しているという痛ましい惨状のジャーナリングをうけ、我々はこれを調査すべく南米へと飛び、にゅうねんな調査をおこなった。ジャングルで我々の前にあらわれた連載たんとう者は（つづく） #KZNPLN

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●ていとくTEAMちょうさ隊● （つづき）たんとう者は語る。「私はここで軍事的通信メントみをかもし出すべく思案した。そう、『妙高型を撃破した』という報告はどうかと思った。だが現実は甘くなかった。おそるべき睡魔……悪魔の誘惑だ。我々の部族では睡魔は悪魔の」 #KZNPLN

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●おわび● しました。ごあんしんください。なお、このツイットン箇所はおそらく近未来に製作されるpixiv版で訂正されることだろう。 #KZNPLN