迫撃砲小話~延長砲身・カナダの漸減口径迫撃砲・イタリアの対空機能付水冷迫撃砲

大戦期の81mm迫撃砲について、とくに長射程のものに関するお話を少々 ・連合軍の延長砲身 ・カナダの漸減口径迫撃砲 ・イタリアの高射機能付水冷迫撃砲
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連合軍の延長砲身
えすだぶ@C97火曜日西2つ13a @FHSWman
英軍の3インチ迫撃砲って、名前は3インチだけど実際普通の81mm迫撃砲なのね pic.twitter.com/1vjZ9xYbiV
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えすだぶ@C97火曜日西2つ13a @FHSWman
英軍3インチ迫撃砲で面白いのは射程のお話。これは開発当初は射程1460mだったけど、大戦前に改良されて2560mに伸びた。英軍としてはこれで敵迫撃砲を射程で優越できると考えてたんだけども……蓋を開けてみれば、イタリアの81mm迫撃砲が4000m飛ばしてきてアウトレンジされてしまう
えすだぶ@C97火曜日西2つ13a @FHSWman
イタリアの81mm迫撃砲は何も魔法を使ってたわけでもなく、3.26kgの軽榴弾を使うことで4000mの射程を得ていた。英軍側はこれに負けない射程を欲した訳だけど、彼らは威力と引き換えになる軽榴弾という手は望ましくないと考えた。4.53kgの標準的な榴弾と長射程の両立を求めたわけ
えすだぶ@C97火曜日西2つ13a @FHSWman
と、ここでまたカナダが出てくる。本家英軍で迫撃砲の射程問題がどう受け取られたかはよくわからないけども、少なくともカナダ軍は1942年半ば頃から3インチ迫撃砲の射程延長策を検討し始める。もちろん射程延長の魔法も奇跡も無いので、堅実に、まず砲身を延長して初速を上げる策を検討する
えすだぶ@C97火曜日西2つ13a @FHSWman
カナダ軍は標準の3インチ迫撃砲に対し、長さ90cmの延長砲身を用意した。これで初速を240m/sにまで高め、射程4500mを得ようとする。この延長砲身は隔螺式に接続できるようになっていて、他に反動の増大にあわせて底板も大型化されていた。これらは42年10月頃までには完成した
えすだぶ@C97火曜日西2つ13a @FHSWman
延長砲身をつけた3インチ迫撃砲の試験では、標準榴弾を用いて4200mの射程を達成した。目標には少々届いていなものの、イタリアの4000mを超えることは出来た……けれども
えすだぶ@C97火曜日西2つ13a @FHSWman
この延長砲身、射程以外のあらゆる点が芳しくなかった。装着すると全長が195cmにも達するけども、これは砲を隠すことを困難にし、装填時に兵を危険に曝すことになると懸念された。無論この延長砲身は取り外し可能なので、長射程が要らないときは外せば問題ないのだけど
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それでも延長砲身の重量は機動性が実際重要な迫撃砲には重荷でもあった。そうした試験結果を踏まえてか、次に76.2cmの延長砲身が試作された。90cm版は重量不明だけども、76.2cm板は15kgだった。これには本家英国も興味を持ったらしく、43年半ばには英国に送られて試験される
えすだぶ@C97火曜日西2つ13a @FHSWman
3インチ迫撃砲用の76.2cm延長砲身では射程延長に関しても何かしら策が取られたらしく、試験では4600mもの最大射程を達成した。これで射程は当初の要求を満たしたけれども……精度は絶望的に落ちてしまった。4200mでの半数必中界は縦600m x 横41mもの大きさに
えすだぶ@C97火曜日西2つ13a @FHSWman
問題はこれだけではなかった。砲身自体の強度は足りていて発射には十分耐えられたのだけども、連続射撃の後は砲身が膨らんでしまう為か、取り外しが困難になってしまった。さらには底板にも亀裂が見られた
えすだぶ@C97火曜日西2つ13a @FHSWman
どうも英国側でも似たような手(45.7cmの延長砲身)を試していたようなんだけど、やっぱり長射程を得ようとして装薬を増していくと強度上の問題が生じてきて、砲身や底板の強化が必要になったとかで。これは重量増を招くし、軽さが命の迫撃砲には受け入れ難いと考えられたようで
えすだぶ@C97火曜日西2つ13a @FHSWman
どうもカナダと英国はよく似たような兵器の改良をそれぞれ別に試してることが多々ある気がします。互いに無関心ではなくて、もちろん時には協力するんだけど、根本は独立してる感じが
えすだぶ@C97火曜日西2つ13a @FHSWman
3インチ迫撃砲の延長砲身版の精度の悪さには、砲身がたわむとか揺れるとかでなく、240m/sだのの「高初速」には従来の迫撃砲弾の形が適していないという問題があったようです。他には装薬の種類も不適で、砲身が長くなったにも関わらず従来の急燃性のものを単に増量するだけで済ませていたと
えすだぶ@C97火曜日西2つ13a @FHSWman
他方、実はアメリカも彼らの81mm迫撃砲に対して延長砲身を作っていたらしく、これは実際成功して太平洋で幾らか使われたようです。ただ、これは砲弾の尾翼を延長し、装薬を遅燃性のものに変えるという手も取っていた。こうなると互換性は薄れるので、ちょっとうまくない面も無いではありませんが
えすだぶ@C97火曜日西2つ13a @FHSWman
ともあれ結局のところ、カナダ軍の3インチ迫撃砲延長砲身計画は、やはり重量増と精度の低下が許容できないということで44年には中止されてしまいます。英軍の計画もどうやら同様の結末を辿ったようで
えすだぶ@C97火曜日西2つ13a @FHSWman
迫撃砲の延長砲身といえば日本でも二式12cmでやってたような気がしますけども、あれは試作時の検討段階だけで、最終的には一体型砲身に換えたんでしたっけね
カナダの漸減口径迫撃砲
えすだぶ@C97火曜日西2つ13a @FHSWman
しかしカナダ人は折れない。3インチ迫撃砲用延長砲身の計画中止のあと、今度は精度と長射程の両立を狙って、(たぶん)前代未聞の「漸減口径迫撃砲」を研究し始める。無論普通の迫撃砲なので後装ではない。前装で、そして漸減口径砲身を持つんである
えすだぶ@C97火曜日西2つ13a @FHSWman
しかし漸減口径迫撃砲といっても、実際はそうおかしな発想でもなく、むしろ明快なアイデアでした。まず迫撃砲は大抵、砲弾と砲身に隙間が結構ある。あまり緩いと装薬燃焼ガスの漏れが大きくなるので、効率が悪くなる。これをキツくすれば、同じ装薬量でも効率よく砲弾を加速できる……けども
えすだぶ@C97火曜日西2つ13a @FHSWman
しかし前装式の迫撃砲では、あまり砲身と砲弾の間がミッチリでもまずい。というのも、砲弾が砲身内を落ちる時に砲弾の下の空気がエアクッションになっちゃって、砲弾がすんなり落ちなくなり。こうなると砲身底の撃針に当てての墜発が難しくなるとか。撃発式ならいいのかもですが、発射速度面では不利に
タルパ @talpacc
伊軍の81/14迫撃砲の最大射程4000m以上ってのは本当なんだろうか?米軍のハンドブックには確かにそう書いてあるけど、イタリアの本だと1000mも短い数字が書いてあったりしてよくわからん
えすだぶ@C97火曜日西2つ13a @FHSWman
そこでカナダ人は考えた訳です。砲口付近では口径を絞ってガス漏れの無駄を少なくし、砲尾付近は口径を広げて砲弾がすんなり落ちるような砲身を作れば、装薬の効率と発射速度を両立した迫撃砲ができるのでは? と。こうして漸減口径迫撃砲のアイデアが生まれた訳です
えすだぶ@C97火曜日西2つ13a @FHSWman
そういう発想なので、漸減口径といってもゲルリッヒ砲やリトルジョンアダプタのように大きく口径が変わる訳じゃありません。砲口で80.89mm、砲尾で81.45mmと、ごく微妙な漸減口径でした。普通の英3インチ迫撃砲は実口径81.28mmのようなので確かに砲口が少しだけ狭くなってる
えすだぶ@C97火曜日西2つ13a @FHSWman
この「漸減口径迫撃砲」は3200mの射程が期待されたようですが、やっぱり先述の弾の形が初速に対して不適当とかの問題は避けられないと考えられたようで、射程延長という方向性は放棄されます。その代わり、装薬効率の良い砲身を活かして、今度は射程を維持しつつ軽量化と精度向上を狙うことに
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