ニラから行きま~す。
ニラは原産地が中国西部といわれている。ニンニクやタマネギと違い、欧米では利用されておらず、東洋独特のネギ属野菜となっている。わが国でもその歴史は古く、9世紀辺りに導入されたと考えられている。もともとは「ミラ」と呼ばれていて、それがなまってニラになったとの説がある。
2014-11-21 19:45:08たびたび登場する本草和名(918)には「古美良」と記されている。わが国でも野生種のニラが田んぼの畔などに自生している。もともとの原生種か、栽培種が野生化したものかは明らかではないが、おそらくは野生化したものと考えられている。
2014-11-21 19:46:03黄ニラ。
黄ニラはそういう品種ではなく、遮光して栽培することによって軟白化させたものである。通常は一旦普通のニラを栽培し、刈り取って収穫した後の株にトンネルをかぶせて栽培されている。臭いは少なめだが、栄養成分は変わらないので臭いが苦手な人にも食べやすい。岡山県が主要な産地である。
2014-11-21 19:46:30ハナニラは食べちゃダメ。
ちなみに観賞用のハナニラは草姿がニラによく似ていて葉の臭いも似ているが、球根植物でハナニラ属という別属であり、葉は有毒である。ただし、野菜のニラの花茎を食べる「花ニラ」もありややこしい。花が咲いていればハナニラは1花茎に1輪が多いので、球状に多数咲くニラとは簡単に区別できる。
2014-11-21 19:47:24シャロット。
シャロット(仏名:エシャロット)は来歴がはっきりしない。他のネギ属と違って、地中海沿岸や古代中国などで栽培されていた記録がないらしい。日本に導入された時期もはっきりしない。ラッキョウに似た草姿で鱗茎と葉身の両方を食用にするが、ラッキョウというよりタマネギの変種と考えられている。
2014-11-21 19:47:46リーキもいってみよう。
リーキは地中海沿岸に原種が自生しており、その栽培型が現在流通しているものと考えらえている。古代エジプトやギリシャなどで栽培されていた記録があり、日本には明治になって導入され、各地で栽培されていた形跡はあるが、日本型のネギがすでに広がっていたためあまり定着しなかった。
2014-11-21 19:48:17リーキは軟白した葉鞘部を加熱してポトフなどに利用したり、刻んでサラダとして生食されることもある。無臭のジャンボニンニクはこのリーキの変種である。
2014-11-21 19:48:43山野草でギョウジャニンニク
ネギ属の山野草で食用にされるものではギョウジャニンニク、ノビルなどがある。ギョウジャニンニクはニンニクに似た草姿で宿根性である。アイヌネギ、ヤマビルなどとも呼ばれる。昔の山岳信仰で行者が精をつけるために食用にしたことからこの名がついたとされる。
2014-11-21 19:49:22ギョウジャニンニクは漢方ではかく(草かんむりに各)葱と呼ばれ、滋養強壮剤の特級品とされている。シベリア、中国、朝鮮半島に自生し、わが国では奈良県以北の山間地に分布している。おひたしや酢の物、てんぷらなど幅広く利用できる。
2014-11-21 19:49:48最後にノビル(野蒜)
ノビルは東アジアに広く分布し、日本では北海道から沖縄まで見ることができる。田んぼの畔などによく見られ、細ネギやアサツキによく似た草姿でかたまって生えていることが多い。タマネギによく似た鱗茎を形成するが、1~3センチ程度と小さい。主にこの鱗茎を食用とする。
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