【ニンジャスレイヤー二次創作】【ベイルド・ドゥーム・アンダー・ギター・サウンド】#3
「アアーッ!」頭を抱え叫ぶトランスレイターの精神に呼応し、全身に無数の文字が流れる!「集合」。「ラプラスの魔」。「世界全土を電子ネットワークが覆いつくし」。「そもそも原稿はどこから!」「空間」。「無意識」。「平安時代」。「英語であることに疑問を持つべきだった!アアーッ!」23
2014-11-25 04:25:21「煩妄」。「0と1」。「彼らは…いや、あれは…!恐らくニンジャですらなく!アアッ!アアーッ!」「アアアーッ!」ニンジャとモータルが狂気に叫ぶ!モータルはニンジャがもたらす恐怖に!ニンジャはなんらかの真実に!エルフニンジャがトランスレイターの肩を叩いた。「モドッテキテ」24
2014-11-25 04:32:25「…ハァーッハァーッ…セルフ管理メントな」トランスレイターは正気を取り戻した。彼の機械翻訳口調は恐らく生来のものではない。なんらかの狂気に触れたのだ。そして改めてボブを見た。「ボブ=サン。貴方は翻訳チームになれない。わかりました」ボブも正気に戻り、トランスレイターを見る。25
2014-11-25 04:37:10「貴方はマンゴーもぎ研修に使う。翻訳チームリラックス行為メントな」「エッ」トランスレイターはボブのニンジャ頭巾を掴み、ステージ上へと引きずっていった。「ハァーッ!ハァーッ!アイエエエ!」24
2014-11-25 04:39:10なんと恐るべき翻訳チームの狂気的支配か。研修開始から1時間半。中継動画は?…ナムサン。トゥイッター上の光景を見て頂きたい。「アイエエエヤメテ!実際やめないでいいけど」「あと何週やるんだろう!」「翻訳チームはゲイのサディストな」「ライブ儀式でも研修行為メント!さすが翻訳チーム」25
2014-11-25 04:50:34音楽を伴い二人のニンジャヘッズが踊り続ける2分ほどの欺瞞的動画は既に37週目を迎えている。だがトゥイッター上のニンジャヘッズの反応は上々だ。同じ映像を37回も見せられなぜ誰も疑問を持たないのか?答えは音楽である。ライブ儀式にも使われた、原典を装飾する音楽は現在25曲ある。26
2014-11-25 04:55:02トランスレイターは翻訳チーム末端構成員を使い、モータルが一つの映像から興味を失わずにいられる再生回数が8回と突き止めた。つまり、8回ごとに音楽を変えることで実際別の動画にしてしまえば、いつまでもその動画に不満を持つことがないのだ。そして現在の音楽は5曲目。残り20曲もある。27
2014-11-25 05:00:38さらにトランスレイターは無線LANハッキングにより会場内ヘッズのUNIXを自在に操作し、彼らのアカウントに偽のトゥイートを流させる。「アイエエエ!ボイスアクターナンデ!?」「裏話重点ヤッター!」「実際会場に来られて幸せ」「一生の思い出な」彼らが裏の惨劇を明かす事はない。 28
2014-11-25 05:05:26電子ネットワークに覆われたこの世界で虚構と現実の区別がつかなくなった者は少なくない。人々はIRC上の発言や姿のみを見て相手の真実を知ったと信じる。その裏にどれだけの欺瞞が隠れていても…。これはインガオホーか?だがしかし、この後数時間はライブ儀式の恐怖が外に知れる事はないのだ。29
2014-11-25 05:10:40「ここだけの限定版だってー!?」「ワオ!抱かれたい!」厳しい顔をしたニンジャヘッズが客のいない会場前通路へ向けて販促している。他に居るのはサングラスをかけた双子のスタッフだけだ。そこに一人のニンジャヘッズが現れた。「チケットを持っている。遅れたが入れて欲しい」30
2014-11-25 05:17:21そのニンジャヘッズはトレンチコートの上に赤黒のニンジャ頭巾を被っていた。口元のメンポにはジゴクめいた書体で「忍」「殺」のショドー。趣味で作ったとは思えぬ、他人を威圧するような風貌だ。「もう入れません」サングラスのスタッフがニンジャヘッズの前に出る。「ならば無理にでも通る」32
2014-11-25 05:22:12「ザッケンナコラー!」スタッフがヤクザスラングで恫喝!「そうか」ニンジャヘッズは動じず、スタッフを押しのけて鉄扉へと向かう。「スッゾコラー!」BLAMBLAM!スタッフは突然懐からチャカ・ガンを取り出し銃撃!「イヤーッ!」ニンジャヘッズはカラテシャウトと共に跳躍し銃撃回避!33
2014-11-25 05:27:24「イヤーッ!」「グワーッ!」ニンジャヘッズは落下前に空中回し蹴りを放ちスタッフの首切断!断面から緑色の鮮血が飛び散る!「「ザッケンナコラー!」」双子の片割れスタッフがチャカ・ガンを抜き、その後ろには…ナ、ナムサン!発砲音を聴きつけスタッフが続々集まってくるではないか!同じ顔!34
2014-11-25 05:32:28彼らは双子ではなかったのか!?読者の諸君、よく見て欲しい。彼らは双子や三つ子ではない。会場スタッフに偽装したクローンヤクザである!「イヤーッ!」「グワーッ!」そして片割れヤクザをたった今スリケン殺したニンジャヘッズもただのニンジャヘッズではない。彼は…ニンジャである!35
2014-11-25 05:35:48ニンジャは既にその全身をニンジャ頭巾と同じ赤黒の装束に変化させている!「ザッケンナコラー!」BLAMBLAM!続々集まり襲い来るヤクザウェーブに赤黒のニンジャはジュージツを構え、正面からカラテ殺ダイブした!「イヤーッ!」「グワーッ!」「イヤーッ!」「グワーッ!」36
2014-11-25 05:41:28緑色の鮮血が多数宙を舞う!ヤクザウェーブは水中爆発クレーターめいた衝撃を受け赤黒のニンジャを中心に半径2m円形消失!「入場料か。実際高いな」赤黒のニンジャはその場でコマめいて回転を始め、コンマ2秒後加速が最大に達すると全方位にスリケン投擲を開始した!「イイヤァァーーーッ!」37
2014-11-25 05:47:47「ワオ!抱かれた…アイエエエ!?」壮絶なカラテシャウトを耳にした厳しい顔のニンジャヘッズは我に返る!「グワーッ!」「グワーッ!」「グワーッ!」目の前では恐るべき殺戮光景が展開されていた!((俺はこんなところで何を?確か翻訳チームに会って…いや、それどころじゃない!))38
2014-11-25 05:51:15「アイエエエ!」厳しい顔のニンジャヘッズは流れ弾を受けぬよう姿勢を低くし、一目散に会場の外へと逃げていった。閉ざされた鉄扉の前で、もう一つの恐るべき光景が始まったのだ。イクサの光景が!39
2014-11-25 05:53:12「アバーッ!?」過度のタイピングミスケジメにより四肢を失ったニンジャヘッズの首が飛ぶ!ライブ会場内に倒れる首無し死体の数はおよそ10を数える。「翻訳行為をただの執筆と甘く見ないでもらいたいことだなあ。これはロック、そしてパンクであり、カラテだ」40
2014-11-25 15:45:29トランスレイターはステージ上でヘッズから送られてくる翻訳データを精査し、ミスがある者は確実にケジメしていく。その頻度は徐々に減ってきている。ニンジャヘッズ達が翻訳チーム概念を学び始め,徐々にだが正しい翻訳チームスタッフへと成長してきているのだ。エルフニンジャは黙して語らぬ。41
2014-11-25 15:50:57ステージ左右にそびえるモーターナラス達は場内アトモスフィアの激しい変化に惑わされることなく機械演奏を続ける。演奏はループしセットリスト2週目も後半。不穏なる#6やエレクトロに疾走する#7、へヴィメタルめいた#13は既に演奏を終え、メガコーポとのコラボレーション曲が目立つ。42
2014-11-25 15:58:30現在流れる曲はヨロシサン製薬とのコラボレーション曲だ。キッズ向けカトゥーンめいた底抜けに明るいサウンドは一部ヘッズからの人気も高い。だがそのメロディは実際のライブ光景とは真逆だ。機械奏者が無慈悲に演奏する中、カルト集団ニンジャヘッズがタッチパッドUNIXを一心不乱に操作する。43
2014-11-25 16:04:05エルフニンジャがトランスレイターと視線を交わし、ヒカル・ジツで朧げに発光しながら口を開く。「皆さんそろそろ疲れただろう。翻訳を止めていい。ニューロンの休憩が必要だ」「ヤッター!スシ補給ですね!」ヘッズが喜ぶ。「スシはない」「アイエエエ」「だがもっと楽しい事がある」44
2014-11-25 16:08:21