【ニンジャスレイヤー二次創作】【ベイルド・ドゥーム・アンダー・ギター・サウンド】#3

モ。 @TFMMS

【ベイルド・ドゥーム・アンダー・ギター・サウンド】#3

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（これまでのあらすじ：カルト集団ニンジャヘッズのライブ儀式に潜入した少年ボブ。彼は翻訳チームと呼ばれる人間達がニンジャヘッズと、そして彼らの信奉する「原典」を独占するのが許せなかった。そしてライブ儀式に興じるボブ達の前に翻訳チームが現れる。）

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（ライブ儀式は翻訳チームが新たなスタッフを研修するための偽装であった。その凄惨さは人間の所業ではない。そう、翻訳チームはニンジャだったのだ！一人、また一人翻訳チームへとニューロンを研修されるヘッズ達。ボブも例外ではない。ニンジャヘッズはもはやニンジャの道具となるしかないのか！？）

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ーライブハウス「生きる扉トーキョー」。ニンジャヘッズライブ儀式会場内には激しいギターサウンドが響く。薄暗い空間にはスモークが焚かれ、原色めいた数多のレーザー光が走る。ステージ上では機械奏者モーターナラス達が激しいサウンドを奏で続ける。しかしそれを注視する者はここにはいない。1

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会場内にはドットめいた小さな光がいくつも浮かび上がり、夕暮れを過ぎたタイム・トゥー・シー・デビルの都心部めいて３００の数が並ぶ。全てのニンジャヘッズはライブ行為を見ることなく顔を下に向けタッチパッド型ＵＮＩＸを操作している。そしてステージ上には二人のニンジャが目を光らせる。2

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ライブハウスという場にそぐわぬ奴隷労働者工場めいた光景。それはカルト集団ニンジャヘッズのチャメシ・インシデントなのか？否。全てはステージに立つ２人のニンジャによる恐るべき洗脳支配行為。エルフニンジャがニューロンを研修し、トランスレイターが崇高なる仕事を与える。いかなる仕事か？3

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翻訳である。二人のニンジャは翻訳チームと呼ばれる集団の構成員だ。翻訳チームは海外から送られる英語原稿の「原典」を翻訳し、ニンジャヘッズへ提供する。翻訳チームには謎が多い。その構成員数は不明で、常に変動しているとされる。構成員には度々「研修」と呼ばれるなんらかの行為が行われる。4

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この光景がその真実だとでもいうのか？翻訳チームの陰謀により会場に集められた３００のニンジャヘッズ達は自我を混濁され、翻訳チームの新たな構成員となるべく研修を行っている。初めは拒否する者も居たが、今やエルフニンジャのジツにより全ヘッズには「翻訳」という目的が植えつけられた。5

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「翻訳するべき原典は日夜送られ、いくらでもある。今の構成員では到底手が回らんくらいだ」エルフニンジャが研修されたヘッズ達に言う。そしてトランスレイターが続ける。「だから我々は研修行為する。心が痛むが、我々は決断的に行う！読者数を増やす。原典の素晴らしさを伝えたい！」6

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トランスレイターの全身に巻きつくＬＥＤ文字盤には「ネオサイタマ」「３倍」「ネオン看板」「漆黒のニンジャ装束」などと流れる。彼が無線ＬＡＮハッキングにより会場内の全ヘッズの翻訳する原典を読んでいるためだ。トランスレイターは時折顔をしかめ、カラテシャウトを放つ。「イヤーッ！」7

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「グワーッ！」その度に天井に設置されたギロチン装置が論理トリガーワイヤー射出されタイプミスしたヘッズの指、あるいは四肢をケジメする。「またタイプミスだ！貴方！崇高なる翻訳行為に私はミスを容赦しない！」既にニンジャヘッズの半数以上がその一部をケジメされている。8

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天井の無数のケジメギロチン装置からは血が滴り、ニンジャ頭巾正装のヘッズ達をブラッドレイク・ジゴクめいて濡らす。地面にはケジメされた指が散乱し、時折ヘッズが足をかけ転倒する。なぜ彼らは逃げようとしないのか？会場の鉄扉はロックされている。しかしそれだけではない。9

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「アイエエエ翻訳チームは狂人！翻訳なきゃ！」「誰か翻訳けて！」彼らのニューロンはジツにより混濁され、植えつけられた翻訳行為以外まともに思考できなくなってしまっている。全ては翻訳行為に変換され、逃げるという発想がもはや出来ないのだ！「グワーッ指が！」そしてまたケジメである！10

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「エッ…？指が！アイエエエ！翻訳できない！アイエエエ！」ナムサン！そのヘッズはあまりのタイプミスを繰り返し、手足全ての指を失ってしまった！他のタイプミスヘッズのように足でタイプすることも不可能！そこへトランスレイターが現れた。「貴方はタイプミスが多すぎる。実際休息が必要だ」11

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「イヤーッ！」「アバーッ！？」…ナムアミダブツ！射出されたケジメギロチンがヘッズの首をケジメ切断！ニンジャ頭巾の首が鮮血を撒き散らし舞う様はイクサに負けカイシャクを受けたニンジャめいているが、その胴体が爆発四散する事はない。彼はただのニンジャの真似をして遊ぶ人間だったのだ。12

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「アイエエエ！？翻訳イ！」「翻訳イエエエ！」その光景を見たニンジャヘッズ達は恐怖し失禁すらするが、その場から動くこともタイピングを止めることもない。「彼は、しました。ご安心ください」その場に倒れた首無し死体を放置してトランスレイターはステージ上へと戻ろうとし、止まる。13

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「ん？これは何？」トランスレイターはサイバネ義眼視界に描写された翻訳原稿データを眺める。一人だけ明らかにタイピングが遅い者が居る。他のヘッズが１セクション完了させている中、未だ３ツイートに留まっている。当然ケジメは無しだ。トランスレイターはそのヘッズの立つ場所へと進んだ。14

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そこには明らかに未成年とわかるヘッズが、息を荒げながら必死にタイピング翻訳していた。「ハァーッ！ハァーッ！許さないぞ！翻訳だ！」ボブは翻訳チームへの怒りに燃え、翻訳行為に励んでいた。だが彼はタイピング速度に優れてもいなければ、人生経験もない。ただの高校生である。実際遅い。15

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「貴方は実際未成年では？どうやってここへ」トランスレイターがボブの前に現れ、問う。「ハァーッ！ハァーッ！許さないぞ翻訳チーム！僕にはテンサイ級ハッカーの友達がいるんだ！」「成程、偽造な。次回は考慮します」「次回だって！？またこんなことを！」ボブはタイピングしながら怒る。16

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「僕は許さないぞ！ブラッドレー＝サンとフィリップ＝サンに申し訳ないと思わないのか！昔の翻訳チームはそんな奴じゃなかった！エルフの戦士も！」エルフニンジャが耳を動かした。「その少年、我々を知っている？」「何を言ってるんだ！昔は一緒にピザを食べたじゃないか！」17

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トランスレイターは何かを納得し、エルフニンジャを一瞥してタイピングし続けるボブに向き直った。「すまない。エート…ボブ＝サン。我々は君を忘れてしまったようですね？」「ハァーッ！ハァーッ！」「貴方は原典についてどこまで知っている？」「僕が知らないことなんてないさ！」18

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「ハァーッ！ハァーッ！アメリカ在住のボン・モーが…」「ボン・モー？…ククク」ボブを見つめるトランスレイターのサイバーグラスに「サンフランシスコ」と流れる。「貴方は信じているか本当に」「ハァーッ！ハァーッ！原作者不在説？馬鹿げてる！僕は二人とＩＲＣ会話した事だってある！」19

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「当然私もあります」「なら…」「だが見た事は？」トランスレイターに巻きつくＬＥＤ文字盤に「世界全土」「ネットワーク」と流れた。「エッ…？ハァーッ！ハァーッ！」「探しました。疑問は彼らへの物理手紙が届かなかったことから。」ＬＥＤ文字盤に再び「ネットワーク」と流れた。20

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「その住所は…いや…それだけじゃないです。原典の記述は明らかにおかしい。ニンジャは実在する。いいね？」サイバーグラスに隠れたはずのトランスレイターのサイバネ義眼から、狂気が、漏れた。「ハァーッ…？ア、アア…」ボブは本能的恐怖に、タイピングすらできなくなった。21

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サイバーグラスに「ニンジャ」と流れる。「ニンジャ…そう、フィクション？いいえ、つまりモデル…アア」ＬＥＤ文字盤に「マルノウチスゴイタカイビル」。「彼は実在する！だがどうやって？…アアーッ！」「ウェブ」。「プログラミング」。「原典は１０年以上前から…でも？彼が生まれたのは！」22