玉兎】東都病院の1Fエントランスに近い待合室の椅子に腰かけて、どことなく疲れた様子で天井に視線をやる。電灯の白い光とジジジという音が薄く空間に広がっている。
2014-11-06 13:27:12狭間】でかけた先から帷のマンションへ戻り、帷の保護のもとで一時的に同じ部屋に暮らす如月ハイジが風呂を使うあいだにと、携帯電話の画面にアドレスを呼び出す。
2014-11-06 13:27:53玉兎】源風香の荷物は纏めてすぐ横の椅子においてある。教会へ持ち帰るほど多い荷物でもない。はあ、とため息を吐いた後背もたれに体を預け、足を投げ出した。普段ならこんなだらしのない格好はしないだろうが、時間も時間で人目もないしいいだろうと思ってしまった。
2014-11-06 13:29:22狭間】かける相手は、昨日会ったばかりの相手。まずは、源風香。特に躊躇うこともなく、するすると指を滑らせてコールする。@Togiya_0822
2014-11-06 13:29:31玉兎】「……、」隣に置かれている荷物の中から携帯のバイブ音が微かに聞こえた。一番上に置いておいた携帯を手に取れば、そこに表示されていた名前を見て目を細める。
2014-11-06 13:31:06@c_yu_n 玉兎】画面にうつる電話のマークと名前を1秒、いや2秒。もしかしたら4秒だったかもしれない。「……」少し前に、この少年と話した内容を思い出して。
2014-11-06 13:33:47@Togiya_0822 狭間】「………、」 相手はなかなか出ない。まだ早い時間ではあるが、眠っているのかもしれない。このまま留守番電話に変わるか、もしくは相手が出ないまま10コールを経たら切ろうと考える。
2014-11-06 13:35:19@Togiya_0822 狭間】「お、」切ろうかと思った矢先で、電波がぷつんと断裂するような音がして、電話が通じる。相手は無言だが、「もしもし?」特に気にすることもなく声を投げる。名乗りもしないし、相手の名前を呼びかけもしない。
2014-11-06 13:38:45玉兎】携帯を耳元に当てるという動作も、まるで体が鉛にでもなったかのように倦怠感を感じた。耳にぴったりとは当てずに、離して音だけは聞こえるようにした。
2014-11-06 13:38:57@c_yu_n 玉兎】「………、」沈黙。普段なら、一言二言からかうような口調で開口きったかもしれないが、黙ったまま。しかし、それもやはりどうかと思い、縫い合わされたような口を無理に開いた。「……風香は、いないよ、」
2014-11-06 13:41:23@Togiya_0822 狭間】「!」ぴり、と眉間に皺が寄る。男の声。そしてその口調。電話越しの声で瞬時に判別できるほど親しくなどないが、相手が誰なのかは分かる。「……いないって、なんで?」短く、そして口調はいっきにトーンを低くして、問う。
2014-11-06 13:44:02狭間】ゆうべの深夜のハイジとの対話で、ずいぶんと自分の中から毒気は抜けている。この相手は嫌いだが、いまは別に拒絶反応じみた衝動が起こることもない。
2014-11-06 13:46:12@c_yu_n 玉兎】「…チョークに襲撃された」もう、疲れてるのだから何も言わずに通話を切られたほうがずっとマシだった。心からそう思いながらも、何故、と問われたから短く答える。
2014-11-06 13:46:43@Togiya_0822 狭間】「は?」目を瞬く。なぜその名前が出てきたのか分からない。心当たりと言えば、東都病院という場所柄、八尺ヒヅメ絡みで何か起こったのか、それとも桐生トウヤ絡みのことか。「なんで?」もう一度問う。現時点で不要な名前は、候補として思いついても出しはしない。
2014-11-06 13:50:44狭間】源風香とチョークに、接触点が思い浮かばない。ゆえに、『チョーク』という名詞を名前として飲み込みながら、『巻き込まれた』、あるいは『巻き込まれにいった』のか、と考える。
2014-11-06 13:52:46@c_yu_n 玉兎】「僕にもわからない。…風香と、…ソイツの関係性は僕はよく知らない。ただ、風香が彼を助けてしまって、それで来た…のかな…、……」疲れ果てた声になってしまっているだろう。口も大分普段より軽くなってしまっていることに、言っている途中で気が付き、口を閉じる。
2014-11-06 13:53:47