rsbs日誌#ドボク外伝1

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#rsbs日誌　ほうじ茶を差し出しながら吹雪は問う。かの鎮守府の噂は彼女も兼ね兼ね知っていたが、あれ程までに強固で暗号に暗号を重ねた電文を打つ事必要のあるやり取りとは…？と疑問に思ったのだ。うんむ。そうじゃな…話す序でじゃ。他の上級艦娘らも呼ぶかのう」「判りました」

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#rsbs日誌　内線によって呼び出された、提督の懐剣とも呼べる艦娘らが呼び出された。「それで、この度の彼方様への用件とは何なんです？」榛名が代表する様に比良坂に問うた。「うむ…実は秘密ドックを建造しようとわしは考えておる」「秘密ドック…ですか？」赤城の言葉に比良坂は首肯した。

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#rsbs日誌　「巨大潜水戦艦ヴァールガイスト、あやつの為の秘密ドックよ」　…――巨大潜水戦艦ヴァールガイスト。その船体は全長３４８Ｍ、全幅５１Ｍ、全高６７Ｍ。電磁推進装置、ポンプジェット推進、４軸二重反転ペラと言うマルチ推進器による高速航行を実現した、海の魔獣。

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#rsbs日誌　武装は３８センチ４連装砲を４基、その他多数の対空、対艦兵装を搭載した正に海を行く巨大な弾薬庫。アーセナルシップであり超兵器潜水戦艦である。「あやつは隠し玉じゃからな。何時までもスキズブラズニル級ドック艦の浮きドックで布で隠して整備するのも大変でのう…」

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#rsbs日誌　確かにあれ程の巨大な艦を整備するのは簡単な作業ではない。それも波に揺られる海上の浮きドックで、そして整備の度に一々巨大な天蓋や布で覆うのは非効率極まりないのだ。ならば秘密ドックを建造し、其処で整備を行った方がどれだけ楽であるだろう？

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#rsbs日誌　「でも…秘密ドックと言ってもあれだけ大きな潜水艦を隠すドックなんて作ったら目立たないかしら？」足柄は率直に自身の考えを述べた。「応とも。じゃから地下に作る」『…地下ぁ！？』提督の発言に艦娘達は驚きの声を上げた。…突拍子も無い案だったろうか。と比良坂は小さく悩んだ。

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#rsbs日誌　「地下ってつまり…地面の下、ですよね？」長良の言葉に比良坂は頷く。「お主ら、ジュウルベルヌの海底二万海里は読んだ事があらんのかや？かのネモ船長も地下にノウチラスの秘密ドックを作っておるであろう」「…色々と丸きり、ＳＦねぇ…」足柄の呟きにくすくすと比良坂は笑った。

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#rsbs日誌　　「世の中、充分に発達した科学技術は、魔法と見分けが付かないのじゃよ。かのクラーク氏もそう言っておる。それにほれ…胡散臭いの権化がお主らの目の前に居るではないか」

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#rsbs日誌　比良坂はわざとらしく腕を広げ、片方の掌に狐火を燈し、もう片方の手に霜柱を立たせて見せ、背後からは大量のモルフォ蝶がパタパタと飛び立っていく。「ま、そう言う訳で遠い海の向こうからドボク作業のエキスパートが穴掘りに参ってくるでな。」マジックの様な魔法を収め呟く。

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#rsbs日誌　「では我が娘らよ、粗相の無い様に。何時も通りに客人の持て成しは最大限に。何心配する必要はない。かの御仁らはスパイではない事は確り確認しておるでな」こうして、遠く東の果て日ノ本本土から、遠い南洋の果ての鎮守府にドボクのエキスパートが遣ってくる事が決まったのであった。

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#rsbs日誌　だがしかし、来るのは何時になるのか…？それは神のみぞ知る。暗号電文が彼方へと届くのは何時の日か？そして電文を解読するのに要する時間は？設営隊の準備や此方までの航海時間は…？気長に待つ他無いのである。何…急ぎの物ではない。今暫くノンビリと彼らが来るのを待っていよう。

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#rsbs日誌　ドボク工事のエキスパァト達がこの南洋の孤島に現れ、見事その工事を終えるまでは、魔女が作りたもうた巨大で異様な妖怪鯨には、波に揺られる天蓋付きの浮きドックで眠りこけて貰うとしよう…

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#rsbs日誌　外伝　第一話。 オハリ。