横山部長のお話

クラゲ @04kurage

#63 [彼女side]②⑥ その時携帯に落ちる水滴 あって見上げた途端に強く降って来た雨 突然の激しい雨に驚くけど そう言う時にうまく動かない身体 何処か建物にと一歩踏み出したとき 引っ張られる腕 見上げたら傘を指した侯君の腕の中だった 「すまん。遅なった」 と言った侯君

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#63 [彼女side]②⑦ 『侯君濡れるよ』 「こんだけ降ってたら傘あっても一緒やわ」 そういいながら歩く とりあえず雨宿りに 近くの繁華街のホテルに入る 仕方が無いとはいえ 妙に意識してしまう 「風呂入れてるで入っておいで」 そう言って促してくれる侯君

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#63 [彼女side]②⑧ せっかく頑張って着たのにな… 何て思いつつ帯を解く メイクもボロボロだし… 備え付けのクレンジングと洗顔を済ませて湯船に浸かる しっかり温まってお風呂を出ると バスローブを着てテレビを見てた侯君 「俺も温まってくるわ。浴衣干しとき」 と言った

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#63 [裕side]②⑨ しやーないとはいえ変にドキドキしてまう めっちゃ浴衣似合ってたのに 予報通りに降らんでもええやん いたたまれん気持ち抑えて風呂から上がると ボーッとしてる彼女 ベッドの端と端にそれぞれ座って 流れる沈黙 耐えられへんくなって“ふふっ”と笑った彼女

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#63 [裕side]③⓪ 『雨止んだかな？』 「どうやろ」 『せっかく浴衣着たのに』 「ああ。せやな」 『似合ってたよとかないの？』 「え？あ、似合っとったで」 『何それー』 と笑った彼女 『侯君と花火見たかったな』 「すまん」 『侯君悪くないじゃん』 「来年見たらええやん」

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#63 [裕side]③① 自分でもびっくりするくらい自然に出た言葉に 俺も彼女も固まってしまった 『来年…？』 戸惑う彼女 「あーもう！」 俺は頭掻きながら彼女との距離を詰める 真横に来た俺に身構える彼女 「俺と付き合ってくれん？」

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#63 [裕side]③② あの時伝えられんかった事を今度はしっかり伝えられた 『侯君…』 「なに？」 『来年は花火見ようね？』 そう言って笑った彼女 思わず抱きしめてる 『痛いよ』 って言うけど 「もう少し」 どちらともなく触れる唇 そのまま雨が上がるまで寄り添っていた…

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#63 after① [彼女side] 気づくと侯君の腕の中 しっかり抱きしめられて眠っていた 侯君のしっとりとした白い肌が直接触れていて 少しだけ恥ずかしくなる シャワーを浴びようと起き上がると 再び勢いよく倒され 気づくと侯君に組み敷かれている 「どこ行くん？」

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#63 after② 『シャワーしに行くの。だから…んっ…』 だから離してって言いたいのに 突然降って来た侯君からのキス ひとしきりキスした後 「いってらっしゃい」 なんて言ってベッドに横になった 満足したのか後ろでニタニタしてる 床に落ちたバスローブを羽織って浴室に向かう

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#63 after③ 鏡に写った自分の身体に無数に広がる赤い痕 あちこちにあって身体を洗いながら 赤い痕を辿り数時間前の行為を思い出す これ以上考えたらのぼせそうと思い素早くシャワーを浴びる 「俺も入ってこよ」 と入れ違いで侯君がシャワーを浴びに行く 「器用なもんやな」

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#63 after④ 見ないでって言ったけどずっとマジマジと着付けを見てた侯君 もう外はとっくに明るくなっていて 雨もすっかり上がってた 「送って行く」 って言われて家まで歩く 昨日は気づかなかったけど 何時ものスーツ姿とは違う服装にまたドキッとした 「ここ？」

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#63 after⑤ そんな道のりもあっという間にマンションの前 「ほな、また明日会社でな」 そう言って去って行こうとする侯君を 『侯君っ…』 思わず呼び止める 『朝ごはん食べてかない？』 「あー」 何も食べてない私達 少し躊躇する侯君を無理矢理部屋に連れて行く

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#63 after⑥ とりあえず着替えようと思って 『座ってて』 とリビングに案内したけど とっさに腕を掴まれて 寝室のベッドの上 「簡単に男部屋にあげたらあかんって。我慢出来んくなるやんけ」 と侯君は男の目をしてて 浴衣の帯に手をかける 「なんてな。早よ着替えてご飯して」

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#63 after⑦ そんな余裕な侯君にイラついて 上からどこうとするのを引っ張って私からキスをした 「もう知らんで」 『いいよ。もう少し一緒に居たかったんだもん』 結局侯君が帰ったのは夜でした… end・・・