【詩小説レッズ・エララ神話体系】時雨とエヴィル「雪中行軍」

少女剣士と変態黒魔術師が雪の広野を行く! そしてそれを付けねらうは……!? 詩小説アカウント「レッズ・エララ神話体系」の中世編、「時雨とエヴィル」シリーズです。 公式ブロッグペエジはこちらhttp://redselrla.blog.jp/ 過去に書いたこのシリーズについてはこっちのとこから探してみるもよろしいかと思われます。http://mypage.syosetu.com/357510/
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8TR戦線行進曲/レッズ・エララ神話体系 @RedsElrla

詩小説、レッズ・エララ神話体系【中世編】、時雨とエヴィルシリーズ「雪中行軍」はじめます(twitter連載)

2014-12-03 06:05:38
8TR戦線行進曲/レッズ・エララ神話体系 @RedsElrla

「雪中行軍」、「せっちゅうこうぐん」とお読みください。 【ざっとした概略】冬……ジョニーウィンター……ソナタ……恋の季節……そんなあれこれとは無縁に、我らが主人公・時雨とエヴィルは、今日もまた色気のない旅をするのであった……ジャーニー……。色気のない話だ……

2014-12-03 06:07:32
8TR戦線行進曲/レッズ・エララ神話体系 @RedsElrla

【本日の時雨の風体】相変わらずの長い黒髪に、人形のような童顔美少女。瞳は軽く青みがかった黒っぽい。腰にいつもの段平(日本刀)、妖刀「落葉(らくよう)」。そしていつものケープ付きフリフリ白ワンピ……がイマイチ目立たない。ケープの下に厚手のマントを重装備である。雪道ブーツ。薄手手袋。

2014-12-03 06:10:41
8TR戦線行進曲/レッズ・エララ神話体系 @RedsElrla

【本日のエヴィルの風体】いつもと変わらん、ぼさぼさよれよれ(よく言えばウェービー)な白髪に、背筋のぞっとする美貌の男である。女性にしか見えない……。目つき悪い。黒服黒ロングコート。……コートといえど、、薄手なので、寒くないのかお前……しかし大丈夫。その所以は作中で明かされん……。

2014-12-03 06:12:30
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月も見えない夜だった。自殺行為に等しい行軍である。あたり一面は雪、雪、雪。あるいは雪に覆われた大地、あるいは雪の固まりの連続。そのような大地を踏みしめていくは、少女一人と変態一人。なぜにこのような形容をするかというと、少女のマントに対し、変態は薄いコートのみだから。1

2014-12-03 06:12:47
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月も見えない夜だった。雪は相変わらず強い。先ほどまでの殴りつけるような強さは幾分減ったが、覆いかぶすような感じはまだ拭えない。少女・時雨(しぐれ)の、厚手の帽子の下の黒髪は、実は雪にまみれていない。それは変態魔術師の魔法によるものだ。外界の気候影響を遮断する都合のよい。2

2014-12-03 06:14:14
8TR戦線行進曲/レッズ・エララ神話体系 @RedsElrla

変態魔術師の青年・エヴィルは言う。「にしても、時雨君、完全防備までしなくてもいいものの。俺様の魔法があるのだし」そういうエヴィルは、実はいつもの黒ロングコートよりも、幾分寒波向けの服装をしている。例えば手袋だったり、ブーツだったり。それは時雨の意見を聞いたにすぎない。3

2014-12-03 06:19:12
8TR戦線行進曲/レッズ・エララ神話体系 @RedsElrla

「まあエヴィル君の意見を無碍にしてるわけじゃないんだけどね」世界が終わるときですら飄々としてそうないつもの口振りで時雨は言う。「ただ、いつ何時、何があるかわからない。だから防備はしておいて損はないわけ。大体、ふつうは死ぬからね、このような軽装で、こんな行軍は」4

2014-12-03 06:19:39
8TR戦線行進曲/レッズ・エララ神話体系 @RedsElrla

「俺様たち、ふつうじゃないからなぁ」エヴィルは当然の事実のようにして言う。だが時雨はそれに反論する。「いつ何時、ふつうに墜ちる時だってあるわけだよ」「リスクマネジメント?」「いえす。例えば、エヴィル君が敵に矢で撃たれたりとかね。忘れてない?私たちは逃げてる最中だってこと」5

2014-12-03 06:22:19
8TR戦線行進曲/レッズ・エララ神話体系 @RedsElrla

いつものように、とある町で暴力沙汰に巻き込まれた二人。その際、気に入らないマフィア的組織のメカジメとイチャモンに反発した時雨とエヴィルは、その組織を簡単に壊滅さしたのだが、実はその町はそのマフィアの利権によって潤ってる町だったので、簡単に町から追い出された二人。ままならん。6

2014-12-03 06:22:56
8TR戦線行進曲/レッズ・エララ神話体系 @RedsElrla

ただ立地が悪かった。季節も悪かった。いくらマフィアの本拠地に大々的に火を放ったからといって(しかも地獄の業火を召還魔法で呼んだから、去った今も燃えている)、その場周囲の数百キロをくまなく暖めるわけではない。ようは、町から去った今、やたらと寒いのである。7

2014-12-03 06:25:34
8TR戦線行進曲/レッズ・エララ神話体系 @RedsElrla

ここは……左手に大きな大きな岩山があり、右手にどこまでも続く大地がある。そんな左右非対照な土地で、だからこそ、奇妙なほど山風が強く、気候が厳しい。山から吹き降りる風が、ものすごい雪となるのだ。冬は。死にそうである。ふつうのひとならば。8

2014-12-03 06:26:57
8TR戦線行進曲/レッズ・エララ神話体系 @RedsElrla

恐らくは、マフィアも、町の連中も、それを見込んで、時雨とエヴィルを町の外に追いやったのだろう。少なくともそうすれば、この二人は死ぬ、と。だがそこは我らが時雨とエヴィルである。このような状況でも、変態魔術師の魔法ひとつあれば、全身あったかである。ぽかぽかである。9

2014-12-03 06:29:12
8TR戦線行進曲/レッズ・エララ神話体系 @RedsElrla

が。 「エヴィル君が死ななければ、だからね。エヴィル君の魔法が解ければ、私はエヴィル君を担いで、死ぬ思いでこの雪道を行軍しなくちゃならないから。そうすると私も辞世の句を詠まなくちゃなことになるかもね」「緊張感がねえなぁ」「がんばれー」「何をだ」10

2014-12-03 06:31:42
8TR戦線行進曲/レッズ・エララ神話体系 @RedsElrla

相変わらずそんなのんきな二人であった。だが、そんな二人ののんきぶりを、遠く背後から、見つめる目があった。高機能の双眼鏡で、見つめるその野盗じみた影は……はたして、そう、マフィアからの追っ手であった! 11

2014-12-03 06:33:04
8TR戦線行進曲/レッズ・エララ神話体系 @RedsElrla

【ごほうこく】ウィーピピー!(ファンファーレ) このたび、このアカウント/詩小説の、ポータル的ペエジを作りました。まだ試作段階ですが、アドレス張っておきます。redselrla.blog.jp 「小説家になろう」でもこのアカウントのログを拾っていましたが、こっちでも……

2014-12-05 05:25:27
8TR戦線行進曲/レッズ・エララ神話体系 @RedsElrla

なお、更新が数日途絶えちまってた、時雨とエヴィルシリーズ「雪中行軍」ですが、ほんじつ中にまた更新をはじめます。おねがいします。結構書いてるの。ツイートセンテンスにして30くらいまでは

2014-12-05 05:28:59
8TR戦線行進曲/レッズ・エララ神話体系 @RedsElrla

――●二日ぶりに更新再開します。レッズ・エララ神話体系、「時雨とエヴィル」シリーズ、「雪中行軍」その2●――

2014-12-05 20:54:20
8TR戦線行進曲/レッズ・エララ神話体系 @RedsElrla

【前回のあらすじ】少女剣士・時雨と、変態黒魔術師・エヴィルは、相変わらず旅を続けていて、今度の場面は……雪の中……。町から追われた二人は、のんきに旅をする。が、二人を付けねらう影があった……だった……。

2014-12-05 20:55:45
8TR戦線行進曲/レッズ・エララ神話体系 @RedsElrla

【注意】なお、今回の更新は、ためしに「TwitDelay」サァビスを使ってみますので、試験的なものとなりうる可能性が高い! だが決断! 英雄的!

2014-12-05 20:56:40
8TR戦線行進曲/レッズ・エララ神話体系 @RedsElrla

「ということで、そろそろ休んだほうがいいと思うのですよ」「いきなりの提言は何かと思うたら、もう休むんかい」エヴィルは多少ブゼンとしている。「時雨君、まだ歩けるだろう。余裕だろう」「それがリスクマネジメンってないんだなぁ。どこまでも余裕を持ちまくることが必要なんだよ」12

2014-12-05 20:59:42
8TR戦線行進曲/レッズ・エララ神話体系 @RedsElrla

ちょうどよく、近くの岩山に、洞穴があるではないか。時雨はそれを指して、休むといったのだ。「ほらあそこ」「わかっとるって。でも、あそこだと……」「ま、相手からしたらカモだよね。でもこっちにしても、地の利ってものを確保しておきたい。そういう意味でも休むんだよ」13

2014-12-05 21:02:24
8TR戦線行進曲/レッズ・エララ神話体系 @RedsElrla

おお、流石は百戦錬磨の剣聖、時雨である。とっくのとうに、二人を付け狙う追っ手の存在に気づいていたのだ。時雨の策は、あの洞穴で休むと同時に、相手を向かえ撃つというものだ。追いつめられた? 否。このような無限の雪のただ中で相手するよりは、塹壕戦に近いほうがまだマシだ。14

2014-12-05 21:04:32
8TR戦線行進曲/レッズ・エララ神話体系 @RedsElrla

「相手もすぐに襲ってはこないだろうしね」「寝込みでも期待してるのか」「そこが三流たる所以なんだなぁ」「なるほど」戦場(いくさば)においては、とにかく相方の少女を信頼する他ないのが、エヴィルの基本的見解である。15

2014-12-05 21:08:43