#twnovel 聖(ひじり)家の次男、剣(つるぎ)の渾名は『エクスカリバー』である。「えっちゃん、洗濯物お願いね」「マリア姉さん、その言い方やめてよ…」「え、だってエクスカリバーだからえっちゃん…よね?」「何か僕の名前忘れてない!?」「諦めろ、天然だ」「闘…」「名前で呼ぶな!」
2011-03-02 21:40:20#twnovel 聖(ひじり)家の長男の名前を呼んだ者は小宇宙の欠片になるという。「誰が言った、その噂!」「セイヤ、空に向かって叫ばない」「ぐ…はい」自分はこの幼馴染には逆らえない。惚れた弱みだ。だが、しかし…。「お前、何で城戸沙織って名前なんだよ!」「何それ意味わかんない!」
2011-03-02 21:49:29#twnovel 「英語教えて」「私国語」「次の古文当たるんだ」「科学お願い」「俺保健体育、実施で」「料理教えて」「お菓子がいいな」「クッキー」「いや、ケーキでしょ」聖(ひじり)家の次女は、友達の要望を同時に叶えつつ『保健体育』な彼氏を殴り飛ばすと料理教室の開催を予定した。
2011-03-02 22:03:47#twnovel やっとメールに返信がきた。『大丈夫』彼らしくない短い文章。長電話もできないし会いに行くには早すぎる。『何かできる事無い?』『笑顔が見たい』返事はすぐ返ってきた。『こんなに可愛い彼女がいるんだって。待ち受けにして自慢したい』馬鹿。私は少し涙目の笑顔を携帯に向けた。
2011-03-12 23:54:11#twnovel 「私がTV消したからって意味ないよね」そんな事無い。「こんな小さな額の募金って意味ないよね」そんな事無い。お前の力を甘く見るな。お前の力で助ける事ができるんだ。お前を必要としている人が今もどこかで待っているんだ。お前の力は、お前だけが使えるんだ。だから。頼む。
2011-03-13 16:25:11#twnvday \(^^)/\(^^)/\(^^)/\(^^)/\(^^)/\(^^)/\(^^)/\(^^)/\(^^)/\(^^)/\(^^)/\(^^)/\(^^)/\(^^)/\(^^)/\(^^)/\(^^)/\(^^)/\(^^)/\(^^)/\(^^)/
2011-03-14 00:14:23#twnovel 町の電気が消えていく。「お兄ちゃん」一緒に布団に入り込んだ妹が窓の外を見上げた。「明るいね」月明かりで思いのほかまわりが見える。妹の笑顔も見えた。「そうだな」頬杖をつきながら二人夜空を見上げる。「うちの電気もう届いてる?」「届いてるといいな」思わず笑って答えた。
2011-03-14 21:38:48#twnovel 「死にたい」といつもTLに漏らしていた。その度にフォロワーの皆に慰めてもらっていた。今私の目の前に、不安で押し潰されそうな顔をした小さな子供がいる。まるで、いつもの私みたいな。「大丈夫」言葉は自然に出た。「大丈夫」私は、その子を抱きしめた。今度は私が助ける番だ。
2011-03-16 00:30:34#twnovel あの子の笑顔を取り戻せるのなら僕はいくらだって道化になろう。たとえ世界中のみんなに笑われても。世界中のみんなに馬鹿にされても。僕があの子に捧げる歌は、涙と哀しみの冷たさを笑顔と幸せの暖かさに変えるための、僕が出来るたった一つのやり方だから。
2011-03-22 20:11:56#twnovel 10日。彼女と些細な事で喧嘩した。寝た。11日。携帯が繋がらない。メールの返信も来ない。12日。携帯の画面を見つめたまま一日が終わる。13日。『メール送りすぎ』素っ気無い返事が来た。思わず電話した。そのまま大喧嘩した。「今度あったら覚えてなさいよ!」望む所だ。
2011-03-23 00:27:33#twnovel ねえ、おかしいんだよ、どんなに体が震えても、どんなに胸が苦しくなっても、貴方がぎゅってしてくれるだけで、なぜか治ってしまうんだよ。だから、お願い、目を覚まして、もう一度ぎゅってして欲しい。ねえ、おかしいんだよ、あの日から、私ね、涙がなぜか止まらないんだよ、ねえ。
2011-03-23 21:58:55#twnovel バナナで滑ると何故かタイム・スリップしてしまう俺。故に登下校時は気が抜けない。俺の人生、意外にバナナが落ちているのだ。うお、あの女の子スカートが風でめくれ… つるっ「しまっ…!」バナスリ発動。五分前に戻った。「やれやれ」俺はもう一度ラッキーチャンスを堪能した。
2011-03-27 23:53:49#twnovel 人工魂が治療に使われるようになった。植物人間となった患者に、あらかじめ脳のデータ『魂』をデジタルバックアップしていた人工魂を移植すると、以前と同じ人間として目が覚めるのだ。交通事故で植物人間となった彼女も人工魂で回復した。だが時々ぼうっと空を見上げる横顔が怖い。
2011-03-28 00:16:49#twnovel 恥ずかしがり屋で赤面症の彼は背が低い事を気にしている。「と、隣歩かないで」「えー何で?」「だ、だって背、比べられる、し」「気にしない気にしない」「う、腕!組んだらダメだって!」「どうして?」「皆に見られると…」ハズカシイと呟く彼。顔真っ赤。だめだ。私鼻血出そう。
2011-03-28 00:26:23#twnovel 近所に住む小さな女の子。いつも公園のベンチでニコニコしながらノートに何やら書いている。「何を書いてるの?」「 ひみつ!」笑いながら彼女が答える。かわいい日記かおとぎ話なのだろう。ある日ベンチにノートを忘れていた。『つまらないつまらないつまらない…』「…読んだ?」
2011-03-29 23:42:32#twnovel 避難所で彼女はいつも笑顔を振り撒いていた。誰もが彼女の笑顔に癒されていた。つらい筈なのに一言も弱音を吐かなかった。…そんな彼女が。「今日は嘘をついてもいいんですよね」人目のつかない場所で泣いていた。「嘘泣きですから」と彼女は涙を流した。
2011-04-01 09:43:30