公害資料館連携フォーラム

富山　イタイイタイ病資料館にて

イタイイタイ病:加害者と被害者、初の公開発信　富山
毎日新聞　2014年12月07日　17時48分

（右から）企業、被害者団体、公害資料館の３者が共に取り組みの現状を紹介したフォーラム＝富山市友杉の県立イタイイタイ病資料館で
（右から）企業、被害者団体、公害資料館の３者が共に取り組みの現状を紹介したフォーラム＝富山市友杉の県立イタイイタイ病資料館で
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　富山市の神通川流域で発生したイタイイタイ病の原因企業の神岡鉱業（岐阜県飛騨市）と被害者団体が取り組んできた発生源対策を紹介するフォーラムが６日、富山市友杉の県立イタイイタイ病資料館であった。公害病を巡り、加害者と被害者の双方が一般参加者に対し公開の場で発信するのは初めてで、全国から申し込んだ約３０人が両者の「緊張感ある信頼関係」から学んでいた。【成田有佳】

　同館や全国の環境保全団体などでつくる公害資料館ネットワークが主催。同社の中山恵造常務は１９７２年から毎年の被害者団体、弁護士らによる立ち入り調査や、排水・排煙対策など両者の対話の積み重ねを説明。同社の環境対策について、「ここまでやっているところはない、という自負もある。働く者全員が『公害監視員』」と強調した。一般財団法人神通川流域カドミウム被害団体連絡協議会の高木勲寛代表理事はこれを受け、「対話により、前進も反省も生まれる。富山のこのような場でやることが大きな成果」と述べた。

　質疑応答では、昨年１２月の「全面解決」後の取り組みや両者の関係などについて、高木氏が今年８月にも患者認定が行われた現状や一般財団法人設立の意義を説明。中山常務は「現場の人間としてはスタート」と、企業側の自主的な取り組みにも委ねられるようになった責任の重さを挙げた。

　フォーラムは７日まで。５日には現地を歩くフィールドワークがあり、各地の公害資料館関係者や学生、中国の環境ＮＧＯメンバーなど約６０人が参加。ほぼ自然界と同じカドミウム濃度となった神通川や復元田、被害者団体が建設した清流会館などを見学した。

イタイイタイ病が発生した富山市の神通川流域で、全国各地の公害病の資料館の取り組みを受け継ぐためのフォーラムが5日からはじまり、関係者がイタイイタイ病関連の場所を視察しました。

このフォーラムはイタイイタイ病や水俣病など全国各地の公害病の資料館同士が連携して、未来の世代に公害病の教訓を受け継ぐことを考えていこうというものです。

初日の5日はイタイイタイ病が発生した神通川流域のフィールドワークが行われました。

全国の公害資料館は「語り部の高齢化」や「時間の経過による記憶の風化」など共通の課題を抱えています。

富山市友杉のイタイイタイ病資料館を訪れた56人の参加者は、上流の鉱山から神通川に流れたカドミウムにより引き起こされた病気の悲惨さや歴史とともに、この資料館で公害についてどのような伝え方がされているかを視察しました。

水俣病資料館の副館長を務める男性「いろんな模型とかそういうものがたくさんあって子どもたちに人気があるんだろうと感じました」

岡山県水島地域の公害問題に取り組む女性「関係性について詳しく説明されていたので」「患者さんと県や市が協力して、このいい環境を作り上げてきたということがわかりやすかった」

一行はこのほかカドミウムで汚染された土を入れ替えて復元した田んぼや、その記念碑などを視察しました。

フォーラムはあさってまでで、6日からは記念講演や複数のグループに分かれて課題を話し合う分科会が行われます。

引用元：http://www.knb.ne.jp/news/detail/?sid=5735