講師:槇 文彦「穏やかなまちをつくる」法政大学建築フォーラム 2014テーマ:「東京と住宅」

伝説の建築メディア「都市住宅」の元編集長植田実氏のモデレートによる12月9日に法政大学でおこなわれた法政大学建築フォーラム 2014の第7回。槇文彦先生の講演の模様です。
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建築エコノミスト森山高至「土建国防論」執筆中 @mori_arch_econo

法政大学田町校舎マルチメディアホールに着いた。槇文彦先生の講演です。実況します。大盛況ですね、既に立ち見が発生しています。

2014-12-09 18:13:36
建築エコノミスト森山高至「土建国防論」執筆中 @mori_arch_econo

法政大学田町校舎マルチメディアホール槇文彦先生のお相手は伝説の建築メディア「都市住宅」編集長だった植田実先生です。

2014-12-09 18:18:05
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法政大学槇文彦先生講演会タイトル出ました!「すむということ=穏やかな町づくり」サブタイトル「細粒都市」う〜む、メインタイトルとサブタイトルが普通と逆なのがまことに槇先生らしいね。

2014-12-09 18:24:12
建築エコノミスト森山高至「土建国防論」執筆中 @mori_arch_econo

植田実さんのこれまでの6回シリーズは住宅そのものを紹介されたのだと思います。私は住宅の都市的な背景についてお話します。東京は例えばニューヨークのマンハッタン等と比較して建築物のボリュームも小さい。細かい。もちろんヒルズみたいな大きなものもありますが

2014-12-09 18:43:48
建築エコノミスト森山高至「土建国防論」執筆中 @mori_arch_econo

建築が大中小とそろっている。そして町というものが道が奥へ奥へと枝分かれしながら町は細分化していく、同時に鉄道網や地下鉄網がきめ細かく整備されている。そこには電気的なものも含まれており大きな街区に整備されてるところもありますが、細かいというのが特徴です。

2014-12-09 18:50:31
建築エコノミスト森山高至「土建国防論」執筆中 @mori_arch_econo

ヒルサイドテラスは山手通りに面していますが、元々広い道路ではありませんでした。東京では道が広いと高さや容積も高いという関係になっていますが、代官山の山手通り付近は高さも容積も抑えてあります。それは地主の朝倉さんとそれに協力した政治家の力です。

2014-12-09 18:57:57
建築エコノミスト森山高至「土建国防論」執筆中 @mori_arch_econo

結果として東京の都心ではまれな景観、広い道路なのに低層の建物が並ぶという、空が広々とした代官山の雰囲気がこの規制により40年にわたり維持されたのだと思います。実はヒルサイドテラスは1期2期3期4期と続くたびに建築のデザインのスタイルも素材もどんどん変えています。

2014-12-09 19:06:04
建築エコノミスト森山高至「土建国防論」執筆中 @mori_arch_econo

当初の住居ユニットという考え方も、だんだん庭との連続性を重視するようになり、次には広場を設けたり、周辺の道路や路地との連携を意識して敷地にアクティビティを増やす努力をしています。同時にギャラリーやカフェ等の施設を広場や通路に面して設けました。

2014-12-09 19:11:28
建築エコノミスト森山高至「土建国防論」執筆中 @mori_arch_econo

ヒルサイドテラス付近には歴史的遺構も数多くありました。旧朝倉家、茶室、古墳、それらの保存や活用をヒルサイドテラス3期工事では行いました。また直近の新築では隣地とつなぐ通路を建築に取り込んであり、中庭を通じて裏通りから山手通りまで通り抜けを可能としています。

2014-12-09 21:22:30
建築エコノミスト森山高至「土建国防論」執筆中 @mori_arch_econo

ヒルサイドテラスは工期ごとに様々な気付きを私たちな与えてくれました。思いもよらない利用の仕方や予想外の出来事が次の計画時に新しいアイデアをもたらします。点描の巨匠スーラの「休日の午前」という絵があります。パリのブルジョアジーの公園での光景を描いたものですが

2014-12-09 23:26:42
建築エコノミスト森山高至「土建国防論」執筆中 @mori_arch_econo

この絵に登場する人々は思い思いの方向を見つめています。これは人々が別のことを考えている、いわば都市には孤独に浸るための公共空間があることを表面するものです。私の好きなニーチェの言葉に「孤独は魂の故郷である」というものがあります。確かに都市空間には孤独になるための場所も必要です。

2014-12-09 23:33:08
建築エコノミスト森山高至「土建国防論」執筆中 @mori_arch_econo

(カフェの奥の席に座る初老の紳士の写真)これはヒルサイドテラスの中にあるカフェです。ある時気付いたのですが、彼は毎日決まった時間にいつも同じ席に座っていました。そしてワインの小瓶とサンドイッチを頼みます。ワインを3分の1ほど飲み、そしてサンドイッチを食べ、珈琲を飲むのです。

2014-12-09 23:41:15
建築エコノミスト森山高至「土建国防論」執筆中 @mori_arch_econo

そして、ゆっくりとカフェの奥から庭を眺める。毎日決まったようにそんな時間をカフェで過ごしてられました。私は気になってカフェの人に彼のことを尋ねた。するとお近くの教会の神父さんとのことでした。人々が自分だけの時間を持てる場所を作ることも大事です。あるときから

2014-12-09 23:46:20
建築エコノミスト森山高至「土建国防論」執筆中 @mori_arch_econo

ヒルサイドテラスのカフェであるときから彼の姿を見かけなくなった。私は店員さんに尋ねました。その神父さんはちょっと前にお亡くなりになったそうです。私は自分の設計した建物がその後どのように使われているか気になって見に行くのですが、北千住の東京電機大学キャンパスでは

2014-12-09 23:50:39
建築エコノミスト森山高至「土建国防論」執筆中 @mori_arch_econo

北千住の東京電気大学では足立区と交渉しキャンパスを市民が自由に通り抜けられるように計画しました。結果として大学という閉鎖されがちな空間が多くの市民に利用され、老若男女の様々な交流の場が見られます。付近の幼稚園児たちが先生に連れられキャンパス内の広場で遊んでいるのを目にしました。

2014-12-10 10:03:28
建築エコノミスト森山高至「土建国防論」執筆中 @mori_arch_econo

その様子を見ておりますと、子供っていうのは丸いものに抱き着くんですね。ちょうどピロティに丸柱があるのですがそこに子供達が抱き着いたりぐるぐる回ったり、子供というのは動物的というか感性がプリミティブだから、世界中の文化が違っていてもその行動はいっしょです。成長するにしたがって段々

2014-12-10 10:12:52
建築エコノミスト森山高至「土建国防論」執筆中 @mori_arch_econo

成長と共に人は地域の慣習や文化や社会的行動を身に着け徐々に感性と行動が分化していき違いを生じていくのですが、その後年を経て老齢に近づいていくと、また同じような行動様式に収斂していきます。老人のためのバリアフリーという建築的対応は世界共通のものでしょう。横浜港北区篠原地域ケアプラザ

2014-12-10 10:18:15
建築エコノミスト森山高至「土建国防論」執筆中 @mori_arch_econo

篠原地域ケアプラザは15年ほ前に設計したのです。先日ここを訪れる機会がありました。在宅での老人介護は家族にとって大きな負担がかかります。昼間そういった方々を預かって生活の支援をする施設ですが、ここで非常に印象的な光景を見ました。 pic.twitter.com/fYFkQLt6zw

2014-12-10 10:23:22
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建築エコノミスト森山高至「土建国防論」執筆中 @mori_arch_econo

老人室に30名ほどの方々が座っておられた。施設の人にお聞きしたのですが、ここにいらっしゃる方々の平均年齢が93歳ということでした。この意味は100歳近い方が大勢いらっしゃるという意味です。そしてその7割は認知症が出ておられる。これからの日本の社会はどういう方向なのか実感されます。

2014-12-10 10:28:29
建築エコノミスト森山高至「土建国防論」執筆中 @mori_arch_econo

槇先生続き:私はニューヨークに長く住んでいたことがあるのですが、公園に多くの人が集まり思い思いの時間を過ごすのを見ています。欧米では都市は広場を中心に公共的な空間が広がっています。面白いのは新しい建築も建ってますが公園からの景観も雰囲気も50年間変わっていないということです。

2014-12-11 18:39:35
建築エコノミスト森山高至「土建国防論」執筆中 @mori_arch_econo

三原市芸術文化センターでは地方都市には立派な施設です。大型ホールではありますが公園に面したホワイエを低層化しています。その理由は歩行者に優しい雰囲気、親子連れの女性が一人で施設の前にたたずんでも圧迫感のないものにしたいと心がけました。 pic.twitter.com/I6CwCBfXza

2014-12-11 18:46:10
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