《小選挙区制だと、日本の国政選挙はこうなる》

まず。コメントは、発見したらすぐに、いかなるものであっても削除しますので、ご了承ください。 私に何か話しかけたい方は、ご面倒でも、ツイターのメンションでお願いします。 政治分析は、私の中心的な関心ではありません。
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宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

さて、と。 投票がおわったから、ずっと書きたかったことを少しずつ書いていこうね。

2014-12-14 20:51:27
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

まず、今回の選挙がそうなっているのだけれど、 得票実数ではそれほど多くを占めなくとも、 比較で他党よりも少し多く集めた政党が圧勝してしまうのが、現在の仕組み。 これは、小選挙区制を導入すれば不可避的に起きる結果だ。 これを強権的に導入した、小沢一郎氏の「功績」だ。

2014-12-14 20:55:09
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

私が知る範囲では、小沢一郎氏が目指したのは、 政権交代がある程度の頻度で発生する保守2大政党制だ。 革新や人権を訴える政党(共産党などの無産政党)の出番を抑えること。 それは、小沢氏の考えの中でも大きかった。 目指したのは、自民党と、非自民保守党の2大政党制だ。

2014-12-14 21:03:01
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

共産党を外すことに関しては、小沢一郎氏が目指した通りになった。 あとは、非自民党で、自民党以外の勢力が結集することができれば、 小沢一郎氏の思うとおりになっただろう。 政治家だけで考えれば、ひとつの選挙区に二人以上の保守候補を確保するのは、 簡単だ。

2014-12-14 21:09:01
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

小沢一郎氏が勘違いしたのは、 この国の政治家以外の政治的勢力の力だ。 「今太閤」とまで呼ばれた田中角栄氏は、 政治家以外の勢力から攻撃され、追い落とされた。 財界と官界から、不都合な情報を集中されたのだ。 しばらくの間政治家の中でも暗闘はあったが、 田中氏は政治中心から放逐された

2014-12-14 21:16:16
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

日本の政治家は、1つの議席に2人以上の人間が目指す。 「議員」であることが「仕事」なのだから、 順番待ちをしても、3歳下の人間が入れ替わることはできないから、競うしかない。 しかし、官僚の世界なら、途中でライバルが脱落して、最後の最上位に座る人間は1人だが、3歳下の人間は待てる。

2014-12-14 21:20:34
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

大企業の経営者は、雇われ社長なら数年で交代すれば良いので、争いが起きない。世襲なら、生まれがすべてを決めてしまうので、これも争いは必要ない。 争う必要がない官僚や大企業経営者は、2大政党制は困るのだ。官僚と大企業の方を向いて政策を決めてくれる保守政党1つだけで良いのだ。

2014-12-14 21:23:24
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

むしろ、保守2大政党制が実現して、前政権の間に政治家が行った不正が暴かれては困るのだ。多くの場合、政治家の不正には官僚や企業経営者が関与しているのだ。天下りした先の予算がチェックされて削られでもしたら、官僚の生活設計は崩れてしまう。

2014-12-14 21:28:11
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

保守2大政党制の目標は、基本的に米国の議会なのだろう。 ある程度の頻度で政権交代が起き、その交代に合わせて高級官僚も下野するのが、米国式だ。これだと、政治家も高級官僚も腐敗することを防ぎながら政治が行える。 率直に言って、それを導入するには、30年遅かったと、私は思う。

2014-12-14 21:32:10
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

田中角栄氏が失脚し、政治に清潔さを求める国民が多かった時代ならば、 あるいは、政権交代に対する忌避感がそれほど大きくない状態で、 国民は支持したかもしれない。 官僚や財界も止むを得ないと考えたかもしれない。 しかし、遅すぎた。官僚も財界も政治家も、今の利権を手放せない。

2014-12-14 21:36:57
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

小沢一郎氏が狙ったとおり、 小選挙区制度を導入した直後、 自民党は政権を失い、非自民反共産の連立政権ができた。 (ここで公明党を取り込むことができなかったことも、あるいは大きいポイントになったのかもしれない) 途端に、すさまじい民主党バッシングが始まった。

2014-12-14 21:40:24
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

内容から考えて、 官僚がマスコミや自民党に洩らしたとしか思えない内容のバッシングも続いた。 特に、省庁の後ろ盾がない政治家、省庁と対立する政治家へのバッシングは強かった その中で、自民党政治家側から、非自民連立政権内部の政治家に、小沢一郎氏を攻撃させる仕掛けも起きていた。

2014-12-14 21:45:31
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

2大政党制を受け入れる志向は、 日本社会には根付いていなかった。 特に、官僚や財界には、2大政党制で仕事内容がチェックされるのは、断固として回避したかった。 そこで官僚たちは、新しく与党第一党になった民主党に対しては、自民党に対して行ったような協力を行わなかった。サボった。

2014-12-14 21:51:15
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

もし、政権与党第一党だった時代の民主党が、官僚と自民党という二つの勢力の腐敗を暴き立て、刺し違える覚悟があれば、その後の自民党の政権回帰は防げたかもしれない。が、民主党の政治家の多数には、そこまでの覚悟はなかった。小沢一郎氏も、自らの身を守るので精一杯の状況に追い込まれた。

2014-12-14 21:55:31
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

もし、民主党が、腐敗した自民党・官僚と刺し違えたら、どうなるだろうか? 自民党政権は不正を行っていた。非自民反共産政権もダメだった。 すると、残る選択肢は、公明党と共産党だけになる。特に、清潔さと論理性がセールスポイントの共産党から首班が出たら。 そこまでの決断は無理だった。

2014-12-14 21:58:46
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

結局、保守2大政党制は、自民党政治家、官僚、財界と、そこに結びついてきたメディアの協力もあって、夢と消えた。 おそらく、民主党の政治家の大半や、そのほかの野党の政治家の相当数には「小選挙区制にしたのだから2大政党制に」と考えている人は多数いるだろうが、同床異夢と言えるだろう。

2014-12-14 22:03:37
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

「2大政党制」と「保守2大政党制」は全くの別物だ。 日本では、労働組合は保守勢力としては考えてもらえない。労働者が労働組合を作ったり組合に加入したりすることを妨害することは法律で禁止されているのに、日本では組合の組織活動や勧誘行動を妨害するのは、当然の行動として放置されている。

2014-12-14 22:07:09
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

「保守2大政党制」と日本で表現した場合の保守勢力には、労使協調路線・原発推進・正規公務員優遇の連合であっても、労働組合が後押しする民主党は、該当しないことになるのだ。 では民主党さえも外して「保守2大政党制」ができるかと言ったら、それは無理だ。政治家以外は、誰も負けを許容しない。

2014-12-14 22:12:31
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

政権交代がおきれば、政治家や官僚や、それと癒着する財界による不正行為をチェックすることが可能になる。それを目指しての小選挙区制導入だったのだろう。小選挙区になったのだから、中選挙区制よりは政権交代が容易になった。比較的少数の批判票が特定の野党に集まるだけで、政権交代が起きる。

2014-12-14 22:17:14
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

「政権交代が起きれば、日本の政治の質が上がる」などという事を考えた人は、一定程度いたのだろうと、私は考える。 特に、小沢一郎氏は、そう考えたのだろうと思う。 しかし、国民の多数は別に「政治の質の向上」を願っているのではない。 「生活の向上」が国民多数の欲するものだ。

2014-12-14 22:22:55
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

自由民主党は、高度経済成長時代やバブル経済時代に政権を担当してきて、「生活の向上」が起きた時の政権担当者というイメージが国民にはある。 他の党には、そういうイメージが無い。特に、政権交代した後の民主党は、実はそれなりに国民の「生活の向上」があったのに、イメージを残せなかった。

2014-12-14 22:26:44
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

国民は今回の小選挙区の総選挙で、自民党を積極的に支持したわけではない。 しかしわずかな差の「比較多数」を得た政党が大勝するような仕組みが小選挙区制なのだ。 戦後、全国で、「生活の向上」のイメージを残すことができたのは、自民党だったのだ。誰に投票すれば良いかわからない人は棄権した。

2014-12-14 22:35:41
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

国民が政治に望むものと、 政治家以外の勢力が政治家に望む与党体制と、 今後の国家財政の長期維持とを、真面目に考えるならば。 小選挙区は日本には向かない。少なくとも、現在は。 誰にとっても、不満な制度になるのではないだろうか?

2014-12-14 22:38:20
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

いかにウソっぽくても、 前回の総選挙で出した公約を裏切っても、 財政を握って、官僚の協力も得られて、 大企業の後押しも受けることができて、 有権者誰もが知っている自民党が、 「未来は明るい」と主張したら。 一定程度の人は希望を託したくなる。 今回の選挙は、そういうことだと思う。

2014-12-14 23:04:32