ZIPで圧縮解凍すると音が変わるか?という話から…

宇都宮先生(僕はDrと呼んでいます)に、この話題について聞いてみました。 録音技術系の方は必見かもしれませんよ。 「さらにテーマがファイルの断片化からジッタと、OSが抱える本質的な問題に突入、さらにOS管理から逃れる方法の提示へと…」Dr.宇都宮 談 続きを読む
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宇都宮泰 @utsunomiaa_com

2C58h 原理2: アナログの時代のそれと、デジタル世代の違いは、そのゆらぎのスペクトルで、アナログ時代の時間軸ゆらぎは数値は大きいもののスペクトルは低周波(だけではないが)に片寄った分布(数十Hz以下)。 原因は回転系の不安定さだが、回転系は慣性質量を持つため⇒

2014-12-21 03:43:39
宇都宮泰 @utsunomiaa_com

2C59h その慣性質量が機械的なローパスフィルターとなり、高い周波数ゆらぎ成分は抑制される。 一方デジタルの時間軸ゆらぎはクロックそのものが正確であっても、メモリーからの応答のゆらぎやPLLの追随性など、機械的な慣性は無関係であるため、原理的にスペクトル帯域制限を行う要素はない

2014-12-21 03:51:19
宇都宮泰 @utsunomiaa_com

2C5Ah 原理3: ワードクロックが取り出せなくとも、安定した周期信号が出力されていればそのゆらぎを観察することで、実質的にはジッタを計測したことと同義。

2014-12-21 03:53:45
宇都宮泰 @utsunomiaa_com

2C5Bh 原理4: 安定した正弦波信号をジェネで作成し、その周波数成分ゆらぎを観察するのだが・・ FFTでの観察はこの画像のようになる。 pic.twitter.com/Q5NbpNjcH8

2014-12-21 04:20:38
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宇都宮泰 @utsunomiaa_com

2C5Ch 原理5: 当たり前なFFTでのスペクトル表示だが、、、、 もし周波数ゆらぎがあれば、元の信号は周波数変調(FM変調)を受けるので、このスペクトル分布幅が広がる・・ ってこの表示ではもともと広がっているので使い物にはなりません。

2014-12-21 04:23:46
宇都宮泰 @utsunomiaa_com

2C5Dh 原理6: FFTの周波数軸分解能は一定ではなく、サンプリング周波数/FFTサイズで求められる周波数毎に、周波数軸上に等差数列的に高分解能のポイントがあります。 WaveGeneにはその周波数を自動的に計算し出力する機能があるのですが、それを実施すると次のようなグラフ

2014-12-21 04:29:08
宇都宮泰 @utsunomiaa_com

2C5Eh Geneで発生する周波数をこの等差数列に(1KHzに最寄の)合わせると、999.0234375Hzになるのですが、そのときのスペクトルは以下のように。 pic.twitter.com/Rd9QEFNi9Z

2014-12-21 04:34:20
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2C5Fh 見事な輝線スペクトルになります。 ジッタが多いとそれは単一の周波数スペクトルではなく分布を持ったバンドとなるため、FFTは定積分なので輝線の足元から広がっていきます。 しかし、対象は100PPMオーダーなのでこのままではうまく表示できません。

2014-12-21 04:37:56
宇都宮泰 @utsunomiaa_com

2C60h 周波数のFFTへの最適化は、WaveGeneの周波数設定窓を右クリックで開き、FFTサイズを選択し、「最適化を実施」します。その前にWaveSpectraとWaveGeneのサンプリング周波数を一致させておいてください。

2014-12-21 04:40:20
宇都宮泰 @utsunomiaa_com

2C61h 前後しましたが、この輝線を拡大表示します。 WaveSpectraの画面の右上のスパナマークをクリックし、スペクトラムタブを開き、「横軸」をリニアに設定、設定窓に900Hz~1100Hzのように適当に入力し「適用」をクリッ pic.twitter.com/7xL83bxO21

2014-12-21 04:46:32
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宇都宮泰 @utsunomiaa_com

2C62h 足元の広がりを見れるようになりました。 ジッタの多い系では、この画面をはみ出すほどの広がりが、正常なら先の画像のようになります。赤線:ジッタあり、青線:ジッタ少ない pic.twitter.com/yZ09BBuIzj

2014-12-21 05:01:12
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宇都宮泰 @utsunomiaa_com

2C63h FFTサイズをより大きくするとさらに先鋭になります。PCの内部バスを経由するだけで(青)ジッタが生じていることがわかる。明らかなジッタのあるDAW(赤)。 測定系の限界(黒) pic.twitter.com/SL2YFU26Z1

2014-12-21 05:14:54
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宇都宮泰 @utsunomiaa_com

2C64h 黒はWaveGeneでファイル出力し、そのファイルをWaveSpectraで再生した場合。 ジッタは時間軸ゆらぎだが、このFile to File伝送では「論理時間」のみになり、実時間は無いため、ジッタは0(それぞれのソフトの計算が正しければ)の測定限界。

2014-12-21 05:19:01
宇都宮泰 @utsunomiaa_com

2C65h この方法はあくまで定性的なもので、定量は難しい。様々なものを計測してみればわかるが、ジッタはここに例出したようなきれいな分布のものばかりではなく、様々なものがあるが、それはまた後日。

2014-12-21 05:22:32

★DAWについて

宇都宮泰 @utsunomiaa_com

2C66h DAWの中には常時リサンプルしているものがあり、WordClockは安定高精度なのに、信号はジッタや偏移だらけでヘロヘロなものもある(実質的には音品位が低い)が、これはWCLKによるジッタメータでは見破れず、先のようなスペクトラム幅で見る必要があります。

2014-12-21 13:40:11
宇都宮泰 @utsunomiaa_com

もちろん体調が及ぼす影響はそれなりにありますが、耳の能力侮れない。CD黎明期においてジッタが音品位に影響することを発見したのも耳。数値や解析は裏づけに過ぎない。簡単なのでぜひ非断片化をお試しあれ。 togetter.com/li/759542#c171…

2014-12-21 13:59:04

あとがき的に……でもまだ続くよ!

宇都宮泰 @utsunomiaa_com

2C76h 例のZIP件、「デジタル化したデータ自体はいくらコピーをしようが劣化のしようがない」と信じている御仁が多いが、DAWによってはDAW内部でコピー(バウンス)するだけで差分でまくりの劣化が起こる。なにせリサンプル入ってるからね。 おかしいと思ったら即座に検証、しかない。

2014-12-24 02:53:00
宇都宮泰 @utsunomiaa_com

2C77h それに比べるとZIPなどの可逆圧縮は、バイナリーにおいては律儀に動作してくれるし、万一の劣化(バイナリーの)には警告がいただける。 私の意見としては、先ずDAWを検証してみることを強く推奨。代表的なものはほとんど検証しているのであれこれ言うのは簡単だが、それでは・・・

2014-12-24 02:57:08
宇都宮泰 @utsunomiaa_com

2C78h ジッタがどう、、とかのレベルではなく、でるはずのない単純処理で差分(明確に劣化)が生じている。 つまり、そのようなソフトでは明示的にそのような処理を回避すべき。 そのソフトがそのような処理になっているには相応の理由があるのだが、使用者はそれを理解する必要がある。

2014-12-24 03:05:03
宇都宮泰 @utsunomiaa_com

2C79h 私個人は使用者として「劣化は絶対に許さない」なんてこれっぽっちも思ってはいないし、如何にうまく劣化させるかが腕の見せ所とも。だから、漫然と起こる、自分の意図しない劣化は許せない。また、それが生じる理由が自分の仕事と関係の無いことなら余計に。

2014-12-24 03:08:51
宇都宮泰 @utsunomiaa_com

2C7Ah DAW、起動の度、あるいは再生する度にミックスが変化して聴こえることはしばしばあります。どの機種とは言いませんが、PCばかりか専用機であるミキサーHDR一体型の有名あれやこれでも激しく起こります。これは各トラックが同時にスタートせず、勝手にトラックオフセットが生じる為

2014-12-24 03:13:53
宇都宮泰 @utsunomiaa_com

2C7Bh これが生じない機種の方が少ないという困った現状。検証すればすぐにわかること。 これらの機種でもこの問題が常に生じているわけではなく一定の条件化で生じることも。漫然と常時のものも。  カタログ雑誌のレビューを信じてはいけません!

2014-12-24 03:17:29
宇都宮泰 @utsunomiaa_com

2C7Ch この各トラックに入るオフセットの件、一定なら対応もしやすいが、困ったことに再生の度に異なった遅延時間になる。あるいは昨日までうまく動作していたのに、今日再起動したとたんに生じることも。 再生の度にミックスバランスが変化して聴こえるとはそういうこと。

2014-12-24 03:21:10
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