ニンジャスレイヤー二次創作「ザ・ムーン・イズ・オン・ジ・ウェイン」#6 (完結セクション)
「どういうことだアニキ!」第一工場の重役室でウンギョウが憤る。振り落とした拳が豪奢な机を破壊する。アギョウは監視モニタを眺め、微動だにしない。「アニキ!」「……黙れ」アギョウはゆっくりと、静かに言った。しかし己の誤算に対する焦りと怒りを隠すまでにはいかなかった。37
2014-12-23 19:33:28まったくの誤算だった。この施設の稼働はザイバツ、いやネオサイタマの経済活動に影響を及ぼす程重要な施設だ。仮にザイバツが奪還に動いたとて、施設の破壊活動を行う事など考えられなかった。しかし現実はどうだ。見よ、至る所で上がる炎を。38
2014-12-23 19:36:53確認できたザイバツニンジャは三。こちらの数は四、だがエアカッターは死んだのだろう。彼の位置情報が動きを止め、サンダークラウドが単独で動きだした。これでこちらも、三。サンダークラウドを支援しこのまま戦うか、それとも引くか。早急な状況判断が必要だった。39
2014-12-23 19:40:55ペポプー。UNIXがテキスト受信音を鳴らす。『支援ニンジャを送る、しばし待て』アマクダリからだ。緊急の支援要請を送った所、早々に回答が来た。アギョウはほくそ笑む。アマクダリとの関係は良好だ。心配せずに戦えば良い。「行くぞ。サンダークラウド=サンを支援する」40
2014-12-23 19:44:36「オウ!」ウンギョウが両頭槌を握る。ふたつの異常巨体が重役室を駆け、開放感溢れる吹き抜けに飛びこんだ。時折柱を蹴り、異常巨体を加速させる。そして瞬く間に十三階の重役専用階から、一階のエントランスホールに辿りついた。だが、そこには二人を待ち構える者がいた。41
2014-12-23 19:48:42そこに立っていたのは、一人のニンジャであった。巨躯を汚れたスプリントアーマーで纏い、長大なリーチを誇る長いカタナを構える。その顔は錆びたフルメンポに覆われ、表情を伺う事はできない。しかしその全身からは闘志が溢れ出ていた。「フーンク」巨躯のニンジャはオジギした。42
2014-12-23 19:52:21異常巨体の兄弟ニンジャがオジギした。「ドーモ。アギョウです」「ドーモ。ウンギョウです」ウンギョウが突進!分厚い腕が両頭槌を叩きつける!「ウンーッ!」「フーンク!」インペイルメントはザオ・ケンを構え応戦。二つの大業物がぶつかり合う!43
2014-12-23 19:56:58「フーンク!」稲妻めいた突きがウンギョウを狙う!しかしアギョウがウンギョウの周囲をくるりと回り、インペイルメントの前に立つ!「アーッ!」アギョウがジュー・ジツを構え叫ぶ!ムテキ・アティチュード!異常巨体が鋼鉄めいて輝く!硬化した身体がザオ・ケンを弾く!44
2014-12-23 20:00:19「ウンーッ!」ウンギョウがアギョウの周囲を流れる様にくるりと回り、インペイルメントの前に立つ!回転を生かして両頭槌を横に薙ぐ!「フーンク!」インペイルメントはザオ・ケンを振り上げ両頭槌を打ち払う!「フーンク!」返す刀で振り下ろす!45
2014-12-23 20:04:08アギョウがウンギョウの周囲をくるりと回りジュー・ジツを構える!ムテキ・アティチュード!ザオ・ケンを弾く!「ウンーッ!」ウンギョウがくるりと回り両頭槌!「フーンク!」インペイルメントは体制を崩しながらもザオ・ケンで受け止める!46
2014-12-23 20:09:00CRAAAASH!CRAAAASH!打ち合う度に壮絶な音が鳴り響く!アギョウのムテキ・アティチュードが!ウンギョウのビッグカラテが!そしてインペイルメントのザオ・ケンが!強力なニンジャ膂力が真正面からぶつかり合う!その勢いはバッファロー殺戮武装鉄道の正面衝突の如し!47
2014-12-23 20:13:01しかしインペイルメント不利!「フーンク!」「アーッ!」ザオ・ケンを振るえどアギョウに阻まれ、「ウンーッ!」すぐさまウンギョウの両頭槌が襲いかかる!アギョウとウンギョウのコンビネーション攻撃に隙はなし!どうする、インペイルメント!48
2014-12-23 20:16:24「ウンーッ!」ついに両頭槌がインペイルメントを捉える!「フーンク!?」スプリントアーマーの小片を弾き飛ばし、分厚い脇腹を打ち据える!「ウンーッ!」更に一撃!分厚い胸を打ち据える!「フ……フーンク!」痛みを堪えザオ・ケンを振る!49
2014-12-23 20:20:37しかしウンギョウはくるりと回りザオ・ケンを回避!「カハハッ、アイサツもできないサンシタが!」そのまま回転を利用して両頭槌を振る!狙うは後頭部!如何にインペイルメントが太い首とフルメンポを備えようとも、このビッグカラテの一撃を受ければひとたまりもない!アブナイ!50
2014-12-23 20:24:11BOM!BOM!その時、ウンギョウの背後で何かが爆発する!「グワーッ!」BOM!BOM!更に爆発!「アーッ!」アギョウがウンギョウに張り付きムテキ・アティチュード!爆発を一身に受け止める。この隙にインペイルメントが下がり、ザオ・ケンを構えなおす。51
2014-12-23 20:28:36「サンシタは貴様らの方だ」その声は頭上から聴こえてきた。三人が見上げると、それは吹き抜けから高速回転しながら落下した。そう、高速回転だ。そのニンジャは巨大な鋼鉄コマに乗って現れた。「ドーモ。ワイルドハントです。そして此奴は、インペイルメント」52
2014-12-23 20:32:38「フーンク!」インペイルメントがアイサツする。「四人目がいただと……?」アギョウがぼそりと呟く。三対四、これで数で不利。しかししばらく堪えれば、アマクダリの支援ニンジャが来る。如何にして時間を稼ぐか、アギョウは思案を巡らす。53
2014-12-23 20:36:19だがその呟きをワイルドハントは聞き逃さなかった。「アマクダリからの支援は来ぬぞ」「なッ……なんだと!?」「ラオモト・チバ直々の決定だ。貴様らの契約は締結前に破棄された。アマクダリは今回の件に関して一切関与しない」アギョウの表情がみるみると変わる。「……嘘だ!」54
2014-12-23 20:40:50「ならば来るはずのない増援を何時までも待っているがいい!」ワイルドハントは鞭状武器を振る!鋼鉄コマ高速回転!アギョウに体当たりを仕掛ける!「アニキ!」ウンギョウがくるりと回り前へ。両頭槌を鋼鉄コマに叩きつける!「イヤーッ!」「ウンーッ!!」二つの鋼鉄塊がぶつかり合う!55
2014-12-23 20:45:13「ウンーッ!」ワイルドハントを狙う両頭槌!「イヤーッ!」小型コマ爆弾展開!「ウンーッ!」くるりと回り両頭槌でコマ爆弾を薙ぎ払う!POM!POM!POM!爆炎がウンギョウの周囲を包む!だがウンギョウの異常巨体は傷一つなし!なんたる強靭な身体か!56
2014-12-23 20:49:20「フーンク!」インペイルメントがワイルドハントを支援すべくウンギョウに迫る!「ウンギョウ!」アギョウがくるりと回り前へ!異常なまでに太い腕で右ストレート!インペイルメントも右エルボーで応戦!「アーッ!」「フーンク!」二つの巨躯がぶつかり合う!57
2014-12-23 20:52:54「フーンク!」ザオ・ケンを上段から振り下ろす!「アーッ!」アギョウがジュー・ジツを構える!ムテキ・アティチュード!ザオ・ケンが弾かれる!強烈なザオ・ケンの一撃を持ってしてもアギョウのムテキを打ち破れない!アギョウがムテキを解き左ストレート!右肘で払いのける!58
2014-12-23 20:55:41再びアギョウとウンギョウがくるりと回る。二人の異常巨体がお互いを背にしてカラテを構え、ブッダウォーリアめいて睨みを利かす。この二人のニンジャの、どこに付け入る隙があるというのか。インペイルメントはザオ・ケンを構えたまま、動く事ができない。59
2014-12-23 21:01:58