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ニンジャスレイヤー二次創作「ザ・ムーン・イズ・オン・ジ・ウェイン」#6 (完結セクション)
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「叩き潰せ、いつも通りに!」ワイルドハントが指令を下す!同時にコマ爆弾を展開!「ウンーッ!」POM!POM!POM!ウンギョウが両頭槌で薙ぎ払う!「アーッ!」爆炎の中からアギョウが飛び出す!ワイルドハントに右ストレート!「フーンク!」インペイルメントが割って入る!60
2014-12-23 21:04:24![](https://s.togetter.com/static/web/img/placeholder.gif)
インペイルメントのザオ・ケン!「アーッ!」アギョウのムテキ・アティチュード!ムテキを解きローキック!「イヤーッ!」ワイルドハントはスリケン射出コマ展開!アギョウの背後を狙う!「ウンーッ!」ウンギョウがアギョウの背後をカバー、両頭槌でスリケンを叩き落とす!61
2014-12-23 21:08:25![](https://s.togetter.com/static/web/img/placeholder.gif)
「イヤーッ!」鋼鉄コマ!「アーッ!」ムテキ!「ウンーッ!」両頭槌!「フーンク!」ザオ・ケン!四人のニンジャのイクサはエントランスホールに殺意の嵐を巻き起こす!カラテがぶつかる音が吹き抜けに響く!このイクサの行く末を見守る者はない!雌雄を決する無観客のイクサが続く!62
2014-12-23 21:12:31![](https://s.togetter.com/static/web/img/placeholder.gif)
「イヤーッ!」ワイルドハントは兄弟ニンジャの間に割り込む!鋼鉄コマのモーメントが異常巨体の二人を分断させる!しかしそこはアギョウとウンギョウのカラテ距離!「アーッ!」「ウンーッ!」アギョウのカラテラッシュ!ウンギョウの両頭槌!「グワーッ!」ワイルドハント悶絶!63
2014-12-23 21:16:43![](https://s.togetter.com/static/web/img/placeholder.gif)
だがこのまま黙って見過ごすワイルドハントではない!「イヤーッ!」ゼロ距離コマ爆弾展開!BOOM!BOOM!BOOM!「「グワーッ!」」極至近距離から襲い掛かる爆炎!衝撃!たまらずアギョウとウンギョウが体制を崩す!「いまだ、やれ!」ワイルドハントが叫ぶ!64
2014-12-23 21:20:09![](https://s.togetter.com/static/web/img/placeholder.gif)
インペイルメントがザオ・ケンを振り上げる!狙うはウンギョウ。渾身の一振りが異常巨体を狙う!両頭槌を掲げるも時すでに遅し!「フーンク!!」一刀両断!インペイルメントのザオ・ケンがウンギョウを分断!「サヨナラ!」ウンギョウは爆発四散!65
2014-12-23 21:24:27![](https://s.togetter.com/static/web/img/placeholder.gif)
「ウンギョウ!?何故だ……何故こうなった!」アギョウが悲痛な叫びを上げる!しかし後悔を噛みしめる時間はない!「イヤーッ!」ワイルドハントの鋼鉄コマ体当たり!「アーッ!」ムテキでこれを凌ぐ!そしてすぐさまムテキを解き右フック!ワイルドハントが鋼鉄コマでこれを受け止める!66
2014-12-23 21:28:42![](https://s.togetter.com/static/web/img/placeholder.gif)
「貴様らは我々を愚弄した。それはザイバツを、偉大なるロードの格差社会を愚弄することだ。許される事ではない!」ワイルドハントはアギョウとぶつかり合いながらスリケン射出コマを展開!背後からスリケンの雨が注ぐ!「アーッ!」ムテキ・アティチュード!しかしスリケンの雨は続く!67
2014-12-23 21:32:23![](https://s.togetter.com/static/web/img/placeholder.gif)
ムテキ・アティチュードとビッグニンジャの異常巨体、この組み合わせが尋常ならざるニンジャ耐久力を生み出す。如何な攻撃とて通すことなどあり得ない。しかし正面に立つインペイルメントを見て、アギョウは恐怖した。大男が握るザオ・ケンを。長大なリーチを誇る、無骨なカタナを。68
2014-12-23 21:35:38![](https://s.togetter.com/static/web/img/placeholder.gif)
インペイルメントはザオ・ケンを深く握り、構えた。低く構えた姿勢で力を蓄える。狙うはアギョウ。ワイルドハントの支援により、アギョウが動く事は決してない。己の全てをザオ・ケンに託す。低く、低く。そして、全てのカラテを溜め込んでいく。69
2014-12-23 21:40:35![](https://s.togetter.com/static/web/img/placeholder.gif)
飛んだ。インペイルメントの常識外のニンジャ膂力が爆発する。ザオ・ケンの切っ先が真っ直ぐにアギョウを狙う。その切っ先がアギョウに触れる。「アーッ!」ムテキ・アティチュード!ビッグニンジャ・クランの異常巨体!その二つを持ってしても、切っ先を逸らす事など出来はしない!70
2014-12-23 21:45:34![](https://s.togetter.com/static/web/img/placeholder.gif)
「フーーーーンク!!」ザオ・ケンがアギョウの鋼鉄の身体を貫く!インペイルメントは尚も疾走!ニンジャ腕力で異常巨体を持ち上げ壁に打ち付ける!「グワーッ!」アギョウの口から大量の血が吐き出る。「バカな……バカな!サ、サヨナラ!!」怨嗟の声を上げながらアギョウは爆発四散した。71
2014-12-23 21:48:15![](https://s.togetter.com/static/web/img/placeholder.gif)
戦いは決した。インペイルメントはザオ・ケンを打ち振る。久々に触る慣れた感触。イクサの感触を改めて実感する。「カラテは衰えておらぬようだな、インペイルメント=サン」ワイルドハントが鋼鉄コマの回転を緩める。「フーンク」インペイルメントは頷く。72
2014-12-23 21:52:24![](https://s.togetter.com/static/web/img/placeholder.gif)
ワイルドハントの携帯UNIXが点滅する。敵ニンジャ掃討の報と、残存勢力の状況。ワイルドハントはそれを確認すると、インペイルメントに指示を下す。「まだ抵抗を続ける武装警備隊がいる。制圧するぞ、ついてこい」「フーンク」二人のザイバツニンジャは連れ立ってエントランスホールを出る。73
2014-12-23 21:56:38![](https://s.togetter.com/static/web/img/placeholder.gif)
しかしインペイルメントは足を止めた。その足を引き止める、声が聴こえた。声?いや、それは。そしてインペイルメントは踵を返し、階段へと走りだした。「待て、どこに行く!?」ワイルドハントも追うが、インペイルメントは構わず階段を駆ける。丸太めいた脚が瞬く間に階段を駆け上がる。74
2014-12-23 22:00:30![](https://s.togetter.com/static/web/img/placeholder.gif)
インペイルメントは十三階まで一息で駆け上がった。電子錠を難なく破壊し、中へ。そこは重役専用階だ。しかし豪奢に誂えた調度類も、柔らかく光るLED照明も、彼は見向きもしない。彼は迷うことなく走った。そして、インペイルメントはとある一室の前で立ち止まった。75
2014-12-23 22:07:41![](https://s.togetter.com/static/web/img/placeholder.gif)
「フーンク!」インペイルメントはドアノブをねじ切り、部屋に入った。そこは小さな部屋であった。照明も灯いていない、真っ暗な部屋。その中で赤い光が明滅し、簡素な部屋で時折瞬いた。部屋は元々使われていなかったのか、調度も窓もない。その中で、女が一人座っていた。76
2014-12-23 22:12:40![](https://s.togetter.com/static/web/img/placeholder.gif)
女は部屋の隅に潜んでいた。突然の破壊音に怯え、ガタガタと肩を震わせていた。女の目元が赤く点滅すると、小さな部屋が赤と黒で瞬いた。サイバーサングラスに、細い唇。シキヨだ。『ダレ?』の鏡文字が小さな部屋を埋め尽くす。「フーンク」インペイルメントはぺこりとオジギした。77
2014-12-23 22:16:23![](https://s.togetter.com/static/web/img/placeholder.gif)
『フーンク=サン?』サイバーサングラスのメッセージが変化する。「フーンク」インペイルメントは頷き、シキヨに近づいた。しかしシキヨは拒否した。『ダメ』の鏡文字がインペイルメントを染めた。だがインペイルメントは構わず、シキヨに触れた。78
2014-12-23 22:20:45![](https://s.togetter.com/static/web/img/placeholder.gif)
ごつごつした太い指に、どろりとした液体が纏わりつく。周囲に漂う男女の匂いと血の匂いが鼻腔に絡む。しかしインペイルメントは構うことなく、シキヨの頭を抱えた。指が触れると、シキヨはびくりと固まった。だが彼からすれば、それは抵抗と呼べぬほどに弱々しいものだった。79
2014-12-23 22:25:18![](https://s.togetter.com/static/web/img/placeholder.gif)
「フーンク」インペイルメントはフルメンポを外し、シキヨに顔を近づけた。『ダメ』メッセージが瞬いた。だがこの大男は構うことなく、お互いの額と額をくっつけた。不意に、メッセージが止まった。熱が伝わる。ふたつの永遠の夜がせつな、ひとつになった。80
2014-12-23 22:29:17![](https://s.togetter.com/static/web/img/placeholder.gif)
再びメッセージが瞬いた。『行ってしまうの?』その赤い点滅が終わると、大男は首を縦に振った。『イヤ』大男の顔に逆文字が投影する。『イヤ』のメッセージが繰り返しまたたく。しかしインペイルメントは首を横に振ると、シキヨの頭から手を離した。81
2014-12-23 22:32:16![](https://s.togetter.com/static/web/img/placeholder.gif)
インペイルメントは立ち上がり、踵を返した。『行かないで』シキヨが手を伸ばす。しかしその手がインペイルメントを掴むことはなかった。インペイルメントは赤と黒がまたたく部屋を出る。その足が止まることも、振り返る事もなかった。82
2014-12-23 22:37:08![](https://s.togetter.com/static/web/img/placeholder.gif)
扉を閉めると、ワイルドハントが待っていた。「いいのか?」「フーンク」「そうか」それだけ言葉を交わすと、二人は歩き出した。早々にこの施設を制圧しなければならない。任務はまだ残っている。二人のニンジャは、手近な窓を壊し、飛んだ。ネオサイタマの夜が、二人のニンジャを包んだ。83
2014-12-23 22:40:23![](https://s.togetter.com/static/web/img/placeholder.gif)
照明も灯いていない真っ暗な部屋。調度も何もない簡素な部屋。それは明けることのない永遠の夜。夜に赤い点滅がまたたく。逆文字の『行かないで』が小さな部屋を明滅する。シキヨはひとり、床に座る。シキヨのサイバーサングラスの赤い電子ドットが、延々と同じメッセージを繰り返す。84
2014-12-23 22:44:55