#twnovel 暖炉の掃除をしていたら、黒焦げになった箱を見つけた。赤と緑のラッピングのような気がする。ほとんど燃えて、中に何が入っていたのかはまったくわからない。とてもとても残念だが、生き物が燃えた気配はないので、本当によかったと思う。
2014-12-26 23:10:48暖炉の掃除をしていたら、黒焦げになった何かを見つけた。ほとんど燃えていてなにがなんなのか分からないが、よく見たらオオカミのようだ。そういえばさっきまで家が突風で揺れてた気がする。そこでようやく、自分が三匹の子ブタの末っ子だと理解した。@23novel #twremix
2014-12-26 23:14:18暖炉の掃除をしていたら、黒焦げになった赤い布を見つけた。赤い布にすすけた白い飾りがついている。どこかで見かけたような…?その後もところどころに赤い布切れが落ちていたが、生き物が燃えた気配はないので、本当によかったと思う。 @23novel #twremix
2014-12-26 23:15:46@23novel #twremix 暖炉の掃除をしていたら、こんがりきつね色に焼けた北京ダックが出てきた。ちゃんとさばいてある。とても美味しそうな匂いがするが、誰が作ったかわからないし、毒とか入っていたら怖いし、とりあえずお隣さんにおすそ分けですと持っていくことにした。
2014-12-26 23:33:22もう使わなくなった暖炉を見ていた。そしてあの日を思い出していた。喧嘩をしたクリスマスイブ。あなたからのプレゼントを暖炉の日の中に放り込んだあの日。あなたが家を出て行ってから後悔をして、慌てて火かき棒で暖炉の中を探した。燃え残りさえ出てこなかった。@23novel #twremix
2014-12-26 23:50:43そう、多分あの頃からだと思う。暖炉に火を入れなくなったのは。暖炉の火を見ていると、あの日の出来事を思い出したからかもしれない。また何度目かのクリスマスがきて、そしてただ過ぎていった。私は一人暖炉を見ている。その時、暖炉の中の灰が小さな音を立てた。@23novel #twremix
2014-12-26 23:51:23灰がわずかに舞い上がった。近づくと灰の中に小さなラッピングされた箱があった。心臓がドクンと大きく打つ。震える手で包みを広げる。それは指輪だった。そして「結婚してください」と書いたカード。時を超えて届いたもういないあなたのあの日のプレゼントだった。@23novel #twremix
2014-12-26 23:52:08#twnovel スーパーマーケットにサンタさんがいた。姿は見えなかったけど、あれは絶対そうにちがいない。憧れのエシレバターが80%割引だった。900円が180円。5度見くらいした。5つ全部を買い占めた。サンタさん、ありがとう。これくらいの魔法が最高です。
2014-12-26 23:15:59スーパーマーケットにサンタさんが現れた。思ってたより大きい。帽子を被り顔は白い髭とまつ毛で覆われている。でも間違いなくサンタさんだ。きっと割引の魔法を掛けてくれるのだろう。でもその前に警備員に捕まり警察に引き渡された。待って、せめて魔法だけでも。@23novel #twremix
2014-12-26 23:19:56#twremix @23novel スーパーマーケットにサンタさんがいた。姿は見えなかったけど、あれは絶対そうにちがいない。憧れのからあげ弁当が50%割引だった。398円が196円。家族三人分で二つ買った。サンタさん、ありがとう。数ヶ月ぶりに子どもに肉を食べさせられます。
2014-12-26 23:20:12@23novel #twremix スーパーマーケットにサンタさんがいた。赤い服を着ていなかったけれど、あれは絶対にそうに違いない。熱心に人参の詰め放題に挑んでいるのだけれど、多分あれは頑張ったルドルフへのプレゼントだ。でも、なんでわざわざ日本まで来て激安スーパーで買うの?
2014-12-26 23:43:09近所をサンタさんがそりに乗って駆け抜けていった。姿は見えなかったけど、あれは絶対層にちがいない。赤と茶色の風が吹き抜けていって、あとには鈴の音と、ぼくの欲しかったスーパーカブが残されていたんだから。今からちょうど買いに行こうと思ってたんだ。 @23novel #twremix
2014-12-26 23:18:55近所をサンタさんがそりに乗って駆け抜けていった。姿は見えなかったけど、あれは絶対そうにちがいない。赤と茶色の風が吹き抜けていって、あとには僕の欲しかったスーパーカブが残されていた。今ちょうど買ってきたところなのに……。@nappa_fake @23novel #twremix
2014-12-26 23:28:19
#twnovel ふるさとの森にようやく帰ってきた。もうそれだけでほっとする。最後の力を振り絞り、サンタさんと荷物を降ろし、道具を片付ける。やれやれと寝床につき、目を閉じる。そういえばと、まどろみながら考える。自分はトナカイだと思っていたけれど、あれ、人間だったような気が…。
2014-12-26 23:20:11サンタの森にようやく帰ってきた。もうそれだけでほっとする。最後の力を振り絞り荷物と捕まえた人を入れた白い袋を降ろした。来年からはこいつがサンタ。これでもう自分はサンタの役目からは開放され自由の身だ。中でまだ暴れてるので蹴飛ばして長老の元に届けた。@23novel #twremix
2014-12-26 23:23:32サンタさんたちが帰ってきたので片付けのお手伝いをする。トナカイの餌やり、わたせなかったプレゼントの返品処理、疲れ切ったサンタさんへのマッサージ…。やることは無限にある。@23novel #twremix「今年もお疲れ様でした」「いやいや、好きでやってることだからね」
2014-12-26 23:23:55やっと袋から出されたらそこには赤い服の大男がいた。優しい口調、優しい笑顔だが、言ってることはとんでもない。一年間ここでサンタの修行を積むようにだって。その笑顔には有無を言わさぬ圧力があった。赤い色が絶望を彩っていた。@suzuko_sosaku @23novel #twremix
2014-12-26 23:34:00