【ニンジャの二次創作】メランコリック・ウォーター・イズ・フローイング　＃３

篠@やさすい愛好家マグロ @simanezumi88_n

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秩序と沈黙の中、黒と白の巨体が火の手の上がるストリートの混乱を無感動に眺めている。忙しなげに指を組み直し、時おり蒸気のような荒い息が吐かれる。背後には逆さまに吊られたリュキ住職とジバナ、そしてスガキ。巨体ニンジャ、アヴィディヤとディシーバーはその時を待ち詫びる。 20

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…リュキ住職の様子がおかしくなった。しきりにタダオ様とのパイプを深くするためにと言い訳しながら二人のニンジャへの協力をだらだらと拒む。ディシーバーのセンノウ・ジツの掛かりも悪く、錆び付いたゼンマイジョルリのような不自然さが目立つようになった。 21

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…二人の巨体ニンジャはリュキ住職を問い質した。「何故これまでのように我々の間だけで功徳を積めないのですか？よりによってソウカイヤなどという余りにも胡散臭い組織を…」「これはタダオ様の依頼でもあってな、儂はどうしたら良いのか分からんのじゃ…」「ソウカイヤ…古物商…おのれ…」 22

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…ストリートへ入る物資の量も少しずつ減りつつあった。"ソウカイヤ"を経由した物資で無くば食料も燃料も流れこまない。真綿で首を絞められる様にじわりじわりと周りから攻められつつある事を二人の巨体は感じていた。遅かれ早かれ、このストリートの覇権を賭けたイクサが起こるであろう事も。 23

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…ダイモジ寺の二人のニンジャは覚悟した。ストリート全てを巻き込み、如何に我等が生き残るべきイクサを行うかを。願わくば御仏のご加護があらん事を。 24

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【YASASUIHEADZ】

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【メランコリック・ウォーター・イズ・フローイング】＃３ 続き

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ストリートにばら撒かれた混沌と叫びの渦を意に介さず、重苦しく黒く巨大な山門がストリートを疾走する二人のニンジャの前に立ちはだかる。ダイモジ寺だ。不気味な程の沈黙がレイザーエッジとウォーターボードへ目に見えぬプレッシャーとなって降りかかる。 26

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「「イヤーッ！」」ウォーターボードとレイザーエッジは、ストリートを疾走してきた勢いそのままに同時にジャンプ一番、弾丸のようなドロップキックを放つ！KRAAAAASH！二つの弾丸は山門を破壊！境内へエントリー！ 27

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二つの弾丸の行く手を阻むように、白と黒の二つの巨体が周囲のブッダ・ウォーリア像を圧する厳しいアトモスフィアで立ちはだかる！「来たか…」白い巨体がしみじみと呟く。「「いらっしゃい」」白と黒の巨体が山門へと歩み寄る。 28

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黒と白の巨体が挨拶する。「ドーモ、アヴィディヤです」「ドーモ、ディシーバーです」山門からエントリーした二人も挨拶する。「ドーモ、ウォーターボードです」「ドーモ、レイザーエッジです」幾許かの緊張を伴う僅かな静寂の後に、暴徒の群れが境内へ到達した！ 29

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「仏敵は…アイエッ？！」「ニンジャ…ニンジャ…」「アイエエエエエエ！」「ニンジャナンデ…！？」だが暴徒の群れは四人から放たれるカラテ気配にたじろぎ近寄る事が出来ない！緊張状態からNRSを発症するもの多数！嘔吐！痙攣！異様な緊迫に包まれながら、四人のニンジャがカラテを構える。 30

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「貴様等仏敵はここで滅ぼし、御仏の御導きを実現する」偶然雲の切れ間から差し込んだ夕陽を背にし、ディシーバーが厳かに宣言する。「何が仏だか。お前達自身の欲を満たすためだろう。聞いて呆れる」暴徒と火災と排煙の混沌を背後に従え、ウォーターボードが答える。 31

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ウォーターボードの目が光る。「尻に火が付いて俺らを始末しに動いたか。オムラも動くからな。覚悟しろ」四人の壮絶な睨み合いに伴い、境内がより一層殺伐としたカラテアトモスフィアに包まれていく。暴徒が更に殺到するが、一触即発の空気に飲まれ次々と失神していく。 32

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「ニンジャナンデーーーッッッ！？」やがて耐え切れぬように暴徒の一人が絶叫と共に火炎瓶を投擲！境内の石灯籠へ命中！そして、これが合図となった。「「「「イヤーッ！」」」」 33

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先手を取ったのは白の巨体・ディシーバー！四人の予測衝突地点の地面へハンマーのような右拳を振り下ろす！「イヤーッ！」KRAAAAAAAAASH！玉砂利が爆ぜ、衝撃で残り３人…否！黒の巨体・アヴィディヤがハンマーのような左拳を振り下ろす！「イヤーッ！」「「グワーッ！」」 34

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ウォーターボードとレイザーエッジが白と黒の放つ二重衝撃に堪え切れず山門へ吹き飛ばされる！二人は揃って黒く重苦しい山門へ叩き付けられる寸前に身体を反転！「イヤーッ！」ウォーターボードが水流を高速射出させ、山門を蹴り白と黒の巨体へ飛び掛かる！ 35

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この動きを見切ったディシーバーが身を低くし、右腕を後ろへ引き、迎撃の構え！だが、射出したウォーターボードの足に連結していたレイザーエッジが地面へブレードを突き立て急停止！「コシャク！」アヴィディヤがディシーバーを踏み台にし、上空より飛来！ 36

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「イヤーッ！」レイザーエッジが全身よりブレードを展開！ハリネズミの如き姿でアヴィディヤへ飛び掛る！「イヤーッ！」ウォーターボードが迎撃のタイミングを逸らされ態勢の崩れたディシーバーへ銛を突き出す！ 37

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「「グワーッ！」」レイザーエッジのローリングソバットだ！身を反らせ直撃を避けんとしたアヴィディヤの脇腹へブレードが突き刺さる！ウォーターボードのジェット加速された銛の一突きがディシーバーの右腕を刺し貫く！ 38

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だが、白と黒の巨体二人は一切怯まず！アヴィディヤはブレードが刺さったままレイザーエッジの身体を丸太の如き両腕で捕らえ、地面へ押し潰す！ディシーバーは銛が刺さった右腕に力を加える！銛が抜けない！左腕で肘打ち！「「グワーッ！」」 39

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夕陽が深く深く沈んでいき、周囲を赤く血生臭く染め上げる。神聖な境内に似つかわしくなく、暴徒が数多く倒れ付す様を赤く染め上げる。白と黒の巨体が二人のニンジャを投げ飛ばす。山門から頼りなく光るLEDボンボリの照らす回廊へイクサの場は移る。 40

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レイザーエッジとウォーターボードはすぐさま跳ね起き、反撃を開011001001000111101「これは！？」「ウォーターボード=サンもか！？」前方から迫る白と黒の巨体…いや、最早巨大な二つの山が覆い被さってくる！「奴らのジツだ！これは幻だ！反撃するぞ！」「ああ！」 41