ヤズ劇場まとめ

ハァ、ハァ…すまない…ただちょっとボスが養いたくて…
5
前へ 1 ・・ 9 10 12 次へ
ヤズ @yZJRtWQFk

養い人「ボス~ケーキ食べよ!」 ボス「ケーキ?まだクリスマスイブだぞ」 養い人「日本じゃあイブの方が本番だからね」 ボス「また日本特有の妙な風習か…」 養い人「まあまあ、今日は日本式クリスマスってことで、さ。…『明日』、期待しちゃっていいよ?」フフン ボス「…期待しててやろう」

2014-12-24 23:57:12
ヤズ @yZJRtWQFk

ボス「待て、このケーキはお前一人で食えばいいんじゃあないか?」 養い人「それだと太るでしょ」 ボス「太るのが嫌なら食わなきゃあいい」 養い人「いやケーキは食べます」 ボス「なら全部食え」 養い人「太ったら責任取るのはボスだよ」 ボス「オレに何の責任が」 養い人「いいから協力しな」

2014-12-25 00:23:13
ヤズ @yZJRtWQFk

養い人「やっぱり外はデートしてるカップルだらけらしいね。ラブホも満員だってさ」 ボス「バレンタインか何かと勘違いしてるんじゃあないのか?」 養い人「まっいいよ、私はここでボスとごちそう食べるもんねーッ」 ボス「なんだ、オレと家デートのつもりか?」 養い人「デートじゃあない!!!」

2014-12-25 05:24:32

2014年12月15日 養い人、ボスと客引きに遭う(長編)

ヤズ @yZJRtWQFk

ボスを連れてショッピングを楽しんだ後、お気に入りの飲食店で夕食を済ませてからようやく帰路についた養い人。居酒屋をはしごするサラリーマンや夜遊びする若者しかいなくなった夜の街中。前を歩くのは養い人で、ボスは落ち着かない様子で周囲を警戒しながら後ろをついてきていた。

2014-12-15 00:44:10
ヤズ @yZJRtWQFk

「そんなにキョロキョロしなくても、ボスを殺そうとする人なんていないよ」「それはわかってるがな…」頭では理解していても、どうしても不安や怯えは拭いきれない。人間がまばたきをやめられないのと同じで、無限死の深いトラウマから来る恐怖というものはボス自身にもどうすることもできない。

2014-12-15 01:00:30
ヤズ @yZJRtWQFk

もちろん養い人もそのことはわかっていた。最初にボスが『出来るだけオレを一人にするな』という条件付きで付き添いを許可したのも、他者への異常な恐怖心から来るものなのだと理解していた。だから人混みの中には連れて行かなかったし、誰かに話しかけられたときはボスを背後に隠して自分が対応した。

2014-12-15 01:08:39
ヤズ @yZJRtWQFk

「そうだね、夜も遅いし早く帰ろう」「お二人さん、もう帰っちゃうの?」突然声をかけられてびっくりしながら振り返る養い人。「いいお店があるんだけど、寄ってかない?」…面倒臭いのに絡まれてしまった、と養い人は心の中で舌打ちした。この時間のこの道は質の悪い客引きがいることを忘れていた。

2014-12-15 01:28:08
ヤズ @yZJRtWQFk

案の定、ボスは養い人の背後に身を隠して怯えていた。といってもボスの方がずっと背が高いので全く隠せておらず、どちらかというと盾にするという表現の方が近い。「悪いけど遠慮しときます」「そんなこと言わずに、本当にうまいお店なんですよ!」「お金もないので…」「でしたら安くしときますから」

2014-12-15 01:39:29
ヤズ @yZJRtWQFk

…しつこい。思っていたより何百倍もしつこい。外国人を連れているから変に目をつけられてしまったのだろうか。「カップル割引ってことでサービスしちゃいますよ!ぜひ!」別にカップルじゃあないです、なんて反応してしまったら更に会話が続いてしまいそうだ。ここらでなんとか切り上げなくては。

2014-12-15 01:47:07
ヤズ @yZJRtWQFk

「本当にいりませんので!失礼します!」そう言ってボスの腕を掴むと、客引きを避けてずんずんと前へ進み始めた。「ごめんねボス、早く行こう」「ボッタクリか?」「たぶんね」客引きに聞こえないように小声でやり取りしながら急ぎ足で立ち去ろうとする。だが、そこで諦める客引きではなかった。

2014-12-15 01:58:39
ヤズ @yZJRtWQFk

「ああっ、ちょっと待って!」それでも養い人達を引き留めたかった客引きは手を伸ばし、あろうことかボスのもう片方の腕をガシッと掴んだのだ。

2014-12-15 02:16:53
ヤズ @yZJRtWQFk

それはほんの一瞬の油断だった。ボスの肩がビグゥッと跳ねる。ゾワゾワッと全身の毛が逆立つのを感じた。悲鳴を上げてそのままショック死してしまいそうだった。心の奥底から恐怖がゾクゾクと湧き上がってくる。死の過去(フラッシュバック)が襲ってくる。まずい。早く振り解け。振り解かなくてはッ!

2014-12-15 02:40:05
ヤズ @yZJRtWQFk

「やめてッ!!」客引きを先に突き飛ばしたのは、養い人だった。

2014-12-15 02:43:50
ヤズ @yZJRtWQFk

まさか自分が振り解くより先に養い人が動くとは。ボスは驚いたが、それは養い人本人もだった。やってしまった、と思った。ずっとボスの面倒を見てきた養い人は、彼が他人に触れられるとパニックになることをよく知っていた。それ故に体が反射的に動いてしまったのだが、それにしてもこの状況はマズイ。

2014-12-15 02:55:54
ヤズ @yZJRtWQFk

加減も考えずに突き飛ばしたせいで、客引きは地面に倒れてしまった。怪我をしたかもしれないし、服も汚れただろう。相手が相手とはいえやりすぎだ。「ご、ごめんなさい、こんなつもりじゃあ…大丈夫ですか?」恐る恐る駆け寄った養い人だが、客引きの憎悪に満ちた目を見てぎょっと固まってしまった。

2014-12-15 03:01:41
ヤズ @yZJRtWQFk

「テンメェ、よくも……このクソアマがァァァーーーーーーーッ!!」客引きはわなわなと体を震わせながら起き上がると、怒り任せに養い人へ拳を振り上げた。逃げられない。そう思った養い人は反射的に目を瞑り両手で頭を守る。せめてもの防御だったが、襲ってくると思った痛みは来なかった。

2014-12-15 03:10:51
ヤズ @yZJRtWQFk

「ガ、グ、ゲゲ……!」目を開くと、そこには苦悶の表情を浮かべる客引きの姿があった。大きな手でギチギチと顔面を鷲掴みにされた客引きの姿が。「ボス…!」ボスの目からは先程までの怯えは消え去り、まるで別人のような恐ろしく冷たい目をしていた。

2014-12-15 03:37:22
ヤズ @yZJRtWQFk

「おまえ……身の程を知るがいい。おまえごときが触れていい人間じゃあないぞッ!」ボスはそのまま客引きの体を軽々と持ち上げると、思いっきり投げ飛ばしてしまった。「グエエーーーッ!」なすすべなく地面を転がっていく客引き。人通りの少ない夜道も、この状況にさすがに騒然とし始めていた。

2014-12-15 03:47:32
ヤズ @yZJRtWQFk

もちろんこんなことをされて頭に血が上らないはずもなく、客引きは全身の痛みも忘れてすぐに起き上がった。が……「あ、あれ?」そこに二人はいなかった。ボスも、養い人も、忽然と姿を消していた。周囲に集まり始めていた野次馬達も、誰一人として二人の行方はわからなかった。

2014-12-15 03:52:48
ヤズ @yZJRtWQFk

「ふぁっ!?ボス、ここは?」「静かにしろ、見つかるぞ」二人は誰もいない横道に移動していた。ボスが時間を飛ばして逃げてくれたのだ、と養い人は察した。「ボス大丈夫?ケガはない?あ、あの人はどうなったの?」「オレもあいつも心配はいらん。全く、お前がヘタなことをしたせいで大事になったぞ」

2014-12-15 04:08:39
ヤズ @yZJRtWQFk

「オレがあいつの手を振り解いてすぐ逃げればそれで済む話だった。それをお前が突き飛ばしたせいで」「う、うう~。それはごめん…だけど、ボスあのとき結構危なかったでしょ?」「……」「助けてくれてグラッツェ、ボス」少々不機嫌そうな顔のまま、ボスは何も言わなかった。

2014-12-15 04:15:37
ヤズ @yZJRtWQFk

「もういい、とっとと道案内をしろ。お前と出掛けたせいで散々な目に遭った」「まっ確かに『結果』は最悪だったけど、『過程』は楽しかったってことで、ね!」「オレは暫く外に出ないからな」そうして二人は家へと帰っていった。

2014-12-15 04:20:44

2014年12月9日 養い人、ボスとショッピングに出かける

ヤズ @yZJRtWQFk

養い人「ボス、これから行くのはただの百貨店だよ」 ボス「知ってる」 養い人「日本の庶民がお買い物するところだよ」 ボス「らしいな」 養い人「ボスが今着ようとしてるの何だっけ?」 ボス「Gucciのスーツ(上下40万)」

2014-12-09 12:52:48
前へ 1 ・・ 9 10 12 次へ