なるほど承りました。 RT @ichimiyar: @Dr_yandel 以前お聞きした顕微鏡の機種と、高級機ならではのメリットを教えていただけないでしょうか?
2014-12-29 08:01:40わたくしが診断に使っている顕微鏡はNikon Eclipse 90iというやつで、スイッチ一つおすだけで対物レンズが電動切り替えされ、ピントもデフォルトで合います。コンデンサーや絞りなどの調整もすべて自動です。 pic.twitter.com/ACRE4KemvQ
2014-12-29 08:06:28今の写真、顕微鏡を動かす黒いレバーの下にスイッチが複数あるのが見えますね。これがレボルバー(対物レンズが7本ついてるやつ)を回転させるスイッチだったり、ピント自動合わせのスイッチだったりします。なお、対物レンズは非常に高く、この7本セットだけで7ケタくらいの価格です。
2014-12-29 08:08:23対物レンズは通常の顕微鏡にデフォルトではついてこない「対物1x」というルーペ像用のものや、「対物60x」という最強拡大用のものを装備しています。油浸レンズは私は使っていません。すべて油浸なしで見ることが出来ます。
2014-12-29 08:09:36今の顕微鏡は上部についているプレパラート撮影用カメラを除いて、購入当時で450万ほどのお値段です。カメラ・周辺機器(専用のPCソフト)を足して500万くらいですね。
2014-12-29 08:10:22なお、わたくしが一日の中で顕微鏡を覗く時間は勤務時間の約1/3程度です。人によってだいぶ差がありますが、わたくしの仕事は通常ルーチン業務に加えて「対比病理」(臨床画像と病理診断とを対比する作業)のウェイトがかなり大きいため、むしろPCに向いている時間の方が多いです。
2014-12-29 08:17:37わたくしの組織診の診断速度は病理診断医の中でも相当早いほうです。これは、当院が病理診断時に「ダブルチェック制度」を採用しているためであり、一つの検体を必ず2人の病理医で診断するため、「ぼくがちんたら診断していると律速段階となって全体の診断速度が遅れる」ことと関連します。
2014-12-29 08:20:03出張先などで、「一人で病理診断を完遂しなければいけない場合」には診断の速度が倍以上遅くなります。わたし以外にもう一人、ベテランが見てくれるという安心があるから「一日の1/3程度顕微鏡を見ていれば診断できる」などという余裕を見せることができます。
2014-12-29 08:21:07普通は病理診断医1人につき、年間3500件~4000件くらいが妥当な診断量だと言われており、(限定されたデータながら)この数を超えると誤診が出てくるとされています。当院は年間10000件くらいの診断件数を4人で見ており、全例ダブルチェックなので1人あたり5000件程度の診断量です
2014-12-29 08:22:24病理医を目指す人は、「とにかく上司やチェッカーの多い病院」で研修をしたほうがいいでしょう。病理診断の責任は重く、勉強量も多いですし、何より「少人数で診断し続けるといろいろ危険」です。ご参考になさって下さい
2014-12-29 08:23:06さっきのツイートにツッコミがこなかった 病理医は英語で「pathologist」、病理学的な は「pathological」を使う 「pathologic」と言った場合は「病的、病んでいる」です。パソロジカルドクターは病理をみる医師だけどパソロジックドクターだといかれた医者だよ
2014-12-29 08:28:04個人の経験になりますが、「見逃し」などの重大ミスはほぼありません。ただ「診断書の記載もれ」や「記載のブレ」などはそこそこあります。ダブルチェックはかなり重要です。 RT @tyurukichi_AA: ちなみにダブルチェックで見落としが見つかるのはどのくらいの割合なんでしょうか?
2014-12-29 08:29:31