【4月15日夕方】玉兎とライアン

ブライアン @asasmamama1

【4月15日／夕方】

ーーー @Togiya_0822

【４月１５日/夕方頃】

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玉兎】ざらりと風が吹く。影を踏むように歩けば男の白に近い髪はゆらゆらと背中で揺れた。足が接地した部分から己の影を使って、"影の中"を探る。―――、誰かを捜すように。

ブライアン @asasmamama1

ライアン】夕方、傾いた日差しが窓から入りこんでいる自宅の居間に座っている。テーブルに手を置いて携帯を弄る。 （んー、今の時間なら特に問題ないかな…） ディスプレイに小さく表示される時計を見ながら考える。

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玉兎】（風香、）ぴたりと立ち止まり、ビルの壁に背をもたれかけて無意識的に彼女から贈られた、自分の瞳の色とよく似た装飾を施されているイヤリングを指先で触る。（――君は、やはり、もう、）

ブライアン @asasmamama1

ライアン】まだ同居人は仕事で帰ってきておらず、静かだ。壁にかかっている時計の秒針が動く音が微かに響く。 （まぁ大丈夫か） そう思って電話帳を開こう。異研について何かもし知っていたら教えてもらいたい、淡い期待を持ちつつ

ブライアン @asasmamama1

@Togiya_0822 ライアン】源風香の携帯にコールをかける。

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玉兎】イヤリングから手をはなし、ズボンのポケットに手を突っ込む。今、ポケットの中には自分の分の携帯と、持ち主が"失踪《いなく》"なってしまった携帯の二つが片方ずつのポケットに入っている。

ブライアン @asasmamama1

ライアン】前に投げ出した両足をぷらぷらと揺らしながら通話が繋がるのを待つ。

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玉兎】はあ、と小さく息をこぼした時だった。ポケットの奥で携帯が振動し、初期設定の音楽が流れ出す。

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@asasmamama1 玉兎】するりとポケットに手を突っ込み、画面を見れば電話をかけてきている相手の名前。――、カタカナの名前だ。外国人なのだろう。人差し指で軽く押して出ようとするが少し躊躇う。（……、）しかし、躊躇っていても仕方がないのでそっと携帯の画面を押し、耳に当てた。

ブライアン @asasmamama1

@Togiya_0822 ライアン】コール音が途切れたのを聞いて繋がったと理解し 「あ、フウカ？ごめん今大丈夫？」 聞きたいことがあるんだけど、と、いつもと変わらない態度で声を投げかける。相手は源風香だと信じきって

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@asasmamama1 玉兎】「…すまないね、風香じゃなくて。君、風香のお友達かい？」受話器の向こうから聞こえてくる声は、携帯越しということもあって多少機械の音混じりだが、年若い男、いや少年の声だろう。少年の声が耳に届き、穏やかな声色で返答する。

ブライアン @asasmamama1

@Togiya_0822 ライアン】「、…？」 当然のように返ってくると思っていた声とは程遠い、いや性別さえ違う声に一瞬思考が止まる。え、と口を開き 「あ、え、あ………すいません！こ、恋人さん…ですか？それとも家族さんですか」 わたわたとそう謝る。

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@asasmamama1 玉兎】「いや、構わないよ。僕は、なんだろうね…風香の、家族というか保護者というか同居人というか…そんな立場の者さ」自分でも、彼女の中での自分の存在とはどういうものだったのかよくわかっていない。曖昧な返事をしてしまったな、と苦笑する。「…用件はなんだい？」

ブライアン @asasmamama1

@Togiya_0822 ライアン】「……どうきょ」 結構前に本人からそういう存在がいると聞いた気がするな、と頭の端で思いつつ 「え、えーーと…どうしよ…えっと、今フウカさんはいないんですか？」 異研の話を誰彼構わずするわけにはいかないなと思ってそう聞く。

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@asasmamama1 玉兎】「……、」"いないんですか？"という言葉を聞いて、数秒黙る。無意識に、携帯を持つ手が強くなった。

ブライアン @asasmamama1

@Togiya_0822 ライアン】「？」 相手が黙れば自分も黙る。相手の返答をただ待つしかない。少し首を傾げて

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@asasmamama1 玉兎】「風香、は、」じわりと手に汗を握る。眩暈がするほど、突然動悸がした気がして。「っ、」空いている手で口元を覆い、そのままずるずるとしゃがみこむ。喉を胃液が遡ってくる感覚がする。（言いたくない、言いたくない、わかってる、わかってるんだ、）

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玉兎】（わかってるのに理解したくない）

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玉兎】ぞくりと鳥肌が立っている気がする。気がするだけで、肌は服の下に隠れてしまっているから知りようもない。ただの、感覚だ。

ブライアン @asasmamama1

@Togiya_0822 ライアン】初めて聞いた声だけれど、様子がおかしいのは分かる。少し心配するように 「あっあの大丈夫ですか？ごめんなさい、えっと…」 具合でも悪いんだろうか、と考える。どうしたんだろう。また後で掛け直した方がいいだろうか。

ブライアン @asasmamama1

ライアン】嫌な感覚がする。フウカが、フウカは？一体どうしたというのか。少し怖くなる。

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@asasmamama1 玉兎】受話器の向こうから声を聞いて我に帰る。「す　、まない…僕としたことが、」力なく言葉をこぼす。はあ、と一度深呼吸したあともう一度受話器を改めて握り直す。「すまないね。…、君は、風香の、友達なんだよね？」なるべく、感情を押し殺して、もう一度訊ねよう。

ブライアン @asasmamama1

@Togiya_0822 ライアン】「…いえ」 こっちこそ、と声が小さくなる。聞いてきた質問は当然ＹＥＳと答えるべきと分かっているのに何故か迷い 「は、はい……」 声を押し出す。相手の感情がこちらに伝わってくるようだ。