【ザ・ヴァーティゴ・グレイト・エクスペリエンス】後編

◇気づいていなかったか?あなたはすでに年末年始ニンジャまつり空間の中にいるということに◇
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010100111 @the_v_njslyr

ザ・ヴァーティゴは船に引きずられながら、今日発売のビーズログに載っているグラマラス・キラーズ新エピソード「ザイバツ・ヤングチーム」のグッドルッキングなドモボーイやクアース、ディミヌエンド達の事を思い、テンションを上げることで命を繋いだ。パーガトリーのデザインも凄い……!

2014-12-29 20:29:59
010100111 @the_v_njslyr

「お前は……」ザ・ヴァーティゴは彼を引きずる宇宙船の操舵席に垣間見える戦士の姿を網膜に焼き付けた。狐の頭……彼の意識は途絶えた。

2014-12-29 20:35:01
010100111 @the_v_njslyr

「あれは!」風魔大手裏剣衛門は構えていたエーテル双眼鏡から目を離し、ギョーム将軍を振り返った。「ついに奴らの尻尾を掴みましたぜ!キシャーッ!」「ウウウンダバー!」デジー・シュタッデルマイヤーは豊満なバストを揺らし、勝利の予感に身悶えした。「マインゲネラール!いよいよですわ!」

2014-12-29 20:55:08
010100111 @the_v_njslyr

「既にザ・ヴァーティゴはエーテルの藻屑よ!」ギョーム将軍はワインを揺らした。「ザザの法力に捉えられて無事で済む者はおらん」「相討ちにもっていかれてしまったのは想定外でしたわ」「なに、かえって好都合。ムクククク」ギョーム将軍はデジーを抱き寄せ、低く笑った。「奴には忠誠心が無いゆえ」

2014-12-29 21:01:09
010100111 @the_v_njslyr

「キキーッ!」風魔大手裏剣衛門が笑った。「その点、我ら風魔忍軍は貴殿らとの建設的パートナーシップを築く気満々ですからのォーッ!」「ムクククク!銀河皇帝への態度として極めて殊勝かつ適切!」ギョーム将軍はワインを飲み干した。背後には巨大な多次元版図!嗚呼……何たること!ほぼ真っ黒だ!

2014-12-29 21:04:03
010100111 @the_v_njslyr

なぜこのような悪の勢力の台頭を許してしまったのか?説明せねばなるまい。発端はナチスの暗黒オカルト力学である。ウィジャ板と科学力をハイブリッドさせた危険な研究の結果、非ユークリッド幾何学の先端に存在する不可触エネルギーへの無限アクセスが、偶然、可能になってしまったのである。

2014-12-29 21:14:13
010100111 @the_v_njslyr

それは人類が手にするにはあまりに強大すぎた!次元界のバランスが大きく揺らぎ、世界の溶解が始まった。ギョーム将軍の暗黒軍勢がそれに乗じた!これでは無理もない!「勝って兜の緒を締めよと言う。ザ・ヴァーティゴ無き今、調停者の船などアヒル玩具にも等しいほど容易な相手だが、失敗は許されぬ」

2014-12-29 21:19:48
010100111 @the_v_njslyr

「ギヒヒィー!その通りですぜ将軍!」風魔大手裏剣衛門が高い知性で補足説明する。「次元界の連なりは自浄作用とも言うべき収束機構を内包しており、単に混沌の諸次元を制圧しただけでは道筋は半分!放置すれば再び諸次元はバラバラに離れてしまう!ゆえに反キウイフルーツで混沌を永続化すべし!」

2014-12-29 21:22:54
010100111 @the_v_njslyr

「それが言いたかったのだ」「そうでがしょう!そもそもナチスドイツがこのような次元崩壊の引き金を引いたことも、四次元的に考察すれば、次元マンゴーに動的要素が付与されてしまった事に帰納的に関係しておるに違いありませんぜーッ!全くこれは宇宙的事象だぜェー!」「その通りだ!軍を進めよ!」

2014-12-29 21:26:29
010100111 @the_v_njslyr

艦橋のエーテルガラスに拡大図が投射される!そこに映っているのは、おお!おぼつかなく浮かぶ公爵の超自然の船ただ一隻に対し、それを十重二十重にも包囲する暗黒大艦隊!邪悪なホログラム旗印!いったい何千何万の船が集結しているのか!「こちらギョーム将軍だ」彼は公爵にエーテル通信を送った。

2014-12-29 21:34:15
010100111 @the_v_njslyr

『勝ったと思っているのか、ギョーム将軍』公爵の青ざめた顔が映し出された。「ムククククク……然り、然りよ。この状況において他に何を思えばよいのか。貴様は八方塞がりだ、調停者よ」『だが私は反キウイフルーツの次元座標の謎を解いた』「何だと?」将軍は眉根を寄せた。「取引でもするつもりか」

2014-12-29 21:41:20
010100111 @the_v_njslyr

『取引など必要ない』公爵は笑みを浮かべた。『反キウイフルーツは今まさにこの船の目と鼻の先の空間に存在するのだから!』「何ッ!?」その瞬間、公爵の船の数エーテルm先の空間がこの世ならぬスペクトルに光り輝き、歪み始めたのである!「一斉砲撃せよーッ!」ギョーム将軍が号令を下した!

2014-12-29 21:48:01
010100111 @the_v_njslyr

BOOOOOOOM!宇宙銀河を砲撃の光が満たす!絶体絶命だ!これでは船の中の旅の仲間たちはひとたまりも……おお、なんたることか!?降り注いだエーテルビームはしかし、船体を捉えることはなかった!超自然の球状磁場が船体を取り囲み、守っていたのだ!いかなることか!?

2014-12-29 21:53:22
010100111 @the_v_njslyr

甲板の上が歪み、そこに突如現れたのは……我らがザ・ヴァーティゴ!彼は両手を広げて全ビームを留めている!ネンリキだ!「流石だ!私はこの運命を知っていたぞ」公爵は甲板上に現れ、笑った。「ザ・ヴァーティゴよ!必ずここへ間に合う事はわかっていた!君がパズルの最後のピースであるからには!」

2014-12-29 21:55:56
010100111 @the_v_njslyr

「ヌウウウーッ……イヤーッ!」ザ・ヴァーティゴはネンリキを放出!全ビームが跳ね返され、艦隊を逆に襲った!ZZZZZZTOOOOOOM!大破壊だ!「ウワーッ!」イビルヤモトが甲板に走り出た。「心配させやがっ……」「ストップ!下がれ」ザ・ヴァーティゴは厳しく言った。「中に入ってろ」

2014-12-29 22:00:56
010100111 @the_v_njslyr

一方、ギョーム将軍は玉座から立ち、デジーを振り返った。「被害報告を!」「三割は戦闘不能……この程度の被害ならば戦闘継続に問題ありませんわ!」「ビームはダメだ。風魔大手裏剣衛門よ!白兵部隊を率いよ!」「かしこまりましただぜーッ!」風魔大手裏剣衛門はバック転しながら艦橋を退出した!

2014-12-29 22:01:40
010100111 @the_v_njslyr

「さあ、反キウイフルーツをその手に取るのだ。ザ・ヴァーティゴよ」甲板上で公爵とザ・ヴァーティゴは向かい合った。「君の力をもってすれば造作もないことだ」「出来るだろうよ」ザ・ヴァーティゴは頷いた。「それをあんたに渡せばお役御免ってわけだろう」「協力を感謝する」「……お断りだ!」

2014-12-29 22:12:41
010100111 @the_v_njslyr

公爵の白目無き目が驚愕に見開かれる。「今さら何を?エーテルの海に毒されたか?」「その前に!」ザ・ヴァーティゴは言った。「俺は宇宙船の中からこの甲板に、一足先に次元転移してきたんだ。宇宙船はその後……つまり、今来る!」KRAAAAASH!公爵の船に巨大質量が衝突した!「グワーッ!」

2014-12-29 22:17:31
010100111 @the_v_njslyr

公爵の船に突き刺さったのは、鋭角的かつ流線型の、矢のような宇宙船であった!「大丈夫だろうな、ウエスギの奴……」ザ・ヴァーティゴは呟いた。公爵が叫んだ「何をしている!」「そりゃあ、仲間たちをまず奪い返すんだよ」とザ・ヴァーティゴ、「奴らを人質に取られたら、またぞろ面倒だからさ!」

2014-12-29 22:21:43
010100111 @the_v_njslyr

「話が見えんな」「嘘だ!お前にはわかりきっているはずだ。俺を使って反キウイフルーツを手に入れ、全次元を支配する、そういう狙いで動いてやがったんだからな!」ザ・ヴァーティゴは言った。「だが、俺がこうして戻ってくるまでの経緯は、今から説明してやる」

2014-12-29 22:25:21
010100111 @the_v_njslyr

船からザザと共に落ちた後、ザ・ヴァーティゴはどうなったか?彼を助けたのは、次元転移傭兵、キツネ・ウエスギである。ネオサイタマからどうにか脱出した彼は、ストリップバー次元界から奴隷を開放するなどの様々な冒険を繰り広げたのち、最終的に、乗り捨てられた宇宙船を発見した。

2014-12-29 22:28:47
010100111 @the_v_njslyr

それはお話の冒頭でザ・ヴァーティゴとイビルヤモトが乗っていた宇宙船……墜落し、岸壁に嵌まり込んでいた残骸であった。二人は宇宙船から投げ出されたのち、公爵の力に引き寄せられ、流されて、あの浜辺に打ち上げられたというわけ。ウエスギは船内のゲーム機のアカウント情報から持ち主を特定した。

2014-12-29 22:31:55
010100111 @the_v_njslyr

あとは、キツネ・ウエスギの次元転移傭兵の勘と経験と嗅覚の問題だ。彼はすぐに、ザ・ヴァーティゴが厄介なことに巻き込まれた事を知った。彼は宇宙船を修理し、後を追った。当のザ・ヴァーティゴ自身もウエスギを探していたんだから皮肉なものだよね。グルグル回って、バターになっちゃうところさ。

2014-12-29 22:36:08
010100111 @the_v_njslyr

ウエスギが操縦する宇宙船はザ・ヴァーティゴを引きずり、荒れ果てた世界に不時着した。そこは荒野のど真ん中で……バーや、ボーリング場、ビンゴゲームができるタウンホールなんかもあった。ウエスギが船から降りると、民家のドアが開き、中から、怒り狂った老婆がショットガンを構えて現れた。

2014-12-29 22:43:29
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