地球と一体化して消滅する翔ちゃんのネタ

ログそのまま貼っただけなので気合で読んでください
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田島さん @ryu1582

ネタまとめ投下します

2015-01-01 22:21:23

風呂入りながら「地球の要たるドラゴンが戦いで消耗されてしまい地球存続の為には適合者である翔悟がドラゴンと一つになる(実質竜神翔悟の消失)ことが必要と明かされた、滅亡一カ月前」というネタを思いついてしまいかなり悲しくなってる
「どうしたんだレナード、突然来日してきてまで」「最近急激に増加している天変地異についての調査結果とそれに関する報告ですよ。皆さん集まっていますね。…ではお話しましょう」
「まずは調査結果からお話しましょう。連日の調査の結果、天変地異の発生原因が分かりました。ドラゴンボーンが原因です」「えっ、ドラゴンが?」「はい。ドラゴンはこの地球の要だというのは勿論ご存知ですね。確固たる情報と理論がない今ではあくまで推論になるのですが、」
「昨今の激しい戦いの中でどうやらドラゴンボーン自身が消耗しているかもしれません」「消耗って…疲れてるって事?だから地球がおかしくなってんの?」「恐らく、ですがね。さて、次は残念なお知らせになります。心して聞いてください」
「火山噴火、地震、津波、寒波、干ばつ…全世界に起こっている天変地異の頻発・その蓄積によって地球は最早限界です。このままいけばあと一カ月でこの地球は……確実に滅びます」
「滅びる、って……」「はぁ!?そんな冗談はやめてくれよ!」「縁起でもないことは言わないでください!」「……………」「……本当、なのか、レナード」「……地球滅亡に関しては推論ではなく、確実な結果です」
「そんな…ドラゴンが弱ってるから…?……っレナードさん!何かないんですかっ地球が滅びない方法ってのは!?」
「…………………………あります。たったひとつだけ。」
「本当か!?どうすればいい!?」「………」「どうしたんだよ早く教えてくださいよレナードさん!」「……分かりました、言います。はっきりと言います。竜神翔悟、よく聞いてください」「え?」
「この地球を救う方法…それはドラゴンの適合者である竜神翔悟、君がドラゴンボーンの新たな媒体となって一体化し、この地球に再び深い眠りにつく事です。つまり君の体を、ドラゴンボーンの一部にすることで消耗した部分を補うのです」
「 君自身は、消えてなくなる必要があるんです 」
「……え…?」「研究者としての立場から言わせて頂きます。君一人の犠牲によってこの地球の億万の生命が救われるんです。一刻を争う事態です。わかりますね?」
「レナード!!!」「私だって心中お察しします!ですが事実でありこれしか方法はないんです!時間もない、方法もない!これしか手立てはないんですよ!」
「…………………」「………竜神翔悟。流石にすぐに答えろとは言いません。ですが今日私が説明したことと時間がないことは、心に留めておいてください」
そんでさーまだ子供の翔ちゃんにぶっちゃけ死んでくれっていう相談なんですよ。死ぬのは怖い。でも救えるのは俺の命だけ。連日のようにテレビから流れる天変地異の速報。あと一カ月したら父さんも姉ちゃんも早穂も、ルークや皆も死ぬ。全部が全部消えてしまう。
たっぷり一週間悩んだ翔悟の決断は、それはそれは無常な決断だった。
「俺、やるよ。皆を守りたい。ただ、一つだけ我が儘を言わせてほしい。あと一週間、時間がほしい。悔いが残らないように、色々したい」
一日目。早穂のお願いに一日かけて付き合った。買い物だとかあれが見たいだとかあれをしたいだとか、そういうこと全部聞いた。どうしたの翔ちゃん、なんて訝しげに聞いてくる早穂には笑ってはぐらかした。
二日目。姉ちゃんが働いてる時にエデンの手伝いをした。お疲れ様と言って出してくれたアイスコーヒーはとても美味かった。店内BGMはニュース速報なんて流さない。それがちょっと救いだった。
三日目。決断してから何となく疎遠になったルーク達にちゃんと集まって話をした。今までありがとうって言ったらアントニオとタイロンが泣き出して「行くな」と言って抱きついてきた。見えないけどギルバートからは鼻をすする音がする。ルークは珍しく辛そうな顔してた。ありがとう、ありがとう皆。
四日目。自分から神社の掃除を申し出たら父さんに風邪を疑われた。違うよ父さん。真実は勿論言えなかった。箒で掃いてたら頭をぽんと叩かれて悩みがあるならいつでも言っていいんだぞ、と言われた。うん、って答えた声、震えてなかったか心配だ。
五日目。今日学校のトイレで二回吐いた。恐怖からだったんだと思う。もう時間はない。俺がやるしかない。分かってる。分かってるけど。放課後空いてる教室に忍び込んで独りで泣いた。死にたくない。死にたくないなんかないよ。
六日目。レナードさんに聞いた。俺がいなくなった後は家族や知り合いにはどういう説明がされるのか。天変地異に巻き込まれての事故死として処理されるらしい。俺がドラゴンと一つになるということは関係者しか知らない。知られないまま、知らされないまま俺は消えて、無くなる。
七日目。いつもと変わらない夕飯の光景。おばさんが作った煮物は本当に美味しかったから姉ちゃんがレシピを聞いてる。早穂と一緒に片付けを手伝いながら、風呂に入って歯を磨く。お休み。また明日。口々に皆から挨拶をされる。お休み。これが最後の会話だった。泣かないようにするのに、必死だった。
……朝稽古と同じ時間帯に、言い訳作りの為の胴着を持って家を出た。目的地である公園に向かう途中には、全壊した家屋がたくさんあった。天変地異は止まる。地球は助かる。良いことだ。良いことなんだ。それでも俺は溢れ出す涙を止められなかった。
死ぬのは怖い。でも、守りたいものがたくさんある。
公園にはルーク達がいた。最後の見送りに来てくれた。悲しくなるからって嫌がってたのに、皆いる。ありがとう、って改めて言ったら皆抱きしめてくれた。苦しいくらい抱きしめながら、わんわん泣いてくれた。アントニオもタイロンも、ギルバートやルークまで、抱きしめてくれた。
ありがとう、ありがとうって。それからごめんって言われた。違うよ皆。これは俺の決めた事だから謝るなよ。鼻水と涙が止まらないじゃん。悲しまないように変に笑顔作ってるつもりなのに。あぁ死ぬのか。俺は消えるのか。消えたくない。消えたくないよ、消えたくない、ああでも、ドラゴン。
手に持っていたカードが、やんわりと光り出した。
……………………
竜神翔悟は、その日から消えました。

ルーク達がついさっきまで翔悟ぎゅっぎゅしてたはずなのに気が付いたら消えててカードがぽとり、と地面に落ちるんだぜ

見慣れた風景。家の居間。いつもの茶碗。美味しいご飯。
眩しい日差し。玄関からの声。高い声。神社の境内。長い階段。
窓際の机。文字ばっかりの黒板。誰かの声。規則正しい机の列。
高い声。長い階段。神社の境内。見慣れた居間。階段を登って扉を開ける。
狭い部屋。散らかってる部屋。家具と本と服とそれから色々。
なんだったかなぁ。何だかどれも大切だった気がする。とても、大切だった気がするんだ。
思い出せない。

「翔悟を元に戻す方法…!?」「はい。まだ未確定の空論でしかありませんが…」「構わない。聞かせてくれレナード」
「もし地球が外部の敵の脅威に脅かされる事も無くなり、汚染等の惑星そのもの負担も少なくなった時。ドラゴンボーンに余裕が出来たなら、竜神翔悟を補いの役目から解放できるかもしれません」
「ただそれはいつになるかは分かりません。何十年かもしれませんし、何百年かもしれません。地球の要であるドラゴンボーンの負担次第です。或いは我々人間の持つ科学技術による救出方法の開発が先か。遠い先の未来計画です。その間に彼の身に何も起こらないとは言い切れません」
「それでも待ちますか、ルーク」
「……あぁ、勿論待つとも。他の皆もきっと同じ答えを言うだろう。私達は事情を知りながら彼を見殺しにした謂わば罪人だ。その責が残りの人生の全てだとしても、背負い続けることを誓うさ」
「翔悟は、私達の大切な仲間だからな」
(いつでも、いつまででも、忘れたりはしない。だからお前も、決して私達を忘れないでくれ、翔悟)

……………
たくさんの声。たくさんの人。笑う声、どなる声、諫める声、少し笑う声。
顔はぼんやりだから分からない。話す内容も分からない。名前を呼ばれてる気がするけど分からない。
けど、なんだか安心する声。四つの、声。
(待っているから。)