FF6二次創作SS【鎮魂のアリア】最終回
- minarudhia
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…そして、俺は。 今更俺と一緒にいていいか迷っているフィストを説き伏せ、フィガロへと連れて帰った。 兄貴がフィストと知り合いだったのには驚いたが、俺から話を聞くと緊急会議を開いた。 正直、話すべきじゃなかったかもしれない。
2015-01-01 22:13:53なにせ、彼女は、今や魔導の力を失い魔法という概念がなくなったこの世界で唯一、魔法を使える存在になるかもしれないからだ。 兄貴はそれに対して、慎重に対応したかったんだろう。
2015-01-01 22:16:24話を聞けば彼女は、強力な力を持つがゆえ周囲に被害を及ぼすことを避けるため単独でいることを自身に強いていたが、もう一人でいることに疲れたと言い、ほんの一時でも誰かと一緒にいる時間が欲しいということだった。
2015-01-01 22:19:17「…なあ、マッシュ」 「なんだ兄貴?」 「ティナの時もそうだったが、俺達と違う存在と向き合うことから目を逸らさないでいるのは難しい。彼女もまた人と相容れない存在かもしれないが、俺達は彼女と共にいることを望むことができる。そうとは思わないか?」
2015-01-01 22:21:56「……そうだな。俺達は平和のために、幻獣と、手を取り合って戦おうとしたんだ。上手くはいかなかったが…フィストとはきっと」 「ああ」
2015-01-01 22:24:51サウスフィガロの近辺、フィガロの洞窟がある山々の麓に立ち寄ったカイエンが驚きのあまりマッシュに立て続けに質問を投げかけている。 そこは素朴な造りをした小さな小屋の中。
2015-01-01 22:30:29「兄貴の取り決めでフィガロのもと監視と保護を兼ねて俺のとこに住まわせてんだよ。…と言っても、あくまで表向きはなんだけどな。ケフカとの戦いが終わった後にあいつを迎えに行くって言っちまったし、そう簡単に破れる約束じゃなかったし」 「しかし…」
2015-01-01 22:35:40鼻歌を歌いながら厨房で動く、長身かつ黒髪に銀目の女を横目に見て、カイエンは続ける言葉がない。 「それに兄貴が言ってたが、彼女には世話になったんだろカイエン?俺も2年前にあいつには世話になったし、悪い奴じゃない。別に一緒にいたっていいだろ」 「むむむ」
2015-01-01 22:37:47「カイエン、あなたも一緒に昼食はいかがかしら?さっき獲れた熊の肉があるの」 フィストが厨房から顔を出して聞く。 「まあ、食ってけよ。あいつの料理、なかなか美味いんだぜ」 「マッシュ殿、もしや餌付けされているのではござらぬか?…仕方ない、拙者にも下さらんか」
2015-01-01 22:40:45相変わらず朗らかなマッシュの笑顔にカイエンはため息をつく。 しかし、彼らが幸せなのならそれはそれで構わないか…と考え直すと、カイエンは改めて椅子に腰を落ち着けるのだった。 fin
2015-01-01 22:43:11ここまで読んでくださった奇特な皆さんへ、ありがとうございます。 この話は、FF6の二次創作SSとして書いた『流離う僧と見守る白い竜』、『奇妙な共闘』と連なる三部作として書かれたものです。
2015-01-01 22:48:44そのため、この鎮魂のアリアから読んで「???」とクエスチョンマークが出まくった人は、以上の二作を追って読んでくださると若干話の流れがわかりやすいかと思います。
2015-01-01 22:49:17今回登場させたFF6キャラのED後の行先についてです。 この鎮魂のアリアはED後から2年後の話として書いていますが、箇条書きにしておくと…
2015-01-01 22:49:50・ロック&セリス:カップル未満。たまにセッツァーともつるんで共に旅をしている ・セッツァー:ファルコンと共に時折空を駆ける生活へ ・リルム:ジドールでラクシュミの続きを描いていました。ラクシュミを描き終えたらサマサへと帰るつもりだった
2015-01-01 22:52:07・ストラゴス:インターセプターと一緒にリルムの帰りを待っていた ・マッシュ:城には留まらず、山にこもりながら再びエドガーの力になるためサウスフィガロ近くに住んでいる ・ティナ:モブリズに留まり、生き残りの子供達と共に生きていく道を選び続けている
2015-01-01 22:53:27となりました。 特にマッシュに関してですが、よく他の二次創作で見るとED後エドガーと一緒に城へ戻ったりする結末が見られるのですが、私は敢えてそれはない方面で書きました。 これに関してはどこか別で話すことにします。
2015-01-01 22:54:44