フランク・レポート：原爆開発の科学者による原爆投下反対の提言

MIZUNO Yoshiyuki　水野義之 @y_mizuno

資料：原爆を開発した科学者による原爆投下・使用反対提言「フランク・レポート」。原文：dannen.com/decision/franc…　和訳例：inaco.co.jp/isaac/shiryo/f…　参考：京都大学内井教授「科学者の責任を考えるために」www1.kcn.ne.jp/~h-uchii/resp.…

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The Franck Report, June 11, 1945, "Report of the Committee on Political and Social Problems" dannen.com/decision/franc… pic.twitter.com/fu3tQga3ua

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@f_zebra 科学者、フランク・ヘルツの実験で有名なジェーム・ズフランク、によるフランクレポートは、原爆投下については、ナチスドイツも米国も実際には使うべきではない、という提言なのですが。それを政治的には、（有無を言わさず）使ってしまったわけなのですよね。

MIZUNO Yoshiyuki　水野義之 @y_mizuno

@f_zebra 具体的に言えば、お分かりいただけると思います。科学者は、政治的意思決定の物質的あるいは政策提言上の判断の根拠について、最もよく理解しているはずですよね。そこが（政治家に）理解されていないなら、そこを正しく理解されるように発言すべき、という意味ですが。反対ですか？

MIZUNO Yoshiyuki　水野義之 @y_mizuno

原爆投下に関するフランク・レポート抜粋。「人類はこの危険を知らないのだ。それ故に、ことの重大さに鑑み、原子力に関して熟知している立場から想起せらるる政治的諸課題に注意を喚起し、なさるべき決定のための準備や研究へ向けてそのステップを示すことはむしろ我々の義務であると感ずるに至った」

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承前）核兵器の国際管理。「もし効果的な国際合意に達しないとすれば、核兵器の存在を最初に誇示した翌日の朝から、最も早ければ核装備競争が始まる（中略）彼らとわれわれは対等の力関係になる（中略）明白なことは、専門家によるこの問題に関する研究を開始するのに失うべき時間はないということ」

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承前）「核戦争と核爆撃がもたらす全面的壊滅から国を守る（中略）相互信頼の欠如のみが、そして合意に対する意欲の欠如が、効果的な核戦争防止協定への道に立ちふさがる（中略）今現在秘密に進められている核兵器を、初めて世界に明らかにする方法が非常な、運命的といえるほどの重要性を帯びる」

MIZUNO Yoshiyuki　水野義之 @y_mizuno

承前）（毒ガスも米国民には支持されないと言った上で）「同様にもしアメリカの国民が核爆発物の影響を正しく知らされていたなら、一般市民の生命を完全に壊滅するような、そういう無差別な方法を講ずる最初の国がアメリカであることを決して支持しないであろう」（だから米国は結局ここでウソを言う）

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承前）酷いな。「国際核戦争防止協定を期待し（中略）軍事的利点やアメリカ人の命を救うこと―それは日本に対して予告なしに原爆を使用することによって達成されるのだが―、はそれによって生起される自信の減退や恐怖や嫌悪感の一連の波はアメリカ以外の世界を覆い尽くし、アメリカ国内で世論を二分」

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承前）有名な箇所。「この見地から見ると、新兵器のデモンストレーションが最も優れているかも知れず、それは砂漠か無人島で国際連合すべての代表の眼前で実施するのが最も良いのかも知れない。もしアメリカが世界に向かって、「われわれが保有している兵器がどんなものか分かったと思う。しかし…」

MIZUNO Yoshiyuki　水野義之 @y_mizuno

承前）「…われわれはそれを使わない。われわれはそれを将来にわたって使用することを放棄する用意がある。そしてこの核兵器の使用に関して適切な管理の方法を検討すべく、他の諸国と共同作業に入る用意がある」と云うことができれば、国際協定成立の方向で、可能で最も望ましい雰囲気が醸成できよう」

MIZUNO Yoshiyuki　水野義之 @y_mizuno

原爆の投下という政治的な判断に対して、それを開発した科学者が自ら提案したフランク・レポートの抜粋。1945年6月のこと。まだこの段階では、国際管理に移行することも出来たにも関わらず、結局実現できず、無制限の原水爆開発競争、狂気の冷戦時代へと、人類社会は突入していくことになります。

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承前）原爆について。「これは素晴らしいことに響くかも知れない。しかし核兵器では、われわれは、その破壊力の衝撃度は全く新しい経験だ。そしてその保有がもたらす全くの優位性をフルに活用しようとするなら、私たちは全く新しくて創造力に富む方法論を採用しなければならない。そのような兵器の…」

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承前）原爆の「デモンストレーションを実施した後でなら、日本に対する使用もありうるかも知れない。ただし、国際連合の同意（アメリカ国内世論の賛同も）を得られるならの話だが。その上、日本に降伏を勧める最後通牒を行った後にか、あるいは最低限、全面破壊される目標の地域から退避が行われた後」

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承前）「もし悲観的見解に立って効果的な国際核兵器統制協定の可能性を低く見るものがあれば、その人は早期の段階における日本への原爆使用がより適切と見るようになるだろう。そして人道主義的考察から完全に離れてこの問題を見るようになるだろう。このことは特に強く強調しておかねばならない。」

MIZUNO Yoshiyuki　水野義之 @y_mizuno

承前）「原爆のデモンストレーションの直後にもし国際合意がなされていないとすれば（中略）無期限の核装備レースにおけるフライング・スタートみたいなものだ。もしこのレースが不可避だとしたら、当然できるだけこのレースの開始を遅らせ、レース開始の時点でははるかに先の地点に立とうと考える」

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承前）「早期の段階におけるデモンストレーションを放棄し、他の諸国が（中略）レースに参入する気持ちを挫けさせることは、この国の利益にもかなうことだし、また将来におけるアメリカ人の生命を救う…比較的効率の悪い最初の原爆を日本に対して即座に使用するより、はるかに優れたやり方なのである」

MIZUNO Yoshiyuki　水野義之 @y_mizuno

承前）ところがそうはならなかった。→「最低限云えることは、原爆の使用に賛成であれ反対であれ、この国の最高限の政治的・軍事的指導者層によって慎重に比較考量し決定されねばならないと云うことだ。そしてその決定は単に軍事上の戦術の見地からのみなされてはならない、と言うことだ。」

MIZUNO Yoshiyuki　水野義之 @y_mizuno

承前）「この秘密兵器の開発で主導権を取ってきたのはわれわれ科学者であり、それがいざ使える段階になると、当の科学者が敵に対して使いたがらないと言うのは奇妙なことだ、という指摘があるいはなされるかも知れない。その疑問に対する答えはこうである。」

MIZUNO Yoshiyuki　水野義之 @y_mizuno

承前）「このようなスピードで核兵器開発を急がなくてはならなかったやむにやまれぬ理由は、ドイツが核兵器を開発するのに必要な技術的技能を持っており、彼らは全く人道上の正義からの観点からこの問題を検討せずに、躊躇なく使用しただろうからだ。」

MIZUNO Yoshiyuki　水野義之 @y_mizuno

承前）「また、準備でき次第原爆を使用したいとする側からは、あるいはこの大規模計画に納税者の金を莫大に費やしており、議会やアメリカの世論は費消した金の見返りを要求するだろうという、指摘があるかも知れない。前述の如く、日本に対する毒ガス兵器使用の問題に見られるアメリカの世論の姿勢は」

MIZUNO Yoshiyuki　水野義之 @y_mizuno

承前）（毒ガスへの米国の世論を例に）「絶対に緊急の時にしか使ってはならない兵器が存在するという意見に与するものである。核兵器の力に関する全容がアメリカ国民の前に明らかになれば、そのような兵器の使用を不可能とする全ての企てに支持するだろうことは火を見るより明らかだ。」

MIZUNO Yoshiyuki　水野義之 @y_mizuno

承前）だから欧米社会では、日本に対して米国が行った原爆の被害の膨大さ（予想よりはるかに多かったという事実）が、実は長期間、秘密にされるという経緯をたどるわけですね。このあたりは百科事典（小学館『日本大百科全書』の「原爆投下」という見出し項目）に書いてありました。

MIZUNO Yoshiyuki　水野義之 @y_mizuno

承前）「国際核兵器使用防止協定ができあがれば、現在軍事的使用にのみ特徴づけられている、大規模な爆発物質に関する施設及びその蓄積は、重要な平和利用開発にもすぐ振り向けられる。発電、大規模な工業技術的試み、放射性物質の大量生産などにすぐ転用できる。このようにして…資金は…戻って来る」