加藤哲郎さん講演「反原爆と反原発の間」まとめ

◇「全ての原発の終焉をめざして」講演会  日時 5月26日(土) 午後1時開場、1時半から5時  於 明治大学リバティタワー 1011教室  【第一部】演題 反原爆と反原発の間  講師 加藤哲郎さん 続きを読む
53

(2012/9/22追記)
@pririn_ さんから、ご意見いただきました。
加藤氏はこの講演で、武谷氏のマルクス主義への傾倒が、1950年代当時、左翼も原子力開発に賛同する重要な背景となったと述べているわけですが、そもそも武谷氏がそういう思想を持っていたのか、持っていたとしても加藤氏が部分的引用をつなげて表現したような、単純な発想でいたのかどうか疑問だ、というご意見かと思います。

(以下、ご意見)

こう、句読点で区切って違うセンテンスから文章を作り出しているんですね。こんな引用はちょっと初めてです。これは、引用としてありえるんでしょうか? http://members.jcom.home.ne.jp/katote/marxatom.pdf

引用文の前後があった場合、果たして武谷三男は加藤哲朗が述べたような意図を持って行動した人物だったのでしょうか。つまり、『全てを疑え』ということでしょうか。

加藤氏は共産党、共産主義嫌いなために、(武谷三男がマルクス主義的だったので)貶めようとしているのでは?と思うんです。彼の共産主義批判の文章は多々ネットでもみかけますし。(そっち方面の批判の正当性は、経済学がわからないのでわからないです)

(ご意見引用終わり。詳細はコメント欄をご覧ください)

(9月23日追記)
上のご意見に対して、2人の方から、「1940年代から1952年頃の武谷には確かに技術への楽観があった。しかし50年代半ばには原子力技術を疑問視し始めている」という趣旨のご意見をいただきました。
お一人はコメント欄の@KutaroMichikusaさん、もう一人は@Carnot_1824さんで、こちらのブログをご紹介いただきました。
http://tokyopastpresent.wordpress.com/2012/04/23/戦争直後、核戦争に反対しつつ「原子力の平和利/

ここから本論

ありす @alicewonder113

加藤哲郎さんの話が予想外に面白かった。原発導入は、中曽根や正力の政治的野望、アメリカの反共政策だけではなく、科学者もしくは科学の進歩に期待した者たちのの左翼的夢の結実だというのだ。

2012-05-26 16:08:15
ありす @alicewonder113

1920年のモダニズム雑誌『新青年』:「原子的家庭…そこでは鉄瓶の湯も、凡て原子力で沸かされる。主人や奥様の着物も亦、その力を借りて洗濯する」したがって、下着を毎日洗濯できるようになると書いてあったそうだ。

2012-05-26 17:28:20
ありす @alicewonder113

同じく新青年「原子力の本源と性質」:「戦争と貧乏は無くなり気候は随意に変化さる」「疾病は駆逐され生命は延びる」科学技術の進歩に対する夢と、中曽根のとってきた桁外れにでかい金の威力と、両方に科学者と技術官僚の目が眩んだのだ。

2012-05-26 17:35:11
ありす @alicewonder113

以降、日本の科学技術予算は、まず原子力にガバッと取って、残りをその他で分け合うことになった。

2012-05-26 17:37:31
ありす @alicewonder113

つまり1920年の昔から原子力への夢を、科学者も左翼も持っていた。戦後、実現への道筋が見えて、みな夢中になった。1950年代には、右派社会党、左派社会党、自由党、共産党、すべてが、「反核、しかし原子力平和利用は積極的推進」で一致していた。

2012-05-26 17:42:53
ありす @alicewonder113

おかしいのは、共産党の言い分で、原子力は巨大システムを完璧に動かさないといけなくて、そんなことは独占資本主義には無理で、社会主義なら大丈夫という。

2012-05-26 17:48:14
ありす @alicewonder113

徳田球一『原子爆弾と世界恐慌を語る』:「蒙古でもゴミの砂漠でも、新疆でも、ヨーロッパの文明圏の何倍もあるような不毛の土地が、原子力のおかげで、緑のしたたるような、ゆたかな沃野にかわてっていく」この人の文は句読点の打ち方がリズミカルで心地よいな。ゴビ砂漠の誤植かな。

2012-05-26 17:54:48
ありす @alicewonder113

加藤先生によると徳田は頭はよくなかったそうだ。しかし「今なら荒唐無稽な徳田球一の夢には、それなりの科学的裏付けがあった」「実は当時…武谷三男の理論的裏付けと…民主主義科学者協会自然科学者たちの共産党支持があった」

2012-05-26 18:00:28
ありす @alicewonder113

しかし武谷はソ連が水爆実験に成功するとその威力に驚き、放射能の害に資本主義も社会主義もないとして、推進からは距離を置くことになった。

2012-05-26 18:11:56
ありす @alicewonder113

新左翼黒田寛一「自然の法則を探求し、自然を無限に支配してゆこうとする人類の知性は、ついに原子力の解放に成功した」

2012-05-26 18:17:05
ありす @alicewonder113

まあいまだにこんなにナイーブな原子力観を持つ人はいなかろう。

2012-05-26 18:17:55
ありす @alicewonder113

しかし、1920年の原子力の夢が「下着を毎日洗濯できる」というのは、今考えると何とも言えない気分になる。それほどにみんな貧しかったし、電気もなかったんだなぁと。

2012-05-26 20:23:16
ありす @alicewonder113

「全ての原発の終焉をめざして」講演会は、政治学の加藤哲郎・早稲田大客員教授による講演。大きなテーマは、核利用に軍事も平和もない、核は人類が使ってはならない技術、そこに立ち返ろう、という感じだった。

2012-05-26 20:59:41
ありす @alicewonder113

最初に加藤さんがおっしゃったのは、反原発は日本に地震が多いからとか、たまたま福一事故が起こったからというものではない。原理的に人類は核に手を出してはならないということだと。

2012-05-26 21:01:53
ありす @alicewonder113

私はときどきとても細かくなってしまうのですが…、この場合の核利用は食べ物への放射線照射や医療利用も全部含むんだろうか。X線は関係ないの?

2012-05-26 21:04:07
ありす @alicewonder113

原理的な核利用否定というのは私にはあまりピンと来ない。原子力が他と比べて何が質的に違うのか。やはり、地震発生率が高く大事故の可能性があるとか、被曝労働だとか、廃棄物とか、そういう具体的な問題がないと納得しがたい。

2012-05-26 21:14:35

●この疑問については「原理否定に関するやりとり」として、下にやりとりがあります。

ありす @alicewonder113

(『核絶対否定への歩み』森瀧市郎より) 核は軍事利用であれ平和利用であれ、地球上の人間の生存を否定するものである、と断らざるをえないのであります。結局、核と人類は共存できないのであります。共存できないということは、人類が核を否定するか、核が人類を否定するかよりほかないのであります

2012-05-26 21:18:29
ありす @alicewonder113

このような抽象的な文言では納得しきれない。

2012-05-26 21:18:58
ありす @alicewonder113

これはわかる→「巨大エネルギー、巨大開発、巨大生産、そして巨大消費という形態をとる核時代の産業文明は、いまこそその価値観を一大転換しなければなりません」 http://t.co/5EEKAaou

2012-05-26 21:35:14
ありす @alicewonder113

武谷三男の原子力観は独特だ。「今はまだ人類は原発を利用できるほど進歩していない」という考え方で、この段階を「原子力時代」の手前の「原水爆時代」と呼んでいる。

2012-05-26 21:40:34
ありす @alicewonder113

この、「科学技術は進歩して、いつか人間はどのような課題も乗り越え、どのような技術も使いこなせるようになる」という、人間の理性と能力と善への信仰は、左翼には特徴的なものだという印象がある。

2012-05-26 21:48:39
ありす @alicewonder113

加藤さんご紹介の「Gさんの政経問答ブログ」より仁科芳雄に関する文章:誠実な研究者であり、湯川秀樹や朝永振一郎から頼りにされていたというから、嘘つきだったわけではない。「科学」や「技術」に対する批判精神のない「純粋」な研究者、底抜けの楽天主義者だったのであろう。

2012-05-26 21:57:53
1 ・・ 5 次へ