完璧な人がおかしたミス

一度は経験あるかもしれない試験での残念なお話
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井上純一(希有馬屋)『逆資本論』発売中 @KEUMAYA

月の日本語学校のクラスメートル(月語)にもの凄い美形の韓国人の少年がいる。凄い美少年なのだが、というか、近づきがたいオーラを発してる方&ちょっとコミュニケーションが下手で一人浮いている感じ。誰も話しかけない。

2010-12-08 11:59:42
井上純一(希有馬屋)『逆資本論』発売中 @KEUMAYA

彼はもの凄く真面目な生徒で、毎朝ある単語テストでは毎回100点。月に1回の定期テストでも毎回一位。鉄壁の優等生なのだが、残念ながら読解が弱い。記憶力には優れているのだが、コミュニケーションがとにかく取れないタイプなので、日本語の文法や読解がいまひとつ伸びない。

2010-12-08 12:02:59
井上純一(希有馬屋)『逆資本論』発売中 @KEUMAYA

その真面目すぎる姿勢や、コミュニケーション下手で、美少年にもかかわらず同郷の韓国人の女の子達も話しかけない。孤独な少年なのである。

2010-12-08 12:05:07
井上純一(希有馬屋)『逆資本論』発売中 @KEUMAYA

そんな彼も12月5日に日本語能力試験を受けた。月と同じN2である。

2010-12-08 12:06:00
井上純一(希有馬屋)『逆資本論』発売中 @KEUMAYA

彼はいつも完璧なのだが、その日時計を忘れてしまった。しかし、会場の各大学の教室には時計があるし、試験管が終わる5分前には告知をするはずである。問題はないのだ。

2010-12-08 12:08:20
井上純一(希有馬屋)『逆資本論』発売中 @KEUMAYA

試験が始まった。美少年は真面目かつ几帳面なので、いつも同じ方法で試験に挑む。そのやり方とは、まず問題用紙の方に全部の答えを書き込む。それが全部終わってから、今一度確認しながら答案用紙にそれを写すのである。

2010-12-08 12:10:59
井上純一(希有馬屋)『逆資本論』発売中 @KEUMAYA

問題が一つあった。会場の教室に時計がなかったのだ。しかし、試験管が「終了5分前」という言葉をいってくれれば問題ない。写すだけなら5分で終わるからだ。

2010-12-08 12:12:15
井上純一(希有馬屋)『逆資本論』発売中 @KEUMAYA

そして、彼は全ての問題を解いた。問題用紙に答えは全部書いてある。そしてより答案を完璧にするために、後半の読解から確認しながら答案用紙に写すことにしたのだ。

2010-12-08 12:14:39
井上純一(希有馬屋)『逆資本論』発売中 @KEUMAYA

……そして試験官が口を開いた。「試験終了です。鉛筆を置いてください」

2010-12-08 12:16:10
井上純一(希有馬屋)『逆資本論』発売中 @KEUMAYA

なんと、試験官は「5分前」発言をしてくれなかったのだ!!! 彼の答案は後半の読解の所しか埋まってはいない。彼がいつも完璧な「単語」は、まったくの白紙なのである!!

2010-12-08 12:17:56
井上純一(希有馬屋)『逆資本論』発売中 @KEUMAYA

しかしもうどうにもならない。彼は問題を完璧に解きながら、それを写せなかった答案用紙を回収されてしまった。

2010-12-08 12:18:43
井上純一(希有馬屋)『逆資本論』発売中 @KEUMAYA

ちなみにN2の試験は、総合点で合否が決まるわけではなく、単語は単語、読解は読解で各得点数の下限が決まっている。つまり、白紙の項目がある時点で、彼の不合格は決定した。

2010-12-08 12:20:24