不知火に落ち度はない お正月スペシャル2015 その2

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yamoto @yamoto

いやちょっとまて、いろいろおかしいことに気づいたぞ今。 しばらく前から龍田。 俺 達 の 言 葉 に 対 し て メ ー ル 返 信 し て る よ な ? #不知火に落ち度はない

2015-01-04 23:55:06
yamoto @yamoto

「おい、龍田」 『なにかしらー?』 「お前、今どこにいる?」 『あらあら。気づいちゃったわねー』 「まさかと思うが」 『はーい、貴方の後ろにいるのよー?』 ──!? 振り返るがそこには、何も居ない。 待て、似たようなこと前もあったぞ。 #不知火に落ち度はない

2015-01-05 00:02:02
yamoto @yamoto

「なるほど。つまり、そう思わせておいて前だな?!」 迷わずキック。とりあえず内臓ダメージ入るトゥーキックを遠慮無く。 しかしてそれは空を切り── そっと、胸板に触れる感触。 ぎゃー!? 「つーかまえたー☆」 何もないところから龍田の声! #不知火に落ち度はない

2015-01-05 00:06:39
yamoto @yamoto

「司令!?」 「だめよー、不知火ちゃーん? こういう時下手に動いたらー」 ザクッといっちゃうんだからー☆ その言葉と同時に何かの駆動音がして、すーっと、龍田の両腕とあいつの薙刀の切っ先が現れる。 もちろん切っ先は俺の喉にあたってる。 #不知火に落ち度はない

2015-01-05 00:09:55
yamoto @yamoto

おい、これってもしかして。 「陸軍開発中、91式熱光学迷彩よー?」 さっくり超極秘兵器を引っさげてやってきたのが、この龍田さんであらせられるわけで。 「司令から離れてください、龍田さん」 「あらーこわーい」 お前が怖いわ。ナイフ抜いた不知火より。 #不知火に落ち度はない

2015-01-05 00:12:17
yamoto @yamoto

「不知火、ちょいストップ。お前じゃ勝てん」 「司令、しかし」 「冷静な判断力ねー兵頭提督ー?」 「お前がわざわざ来たってこたぁ、お呼び出しなんだろ」 「それもせいかーい。どうしても二人でお話したいなーって」 やな予感しかしないなー。やだなー。 #不知火に落ち度はない

2015-01-05 00:20:38
yamoto @yamoto

「断ったら?」 「不知火ちゃんが喪服を着ることになりまーす」 やめて龍田。 ドーベルマンが今『殺す』って目したから。 あいつの首輪持ってるの俺だけど俺じゃ止まらんから。 「ちなみに忙殺といって、忙しさで死にまーす」 わー、その死に方ってざんしーん。 #不知火に落ち度はない

2015-01-05 00:23:46
yamoto @yamoto

「そういう有無をいわさない手段使う龍田は嫌いだなー?」 「あらー。じゃあどんなのだったらいいー?」 よし、会話の流れを取り戻した。 「なあに、今すけすけパンツってだけでいいぞ」 「あらあらー。すけべー」 ぐりぐりされちゃったよ。 薙刀の柄で。 #不知火に落ち度はない

2015-01-05 00:27:24
yamoto @yamoto

それで毒気が抜けたのか、不知火もため息を付いて席に座り直した。 「司令。つまりこれから龍田さんと遊びに行く、ということでしょうか」 「断れねえじゃんこれ」 「お早めにお戻りください。不知火の堪忍袋の緒が切れる前に」 うん。相当来てるのはわかる。 #不知火に落ち度はない

2015-01-05 00:32:24
yamoto @yamoto

「ナイロンザイルに換装を推奨する」 「あらー。山登りに最適ねー。ヒマラヤー?」 煽るな頼むから。 爪噛みだしたから相当ストレスあがってるから! チョコケーキといちごタルトの出番じゃたりねえから!! 「じゃ、行ってくる」 「ごゆっくりどうぞ」 #不知火に落ち度はない

2015-01-05 00:33:51
yamoto @yamoto

「じゃあ、エスコートしてくれるかしらー。司令ー?」 手を差し出す龍田。 俺はその手を握る。 #不知火に落ち度はない YAMOTODOU-RAKUGAKI-iti presents "siranui-ni-otidohanai”series

2015-01-05 00:42:35
yamoto @yamoto

「この地図の場所に何がある?」 「お忘れですかー。でもしょうがないかもー?」 #不知火に落ち度はない Cast: Tatsuta(Light Cruiser) Kazunari-hyodo(Bad Admiral)

2015-01-05 00:52:19
yamoto @yamoto

「ん? 覚えはあるんだがなー」 「あら、このラジオー。気が利いてるわねー」 #不知火に落ち度はない "siranui-ni-otidohanai”series Another Story 〈OuterHeavens Side〉

2015-01-05 01:06:15
yamoto @yamoto

「ちょっと昔あった曲よー」 「なんだっけ、これ」 「マイク・オールドフィールドのー」 #不知火に落ち度はない Scenario Name As...

2015-01-05 01:08:18
yamoto @yamoto

「ニュークリアーよ」 龍田がそっと、目を細める。 気付かなかったがこいつは。 喪服を着ていた。 #不知火に落ち度はない "Nuclear”

2015-01-05 01:09:37
yamoto @yamoto

軍用車で乗り付けた先──そこは。 ああ、そうか。 道理で覚えのある場所のはずだ。 ここは龍田の始まりの地。 「軽巡」龍田の終わりの地。 錆に侵食され、建物は風化し、ガラスの割れた、立入禁止となった場所。 かつて龍田の所属していた、基地だった。 #不知火に落ち度はない

2015-01-05 01:18:48
yamoto @yamoto

蔦に覆われた、その錆びた門扉を見て、龍田は肩をすくめた。 「本当に立入禁止になっちゃったのねー。子供が入って遊び場にしてると思ったのにー」 ばかいえ。 誰も入れるか。 あの時の龍田の事件を知ってりゃ、絶対に近づかない。 そう。絶対にだ。 #不知火に落ち度はない

2015-01-05 01:25:05
yamoto @yamoto

「開けてくれますー?兵頭提督ー」 「力仕事役かよ。お前のほうが力あんじゃねえの?」 「あらー、女の子にひどーい」 ええい。しなをつくるでない。 「それに私はこれがあるからー」 龍田が手に持ったものを見せる。 ちっ。 「しかたねえな。やってやる」 #不知火に落ち度はない

2015-01-05 01:26:31
yamoto @yamoto

その手に持ったものは、クリスマスリリーとダイヤモンドリリーの花束。 花言葉は追憶と──再生。 嫌味なぐらいに死者に手向ける花だったから。 いつのまにか龍田は、帽子まで喪服のものに変わっていた。 いつもの腹黒ピエロは、そこにいなかった。 #不知火に落ち度はない

2015-01-05 01:34:26
yamoto @yamoto

ざりざりとと錆びた音を立てて、門扉は開放される。 龍田は先に進み、俺はその後を追う。 手に赤錆が付いて、まるで血まみれにでもなったような色になってやがる。 やっぱここ、だめだろ。 ホラースポット認定だろ。 今が昼間でよかったぜ。 #不知火に落ち度はない

2015-01-05 01:37:02
yamoto @yamoto

「すっかり荒れ果てちゃったのねー」 「まあな。人が居なくても植物は生えてくる。見ろよ」 アスファルトは割れ、そこから草木が顔を出している。 ほんの数年程度で、誰も通らなければこうなることも、ままあるのだ。 そう、ほんの数年程度。 #不知火に落ち度はない

2015-01-05 01:41:49
yamoto @yamoto

その程度の時間で、龍田は。 この地を離れた後、洋上に要塞を作り、アウターヘブンの司令官となった。 今では誰も逆らうことのできぬほどの、一大勢力へと。 艦娘たちの楽園、そこを指揮するものへと変わったのだ。 任務で共に行動した日が、懐かしくあった。 #不知火に落ち度はない

2015-01-05 01:43:47
yamoto @yamoto

当時龍田は俺とは距離を置いていて、コイツの姉である天龍と仲が良かった。 任務の外側でウチの工廠課ん中で、武器談義をしたり。 戦術ではなく、戦法を教え合ったり。 ご近所さんのよしみだな、それは。 気のいいやつだった。天龍は。 #不知火に落ち度はない

2015-01-05 01:45:48
yamoto @yamoto

ただ、二人に運はなかった。 ここの基地の提督は、残念ながら極めつけの無能だった。 自分の指揮能力と、天龍・龍田姉妹の戦力を同じものと考えてしまった。 さらに艦娘を「消耗しないもの」と考えていた。 足を進めながら、そんなことをふと思い出す。 #不知火に落ち度はない

2015-01-05 01:47:38
yamoto @yamoto

結果、消耗状態での出撃が相次ぎ、こっちの基地で休ませる、なんてことも多々あった。 抗議? もちろんしたさ。 本人にも、上にも。更に言うならその上にも。 ただ、当時この近辺は「それもやむなし」なんていう話がまかり通る程度に、戦力が足りてなかった。 #不知火に落ち度はない

2015-01-05 01:50:35
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