ニンジャスレイヤー二次創作【ジャスト・レップウ・ブロウイング】#5

【これまでのあらすじ】アイアン・ハリネズミ・ヤクザクランが突如襲撃される!事務所に向かったレップウの前に立ちはだかるは、恐るべきニンジャ、ジュクレンシャだった…!
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鹿奈しかな a.k.a SS @RiverInWestern

…そのままレップウは闇夜へと消えた。19 #4215tk

2015-01-09 21:20:12
鹿奈しかな a.k.a SS @RiverInWestern

…デッドフェニックス・クランの襲撃からどれだけの日が過ぎたか。レップウはネオサイタマ郊外の廃ビルの中にいた。傍らには、新調したカタナと丁寧に積み上げられたスシ・パックの空き箱がある。彼はアグラ・メディテーションをしていた。21 #4215tk

2015-01-09 21:22:13
鹿奈しかな a.k.a SS @RiverInWestern

彼は思い返していた。あの時の敗北を。その時に意図せずして成し遂げた、ソニック・カラテを己のイアイ・ドーに合わせたあの技を。あの時はヤバレカバレだった。いかにして成し遂げた?思い出さねばならぬ。そして、高めねばならぬ!己のために!22 #4215tk

2015-01-09 21:24:16
鹿奈しかな a.k.a SS @RiverInWestern

警戒していたデッドフェニックス・クランの追撃も、今に至るまで気配がない。たかが一人のニンジャを追うほど、彼らは暇ではないのかもしれない。(恐るべき手練れだった)レップウはジュクレンシャのイアイを思い出す。(それに加え、あのカタナ!)23 #4215tk

2015-01-09 21:26:27
鹿奈しかな a.k.a SS @RiverInWestern

単なる無銘のカタナではあるまい。名の知れた刀匠の手によるものだろう。無論、得物の差だけが自分の敗北を導いたわけではない。しかし、巷で簡単に手に入るカタナでは、あのカタナによる一撃に耐えきれないのもまた事実。カタナを失えばイアイはできぬ。24 #4215tk

2015-01-09 21:28:03
鹿奈しかな a.k.a SS @RiverInWestern

(だからこそ、俺はあの夜の一撃を再現せねばならぬ)レップウはカタナを手に取る。(それができれば、少なくともカタナを折られるブザマを晒すことはない)彼はカタナを水平に構えた。そして精神を集中させる。(なぜあのような真似ができた?)25 #4215tk

2015-01-09 21:30:14
鹿奈しかな a.k.a SS @RiverInWestern

(…イアイ・ドーの真髄を思い出せ。イアイ・ドー即ちカタナ。己のカラテをカタナに注ぎ、己をカタナにする)その時、レップウは目を開いた。(己をカタナに。言い換えれば、カタナを己として扱うということ。そして、ソニック・カラテは…)26 #4215tk

2015-01-09 21:32:10
鹿奈しかな a.k.a SS @RiverInWestern

レップウの思考はそこで中断された。気配を感じたからだ。ニンジャの気配を。彼は立ち上がる。取り壊された窓の外側に、藍色装束のニンジャがいた。ザゼンしている。レップウは目を見張った。藍色ニンジャは、宙に浮かんでいる。キネシスか?…否!27 #4215tk

2015-01-09 21:34:05
鹿奈しかな a.k.a SS @RiverInWestern

(…泡!?)レップウはわずかな月光から藍色ニンジャの浮遊の秘密を見抜く。そのニンジャは、大きな泡に包まれているのだ!「イヤーッ!」藍色ニンジャのカラテ・シャウトとともに泡が弾ける!それと同時に藍色ニンジャが廃ビルに突入!28 #4215tk

2015-01-09 21:36:17
鹿奈しかな a.k.a SS @RiverInWestern

藍色ニンジャはレップウとタタミ5枚分の距離に着地!その背後で弾けた飛沫が無数の小さな泡となり、ニンジャの全身を覆う!「ドーモ、はじめまして。レップウ=サン」超自然のバブル・アーマーに身を包んだニンジャがアイサツを繰り出す!「アマクダリ・セクトのウタカタです」29 #4215tk

2015-01-09 21:38:21
鹿奈しかな a.k.a SS @RiverInWestern

「…ドーモ。はじめまして、ウタカタ=サン。レップウです」レップウは相手を見据えたままアイサツを返す。そしてカタナを構えた。「アマクダリが俺に何の用だ」「そう殺気立たないでいただきたい」慇懃な態度で、ウタカタはマッタのポーズをとった。30 #4215tk

2015-01-09 21:40:03
鹿奈しかな a.k.a SS @RiverInWestern

「私はイクサをしに来たわけではない…今のところは」その言い分に、レップウは眉をひそめる。「今のところは、か。ではまず要件を伺おう」「あなたのスカウトだ、レップウ=サン」ウタカタは事も無げに言った。「アマクダリ・セクトに協力してもらいたい」31 #4215tk

2015-01-09 21:42:05
鹿奈しかな a.k.a SS @RiverInWestern

「我々はあなたの実力を把握している」訝しむレップウに構うことなく、ウタカタは一方的に喋り続ける。「ホプロマキ=サンを始め、数々のニンジャとのイクサに勝利してこられた。実に素晴らしい」「つい先日、負けたばかりだ」「だが生きている」32 #4215tk

2015-01-09 21:44:04
鹿奈しかな a.k.a SS @RiverInWestern

渋い顔をするレップウを見て、ウタカタが含み笑いを漏らした。「それほどの実力と状況判断力を持つニンジャをフリーにしておくのは惜しい。上層部はそう判断した」「アマクダリとやらで俺は何をすればいい」「ヨージンボと同じだ。不穏な動きを見せるニンジャの殺害」33 #4215tk

2015-01-09 21:46:06
鹿奈しかな a.k.a SS @RiverInWestern

レップウは思案する。ややあって、彼は口を開いた。「…一つ質問がある」「なんだ?」「アマクダリのニンジャの質は如何程かね?」ウタカタはやや面食らったようだった。「如何程だと?市井のニンジャは相手にならぬほどの実力者揃いよ」「成る程」34 #4215tk

2015-01-09 21:48:05
鹿奈しかな a.k.a SS @RiverInWestern

「アマクダリはニンジャ専用のカラテ・トレーニングカリキュラムと施設を保有している。故に」「断る」「カラテの腕前も…なんだと?」「断る、と言った」レップウは不敵に笑った。そしてカタナを構える。「貴方らとイクサをするには、それしかあるまい」35 #4215tk

2015-01-09 21:50:05
鹿奈しかな a.k.a SS @RiverInWestern

「…正気か、レップウ=サン」ウタカタが不愉快げに眼を細める。「イクサならばアマクダリでもできるのだぞ!」「俺は強者と戦いたいのだ。ウタカタ=サン」それが最後通告だった。ウタカタが小さく息を吐き、ジュー・ジツを構えた。「ならば貴様は今からアマクダリの獲物だ」36 #4215tk

2015-01-09 21:52:05
鹿奈しかな a.k.a SS @RiverInWestern

「イヤーッ!」パァンッ!奇妙な破裂音とともにウタカタが急加速、ワン・インチ距離に迫る!「イヤーッ!」レップウはイアイを放つ!カタナはウタカタの首を狙う!ウタカタはそれを左腕でガード!カタナはウタカタの腕を切断…できず!37 #4215tk

2015-01-09 21:54:28
鹿奈しかな a.k.a SS @RiverInWestern

「私のバブルアーマーを甘く見てもらっては困るな」ウタカタが笑みを浮かべる。ALAS!レップウのカタナはウタカタが纏った小さな泡の集合体に阻まれているのだ!「ヌゥーッ!?」「カラテ・バブルを見るのは初めてか?まあ、このような使い方をするのは私ぐらいだろうが」38 #4215tk

2015-01-09 21:56:06
鹿奈しかな a.k.a SS @RiverInWestern

そしてカラテ・バブルは…イヤーッ!」ウタカタのシャウトと同時に、レップウのカタナが押し返され始める!しかし、ウタカタは腕に力を込めた様子すらない。ではどうやって?…カラテ・バブルだ!彼の纏ったカラテ・バブルの一つが突如膨張を開始!そして…パァン!39 #4215tk

2015-01-09 21:58:11
鹿奈しかな a.k.a SS @RiverInWestern

「グワーッ!」カラテ・バブルが破裂!レップウはカタナを弾かれ、大きく態勢を崩す。ウタカタが拳を構えた。「このようなこともできる。イヤーッ!」パァン!肘のカラテ・バブルが膨張、破裂!その勢いを利用したパンチがレップウを直撃する!「グワーッ!」40 #4215tk

2015-01-09 22:00:10
鹿奈しかな a.k.a SS @RiverInWestern

レップウが吹き飛ばされる!彼は空中で、牽制のソニック・パンチを放った。ウタカタは防御する素振りすら見せぬ!衝撃波が直撃し、泡が散る!「無駄だ」ウタカタが嘲るように言う。その言葉通り、散ったはずのカラテ・バブルが再び集結し鎧に!フシギ!41 #4215tk

2015-01-09 22:02:13
鹿奈しかな a.k.a SS @RiverInWestern

着地し、再び構えるレップウ。ウタカタは腕組みをする。「確かに噂通りの実力。が、私には勝てぬ。貴様には精々私の昇進の礎となってもらうとしよう」レップウは答えなかった。彼は血混じりの唾を吐き捨て、眼前にカタナを水平に構えた。そして、刀身を撫でるように左手を動かす。42 #4215tk

2015-01-09 22:04:08
鹿奈しかな a.k.a SS @RiverInWestern

…(なんだ?)ウタカタは訝しむ。相手の動きの意図が見えぬ。レップウの表情からして、極度に集中しているのは間違いない。なんらかのジツか。(小賢しい真似を)彼は両手を前に突き出し「イヤーッ!」カラテ・バブルを放出!リスクマネジメントを重点しての判断だ!43 #4215tk

2015-01-09 22:06:05