妖怪ウォッチ18禁【目に見えるは熱き灯】

元から妖怪好き・モンスター好きだったので少し前までノータッチ状態だった妖怪ウォッチの沼にどっぷりハマりました。異種姦ネタがかなり少ないように感じたので自給自足です。異種姦・及びオリジナルキャラと設定にご注意ください。/ピクシブ投稿の際改訂を予定しております。改訂→http://www.pixiv.net/novel/show.php?id=4773224
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みなみ @minarudhia

(---見鬼、ですな)聞き覚えのない言葉に私は目を瞬かせた。けんき?何それ?そんな問いに、目の前のお坊様は父に向かって答えてくれた。(この子には妖怪を見る力が備わっておる。大変な力を持たれましたな)(妖怪…ですか)父の声は上擦っていた。

2015-01-02 02:06:13
みなみ @minarudhia

(妖怪だなんて…今の時代にそんなもの)(わかっておる。じゃがこれは事実)お坊様の手が私の頭をそっと撫でた。(この力は、隠しておきなさい。それがこの子には幸せだ)私は顔を上げ、お坊様を見つめた。逆光を浴びて眩しく光る頭。その表情は穏やかだった。

2015-01-02 02:09:38
みなみ @minarudhia

妖怪ウォッチ18禁SS【目に見えるは熱き灯】

2015-01-02 02:10:53
みなみ @minarudhia

「---え、--奈。秋奈!」語気を強めた声に私ははっと顔を上げた。今働いているオフィスビルの隅で、いつもと同じくデスクワークに勤しんでいた私に声をかけたのは同僚の片岡早苗だった。「秋奈、書類のチェックをお願いできる?部長から直すよう言われたんだけど、自信なくって」

2015-01-02 02:15:12
みなみ @minarudhia

「わかった、ちょっとだけよ」私は早苗から差し出された書類に目を通すため、受け取る手を伸ばす。「それで秋奈、例のアレなんだけど…」早苗が私の耳元に口を寄せる。「アッカンベーカリーで新発売されたってパン、秋奈買えない?」「買えないって、タイムシフト変わったの?」「まあね」

2015-01-02 02:19:18
みなみ @minarudhia

私は早苗と、さくらニュータウンにあるパン屋へ新しく発売されたパンを買う約束をしていた。あそこのパン、すごく美味しいのよね。とろけるクリームが美味しいクリームパンに職人がこだわり抜いて作ったカレーパン。開店前に列が殺到するほどの超人気商品なんだ。

2015-01-02 02:22:09
みなみ @minarudhia

二人して家がアッカンベーカリーに近いこともあって、今度の休日に二人先だって新発売されたパンをゲットするために列ぼうと計画していたのだ。「予定変わったんじゃ仕方ないなあ」「というわけで秋奈、お願い!」「…いいよ。はい、書類」「ありがとう!」

2015-01-02 02:24:47
みなみ @minarudhia

書類のチェックを終えて渡すと、早苗は部長の元へと向かい…「………あ……」私は、部長の背後にいるものに眉をひそめた。部長の小柄な背中に取り付いたそれは、大きな蚊のような虫。……そう、虫。そしてそいつに憑かれた部長は、早苗の書類に目を通すのがやっとなくらいに落ち込んでいるようだった。

2015-01-02 02:28:12
みなみ @minarudhia

…そもそも。部長に憑いてる虫だけじゃない。向かいのデスクにいる同僚の足元で小柄な老人が少しだらしない風体で涎を垂らし。隣の会議室で今行われているプレゼンテーションの司会者の脇には、赤い鱗の大蛇が尾先に巻き付けた宮司の扇を持ちとぐろを巻いている。

2015-01-02 02:33:23
みなみ @minarudhia

それら全部が、会社で働く人間全ての目には、見えない。私の目には見えても、皆の目には見えない。彼らは、妖怪なのだ。

2015-01-02 02:34:43
みなみ @minarudhia

…私の名は坂口秋奈。このオフィスでOLとして働くこと5年が経つ。幸い、私が妖怪を見る力を持つことを知っている人間はいない。…知っていた人間は、数年前に亡くなった。

2015-01-02 02:37:17
みなみ @minarudhia

私の力が何であるかを知る一人だったお寺のお坊様が言うに、私には生れつき妖怪を見ることのできる力があるらしい。けれど、それは必ず隠しておくべきものだというお坊様の言い付けを守ってきた。たまに私の力に気づいた妖怪に絡まれたりするが、どうにか23年ここまでやってこれた。

2015-01-02 02:40:29
みなみ @minarudhia

妖怪が見えるなんて話しても誰も信じない。まして、彼らがどこにでもいるなんて。でも、妖怪達の方は、私のような人間が気になるみたい。さっきも、オフィスで働くイケメンの同僚に憑いた桃色髪の青年に似た妖怪からウインクされてきたところだ。…憑かれた本人は気づかないけど。

2015-01-02 02:44:05
みなみ @minarudhia

「すっかり遅くなっちゃったな」仕事からあがったのが夜21時。早苗は他の同僚と待ち合わせをするというので、先に帰ることになった。ビルを出ると潮風の香りが鼻にくすぐったい。夜のさざなみ公園はとっても静かで、デートか釣りする人くらいしかこの時間にはいない。…いいなあ。

2015-01-03 01:29:27
みなみ @minarudhia

私にも、そんな人できたらなあ…そんなことを考えてしまう。でも今のところいい人が見つからないというか、この人いいなって思ってそのまま終わってしまうことが多い。あの桃色髪の青年のような妖怪に憑かれたイケメンの同僚もそうだ。…モテモテすぎるのがあの妖怪のせいだと知ったのは最近だけど。

2015-01-03 01:32:43
みなみ @minarudhia

そんな事を考えながら私は夜の道を急いだ。さくらニュータウンは隣だから歩いた方が早い。たまに、段々坂のこひなた駅から電車で経由する人はいるけど。途中モグモグバーガーへ寄ってハンバーガーを始め諸々の食べ物買った後、また道を私は走る。桜中央駅のホームを通り過ぎ、塾通りまで来て私は左へ。

2015-01-03 01:36:45
みなみ @minarudhia

学生塾のすぐ近くに細道があって、塾通いの学生達はよくその道を使っている。私の急ぎの帰りにいつも使う近道だ。しかしその道を使おうという判断が、今日ばかりは私のアダになろうとは。「おい、見ろよ」通路の向こう側に見える数人の人影。たまに妖怪達だったりすることもあるけど、あれは人間だ。

2015-01-03 01:41:32
みなみ @minarudhia

数人の男…見かけからして大学生くらい。それが足早に私の方へ詰め寄ってくる。「あ、あなた達は何?」「お姉さん俺達と遊ばない?」…なんというか、お決まりのパターンだ。私は踵を返す。学生塾の近くに交番があったはず…!「逃げんなって」「ヒロ、逃がすなよ」

2015-01-03 01:45:43
みなみ @minarudhia

通路を出ようとした所へ、横から割り込むように飛びついてきたパーカーの学生。「くっ…この!」片手を振り回してバッグをパーカーの脇腹にぶつける。「いっつ!」「ナメな…ああっ!」パーカーと格闘している間に追いついてきた手が私に伸びる。そして私は人気のない通路へ引き込まれた。「離して!」

2015-01-03 01:49:57
みなみ @minarudhia

学生達の手が乱暴に私のスーツを脱がそうとしてくる。そのうち一人の手がブラウス越しに胸を揉んできた。痛い。口を塞がれ、数人がかりで押さえ付けられて私はどうすることもできない。誰かがここへ来ない限り、交番に助けを呼ぶこともできない。「柔らけぇ!」下卑た笑い声に怒りを覚えた。

2015-01-03 01:54:25
みなみ @minarudhia

(もう、誰でもいいから、助けて…!)スカートすら下に落とされ、スキャンティーとストッキングがあらわになった状態。目に涙を浮かべ、耐えるしかない私の耳に叫び声が届いた。「心配ないゾ!今助けてやるからナ!!メラメラァ!!」……どう考えてもこんな内容は想定してなかった。

2015-01-03 02:03:44
みなみ @minarudhia

私を押さえ付けていた学生達が一斉に飛びのいたのはその叫び声の直後だ。「あ、熱ィ!!」「な、なんで火がっ!?」「おい、誰か間違ってライターでも着けたかっ?」彼らの服が燃えだし、焦げ臭い匂いが辺りに漂いだす。「なんだ、この匂い!?」「私が見てくる!」交番側の通路へ駆け足で誰が来る。

2015-01-03 02:07:52
みなみ @minarudhia

助かった!駆け付けてきたのは一人のお巡りだ。「!そこの君達、一体何をしている!!」「やべっ、サツだ!」慌てて逃げ出す学生達だけど…。「メラァ!」再び叫び…いや、気合いと言っていいのか。学生達の足元で小さく火花が弾けたのが見えた。

2015-01-03 02:11:59
みなみ @minarudhia

火花の炸裂で転げた彼らを後から来た一人と一緒にお巡りが押さえ付けた。その間にまだ私と同い年くらいの女性のお巡りさんが駆け寄って、あれこれ気遣ってくれた。「大丈夫ですか!?」「え、あ、はい…」スーツとスカートを直し、私は改めて周囲を見回す。助けてくれたのは間違いなく、妖怪。

2015-01-03 02:16:37
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