色紙芝居 ~紙男のツイノベまとめ~

わたくし紙男(@paperman104)が発信しているツイッターノベル(#twnovel)のまとめです。作品数は19年8月現在で2000以上。ちょっと不思議なストーリーのものが多いです。日々のちょっとした合間にどうぞお楽しみください(#^^#)
1
前へ 1 ・・ 93 94 96 次へ
紙男 @paperman104

好きな人がいた。睫毛が長い人だった。あの思いを伝えられなかったことが、いまだ悔しい。数年ぶりに再会したその人は、やっぱり睫毛が長かったけど、同性になっていた。冗談混じりに当時の思いを伝えたら、向こうも同じ気持ちだった。あの時以上に仲良くなれたことが、すごく嬉しい。#twnovel

2014-12-15 10:20:11
紙男 @paperman104

少年は機械人形の腕に抱かれた。彼女からは体温も胸の鼓動も感じないのに、少年は彼女に安らぎを覚え、悲しみの涙を流した。機械人形は少年を抱き締めた。このようなプログラムは自分にはないはずなのに、彼女は少年に慈しみを覚え、癒しの歌を歌った。#twnovel

2014-12-14 11:03:20
紙男 @paperman104

貴方ってホントにダメなひと。朝は一人で起きれないし、靴紐は結べないし、よく忘れ物する。そのくせ虫に好かれるからますます困っちゃう。私は今日も、殺虫して、貴方にお薬を塗ってあげた。けど貴方はいまだに私の「こうい」に気づいてない。貴方ってホントにダメなひと(笑)。#twnovel

2014-12-13 12:15:32
紙男 @paperman104

旅の途中、幸福のハンカチを売り巡る少女と出会った。少女は購入を強く迫ったが、僕はそれを丁重に断った。すると、行く先々で大量のハンカチが風に靡く光景を目にした。仕方なく町の商人から倍の値でハンカチを買うと、以降それを見ることはなかった。幸福はいまだ訪れない。#twnovel

2014-12-12 07:22:01
紙男 @paperman104

幼馴染「なぁ、いい加減機嫌治せよ」 わたし「…」 幼馴染「女子といたことが気に食わないのか?」 わたし「……」 幼馴染「仕方ないだろ、委員会の仕事片付けてたんだから。別に何もなかったって」 わたし「………」 幼馴染「…取り敢えず、焼き餅焦げてるぞ」#twnovel

2014-12-11 10:04:04
紙男 @paperman104

それが悪夢だったならどんなに良かったであろう。初かくれんぼの少年は、自分が鬼にも関わらず隠れた。近くにいた少女が注意していると誰の「もーいーかい?」が聞こえ、「もーいーよー」と続く。不審に思った二人は声の主を探したが、見つかったのは友人たちの惨死体だけだった。#twnovel

2014-12-10 06:52:54
紙男 @paperman104

男が旅館の掛軸を捲ると、妙なシミがあった。着物姿のうら若い女に見えるそれは「助けて、助けて」と泣いていた。彼女はここの元仲居で、女将たちの陰湿なイジメに耐えきれず、壁に逃げ込んだそうだ。翌日、男は壁をくり貫き、彼女と共に宿を出た。暫くして、壁のシミは綺麗に消えた。#twnovel

2014-12-09 10:25:30
紙男 @paperman104

青空には巨大な穴が空いている。宇宙虫が穿った穴だ。穴からは人類にとって有害な宇宙線が大量に通過する。ゆえに人類は巨大な日傘を建設し、その元での生活を余儀なくされた。青空を知らない子供達の笑顔は、大人達にはいつも曇っているように思えた。#twnovel

2014-12-08 10:42:24
紙男 @paperman104

人を安眠へと誘うための時計。それが「微睡み時計」です。設定した時刻になると、心地よい曲が流れ、聞いた方に眠気を起こさせます。グズる赤ん坊にも夜の帝王にも不眠症に悩む方にも効果覿面!是非一度、お試しを。※就寝中のご利用はお止め下さい。稀に目覚めなくことがあります。#twnovel

2014-12-07 11:28:27
紙男 @paperman104

あの子の噛み癖はマジで異常ねぇ。小耳に挟んだんだけど、とうとう彼氏にも噛みついたらしいよ?あれでモテるのがマジ謎ぉ。猫被ってるからに決まってるじゃん。今に化けの皮剥がれるわよ。 毒蛇たちの女子会はまだまだ続く…。#twnovel

2014-12-06 08:41:22
紙男 @paperman104

本日紹介するのはこちら!「ポーカーフェイスクリーム」!!適量お顔に塗り込んで頂くだけで誰からも表情を読まれなくなる夢の商品でございます!プロチェスプレイヤーのAさんもご愛顧のこのクリーム!是非一度お試しあれ!! その高電圧な司会者の表情は終始1mmも崩れなかった。#twnovel

2014-12-05 06:47:25
紙男 @paperman104

みな、僕を自由気ままな奴だと思ってる。ホントはそんなこと毛等もない。いつだってぬくもりに飢えている。夕暮れ時はひとしおだ。早く君に帰って来てほしくて、いつも泣きたくなる。ドアが開く音が聞こえる。僕はすぐに君の胸に飛び込んだ!「ただいまミー君。いい子にしてた?」#twnovel

2014-12-04 11:03:03
紙男 @paperman104

「お前、ホントはケーキの妖精なんだろ?」走行中の車内で、彼はポツリとそんなことを言った。「冗談でしょ」と私ははぐらかす。「真っ赤な髪に真っ白な身体、何よりこの脆くて壊れやすい乙女心。どこがケーキだって言うの?」「製菓工場を見る度に『懐かしい』って言ってるからだよ」#twnovel

2014-12-03 07:27:32
紙男 @paperman104

小さい頃は神様がいて、不思議な夢を叶えてくれた。大きくなった私にはもう、神様は何も叶えてくれない。どんなに祈っても、どんなに尽くしても。でも神様は最後に、優しく教えてくれた。『これからは貴女の力で夢を叶えなさい。その夢は、今までに見たどんな夢よりも素敵に見えるわ』#twnovel

2014-12-02 22:49:52
紙男 @paperman104

『その後、彼の姿を見た者はいない』清々しい青空を背景に、そんな陳腐な言葉で映画は締め括られた。三流映画かよ、と苦笑しながらも涙は止まらなかった。急に心細くなったからだ。ここは走馬灯映画館。俺は一人きりの客席で、拍手をする。そして、エンドロールも終わった。#twnovel

2014-12-02 06:58:24
紙男 @paperman104

爛漫と花が咲き誇っていたあの日。埃臭さの中に微かにシャンプーの薫りがしたあの場所。いまだすっかすかな音しか出なかったあのクラリネット。それを馬鹿にした途端に走り抜けたあの衝撃。そこから折々に紡がれてゆく沢山の甘酸っぱい想い出。今までありがとう。どうぞ安らかに…。#twnovel

2014-12-01 11:14:16
紙男 @paperman104

明け方、コンコンと窓が鳴る音で、女は目を覚ました。渋々カーテンを開けると、窓辺にいた一羽の青い鳥が途端に飛び立った。女は、良い報せが来るのではと少し高揚し、ベッドで眠る男に微笑む。その日の昼、青い鳥を探し出ていった旦那の訃報が届いた。女は2つの式の準備に追われた。#twnovel

2014-11-30 09:12:34
紙男 @paperman104

甘党な彼に明ら様な嘘を話した。「今日は晴れ時々飴だって」と。すると彼は勢いよく外に飛び出す。そして雨傘を逆さまにし、飴が降るのをじっと待った。日が暮れてようやく、彼は戻ってきた。彼は頬を飴玉のように丸く膨らませ、言う。「これだから天気予報は宛にならない」#twnovel

2014-11-29 09:41:16
紙男 @paperman104

辺りから香る美味しそうな匂いを、僕は曇り空を見て誤魔化す。でも腹の虫は一向に鳴り止まない。その時、トンと机に箱が置かれる。目の前にはクラスメイトの女子が凛と立っていた。彼女は「これあげる」とだけ言って、女子の輪に戻った。皆のヒソヒソ声は、僕の腹の音にかき消された。#twnovel

2014-11-28 07:44:19
紙男 @paperman104

@paperman104 男子生徒「○○さんみたいな美人さんにお弁当作って来て貰えたら幸せ過ぎますよ。な?」 幼馴染「あ、あぁ」 わたし「…丁度余計にあるから、召し上がってもよろしくってよ?」 男子生徒(ご機嫌取りも楽しいだろ?) 幼馴染(付け上がるのは御免だぞ)#twnovel

2014-11-27 09:21:31
紙男 @paperman104

幼馴染「やっと四限目終わったー」 わたし「…ねぇ」 幼馴染「ん、どうした?弁当箱2つも持って」 わたし「こ、これは…その…」 幼馴染「お前の食い意地も遂にそこまで来たのか」 わたし「っ!もういいわ!ごきげんよう!」 男子生徒「お前ってホント馬鹿だな」 幼馴染「?」#twnovel

2014-11-27 09:19:41
紙男 @paperman104

白い花の中に横たわるあなたを見て、悲しみ以上の苦しい気持ちが込み上げてくる。そして、この気持ちに気づくのがあまりにも遅すぎたと、やはり涙を流す。人生80年、どの面を切り取ってもあなたがいるのに、この世にはもうあなたはいない。#twnovel

2014-11-26 06:57:33
紙男 @paperman104

その内大きくなると言われ続けたが、結局これ以上背は伸びなかった。小さいことを馬鹿にされたくない為に沢山大人の真似をしたが、それを含め馬鹿にされた。でも今では、これは個性だと思ってる。彼とキスする時、私は必死に背伸びする。小柄な彼にこれができるのは、きっと私だけだ。#twnovel

2014-11-25 06:32:25
紙男 @paperman104

「ほら、あの『葉っぱのフレディ』のダニエルも言ってるじゃないか。『変わることは自然なことだ』って。だから、君への愛があの子に移り変わるのも、自然なことなんだよ」 「じゃあ、貴方への愛が憎しみに変わっても、文句はないわね?」#twnovel

2014-11-24 08:49:56
紙男 @paperman104

この「不幸の御守り」は、身に付けると不幸に見舞われてしまう代物である。「これを憎いアイツに!」と思い、お受けする者が後をたたない。が、相手に渡す前に自身が不幸に見舞われ、渡せない場合が専らだ。もし渡したいなら、相手にお受けさせるか、境内で渡さなければならない。#twnovel

2014-11-23 07:22:50
前へ 1 ・・ 93 94 96 次へ