After France's 9/11 by Toru Kumagai

熊谷　徹 @ToruKumagai

パリで今日午前に発生した凶悪なテロ事件は、フランスだけでなく欧州全体に強い衝撃を与えた。風刺新聞「Charlie Hebdo」の編集部に３人のテロリストが乱入して、カラシニコフ自動小銃でイラストレーターら１２人を射殺したのだ。

熊谷　徹 @ToruKumagai

。（私は、兵庫県西宮市の朝日新聞社阪神支局で小尻記者が極右のテロリストに射殺された事件を思い出した。私は、小尻記者と同じ記者クラブに属していた。当時朝日新聞社の記者たちは、泣きながら取材していた。この事件はいまだに解決されていない）

熊谷　徹 @ToruKumagai

パリのテロ事件は単独犯ではなく、組織的な犯行という疑いが強い。まず犯人たちは、Charlie Hebdoの編集会議が水曜日に行われることを知っていた。なるべく多くの社員を殺すために、わざと編集会議の場を襲った。水曜日は、Charlie Hebdoの最新号が発売された日でもあった。

熊谷　徹 @ToruKumagai

この号の特集は、イスラム教に批判的なMichelle Houellebecqという作家のイスラム風刺小説「Soumission」だった。この小説は、フランスがイスラム教国になるという近未来風刺小説だ。

熊谷　徹 @ToruKumagai

さらに、現地の報道では犯人たちがカラシニコフ自動小銃だけではなく、携帯式対戦車ロケット砲を持っていたとされる。これはおそらくロシア製のＲＰＧ７だが、建物の入り口に鍵が掛けられて入れなかった場合に、ロケット砲でドアを破壊するつもりだったのだろうか。

熊谷　徹 @ToruKumagai

さらに犯人たちは極めて冷静に行動しており戦闘訓練を受けていたと見られる。警官をかなりの距離の場所から狙撃して命中させ、頭部に銃弾を撃ち込んでとどめをさした映像が公開されている。去年ブリュッセルのユダヤ博物館でユダヤ人を殺害したシリア帰りのフランス人も、カラシニコフを乱射した。

熊谷　徹 @ToruKumagai

花の都パリには、カラシニコフやＲＰＧ７を持ったテロリストたちが、うろうろしていることになる。しかも彼らはそうした武器を使って大量殺人もためらわない。今後、ヨーロッパ各地でイスラム過激派による無差別テロが増える危険がある。

熊谷　徹 @ToruKumagai

今後シリアやイラクからは、戦闘経験を積んだヨーロッパ人のイスラム原理主義者たち数千人が、ヨーロッパに帰ってくる。今回の事件は、「ヨーロッパにとっての９・１１」になるかもしれない。

熊谷　徹 @ToruKumagai

フランスの極右政党ＦＮのマリーヌ・ルペン党首は、パリのテロ事件を受けて「死刑を復活するべきだ」と主張して、リベラルなフランス市民の顰蹙をかっている。言論に対する暴力を奇貨として漁夫の利を狙う、フランスの極右勢力のえげつなさ。

熊谷　徹 @ToruKumagai

Charlie Hebdoのイラストレーターや編集者ら、パリのテロ事件の犠牲者の冥福を祈ります。全世界のジャーナリスト、物書き、イラストレーター、漫画家のみなさん！テロの脅威に負けずに書き（描き）続けましょう！

熊谷　徹 @ToruKumagai

昨日テロリストに編集部員を殺されたフランスの風刺新聞Charlie Hebdo紙は、来週の水曜日に予定通り発行の予定。普段の発行部数は６万部だが、今回はテロに抗議するために１００万部発行する。他の新聞社が編集部に応援要員を送る。がんばれCharlie Hebdo。

熊谷　徹 @ToruKumagai

Charlie Hebdo紙に対するテロ事件が起きた日、パリでは３万人の市民が抗議デモを行った。パリだけでなく、他の都市でも市民が路上に出て、言論封殺テロに対する怒りを表わした。

熊谷　徹 @ToruKumagai

１９８７年に朝日新聞阪神支局がテロリストに襲われ、小尻記者が殺害されもう一人の記者が重傷を負ったとき、日本では市民の大規模な抗議デモは起こらなかった。これが、日本社会とフランス社会の違いだ。

熊谷　徹 @ToruKumagai

欧州の多くの新聞社、テレビ局が「不偏不党」の原則を捨てて「Charlie Hebdo」への連帯を紙面やＨＰで表明している。感動的だ。

熊谷　徹 @ToruKumagai

Charlie Hebdoの漫画の中には私が見ても下品すぎると思える内容のものがあった。それでも、そうした内容に対しては言論で抗議するべきでありカラシニコフ自動小銃の乱射で抗議することは絶対に許されない。

熊谷　徹 @ToruKumagai

欧州では、言論の自由は最も重要な原則の１つだ。（ただしナチスの思想など１部については制限がある）

熊谷　徹 @ToruKumagai

今日も欧州はテロで揺れた１日だった。Charlie Hebdoの編集部を襲って１２人を射殺した２人のテロリストは、パリ北東部の印刷工場で人質をとってたてこもったのだ。

熊谷　徹 @ToruKumagai

数時間後には、おとといパリ南部で警察官を射殺した別のテロリストが、パリ東部のユダヤ人向けの食品を売るスーパーに篭城し、人質をとった。２つの場所のテロリストたちは、連絡を取り合っていたことから、警察は共犯と断定。

熊谷　徹 @ToruKumagai

フランス警察の特殊部隊は、印刷工場とスーパーに同時に閃光手榴弾を投げ込んでから、突入。短い銃撃戦によって、３人のテロリストを全員射殺した。しかしスーパーでは４人の人質が死亡した。こうして。水曜日に始まった悪夢のような７２時間は終わった。

熊谷　徹 @ToruKumagai

しかし、フランス社会そして他の欧州諸国は、今後長年にわたりイスラム・テロの問題と取り組まざるをえない。残念なことに、ヨーロッパのような多文化社会では、無差別テロを完全に防ぐことは不可能だ。

熊谷　徹 @ToruKumagai

明日は、テロのない１日であって欲しい。

熊谷　徹 @ToruKumagai

明日はパリで、イスラム過激派のテロに抗議するためのデモが計画されているが、市民や政治家ら１０万人が参加する見通し。ドイツ政府のメルケル首相も参加する。ただし、フランスの極右政党ＦＮだけは招待されていない。

熊谷　徹 @ToruKumagai

またフランスの各地で同様のデモが行われる他、ミュンヘンなど他のヨーロッパの都市でもデモが計画されている。

熊谷　徹 @ToruKumagai

今日のフランクフルター・アルゲマイネ紙（ＦＡＺ）の第２面には、Charlie Hebdo襲撃事件の犠牲になった人々のための同紙の追悼広告が掲載されている。

熊谷　徹 @ToruKumagai

この事件は、第二次世界大戦後のヨーロッパで言論機関に対して行われた、最悪のテロ攻撃だった。Charlie Hebdo襲撃は、ヨーロッパにとっての９・１１だ。