特別講義「ガンダムが開拓したアニメサントラビジネス —スターチャイルド誕生前後のアニメ音楽業界史—」（講師：藤田純二（元・キングレコード）／司会：氷川竜介）受講レポート

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ここで氷川さんから驚きの音源が披露されました。当時収録していたスタジオでのそのままの音、藤田さんなどのスタッフからの指示出しの音声から入っている、当時の劇伴収録時そのままの音。こんな貴重なものを聴くことが出来ようとは…！（笑） #ガンダムが開拓したアニメサントラビジネス

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劇伴収録時の音声を聞きながら藤田さんは当時を振り返って、ミュージシャンや作曲家は時間が来たら大体先に帰るけれど、ディレクターやミキサーは録った音声を再編集したりなどで深夜まで残っていたと。しかし帰らない作曲家も居た。それが渡辺宙明さん！ #ガンダムが開拓したアニメサントラビジネス

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先日のダイオージャのサントライベントでも語られていましたが、渡辺宙明先生は最後までスタジオに残り、藤田さんらスタッフ陣と一緒に音の細部に至るまで拘ってらしたんだそうです。個人的にはダイオージャイベントと同じ話が聞けて面白かったです（笑） #ガンダムが開拓したアニメサントラビジネス

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『機動戦士ガンダム』番組放送開始が1979年の4月、同じ月に主題歌シングルが発売されて、6月にはサントラ1が発売。これはアニメの特別進行で、番組放送中に売り出すための優遇措置だったとか。その中でもかなり発売スケジュール早かったそうです。 #ガンダムが開拓したアニメサントラビジネス

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そんな最初から組曲ではないオリジナルBGMをステレオで収録して発売されたガンダムのサントラ1が非常に好評価を得たことで、藤田さんは2枚目のアルバムを制作することを画策。この2枚目を出すというのも当時としては画期的なことだったんだとか。 #ガンダムが開拓したアニメサントラビジネス

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藤田さん曰く、富野監督からも当初は「1枚出したんだからもういいじゃん」と2枚目のアルバム制作に協力することを面倒がられたそうなんですが（笑）、それでも当時の藤田さんは2枚目を作る！と。ここで話題に登場するのがサントラ1のジャケット。 #ガンダムが開拓したアニメサントラビジネス

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音楽自体には非常に拘って制作されたガンダムのサントラ1枚目でしたが、ジャケットイラストだけはいわゆる"子供向けっぽい"雰囲気のもので、このジャケットには富野監督も不満を抱いていたそうで… #ガンダムが開拓したアニメサントラビジネス

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そこで藤田さんがサントラ2のジャケットについて当時のサンライズ岸本吉功社長に直接相談したところ、岸本社長が「俺が安彦（良和）に頼んでやるよ！」と快諾、さらには版権部を通さずに岸本社長が直々に安彦さんのジャケット用原画を持ってきたという！ #ガンダムが開拓したアニメサントラビジネス

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ちなみに当時のレコードについていた帯に書かれていた文章や広告文のキャッチフレーズなど、そのほとんどは藤田さんがご自身で考えて書かれていたそうです。 #ガンダムが開拓したアニメサントラビジネス

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そんな形でサントラ1とは打って変わって安彦良和さんによるアムロのイラストがジャケットとなったサントラ2「戦場で」、これが大ヒット！！あっという間にサントラ1の倍以上の売上を叩き出すという！（笑） #ガンダムが開拓したアニメサントラビジネス

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劇伴自体はサントラ1の方が本編でよく流れる曲が多いにも関わらず、サントラ2の方が圧倒的な売上となった、その理由はやはり安彦良和さんが描かれたジャケットの「画の力」が甚大であったと。当時のファンの声からもそれは間違いないと。 #ガンダムが開拓したアニメサントラビジネス

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このガンダムのサントラ2の時にジャケットイラストの重要性というものを藤田さんは非常に痛感されたそうです。氷川さんはこの件を「後の"パッケージビジネス"を左右する大きな変革」とアニメ史的に位置付けられていました。 #ガンダムが開拓したアニメサントラビジネス

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ここでサントラ2にも収録された「きらめきのララァ」や「いまはおやすみ」を歌った戸田恵子さんについてのお話。戸田さんも最初はキャラを演じる声優が挿入歌を歌うということに少し抵抗を感じられていたそうです。ましてやご自身が歌手でもあった分… #ガンダムが開拓したアニメサントラビジネス

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戸田恵子さんは「あゆ朱美」という芸名で「アイドル演歌歌手」として活動されていたもののヒットには恵まれず、後に野沢那智さんに見出され劇団薔薇座に。歌を諦めて劇団に入ったのに、何故また歌を…しかもキャラとして…と複雑な想いがあったんだとか。 #ガンダムが開拓したアニメサントラビジネス

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ということで、当時は劇団薔薇座に所属していた戸田恵子さんにキャラとして歌を歌ってもらうことを、主宰の野沢那智さんにもきちんと説明をして了承を得たそうです。藤田さんから見ても戸田さんが劇団でビシビシ鍛えられていたのはよく解ったそうです。 #ガンダムが開拓したアニメサントラビジネス

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ガンダムのシングル盤について。「シャアが来る」のジャケットイラストは、安彦さんの修正原画をセルにしたものに富野監督が色を付けたという（笑）この話は以前氷川さんがブログにも書かれていましたね。 hikawa.cocolog-nifty.com/data/2006/10/t… #ガンダムが開拓したアニメサントラビジネス

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で、そんな「シャアが来る」シングルのジャケットイラストと、月刊アニメージュ1979年12月号表紙は同じ原画だという（笑） hikawa.cocolog-nifty.com/data/2006/10/t… homepage2.nifty.com/yuyujiteki/mag… #ガンダムが開拓したアニメサントラビジネス

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この2つのカットは元は同じ一連の原画ということはさすがの藤田さんもご存知なかったらしく驚かれていました（笑）そして当時はそれぐらいに安彦さんが倒れられた影響は大きかったと氷川さんは述懐されました。#ガンダムが開拓したアニメサントラビジネス

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また「アニメ・ベスト・カップリングシリーズ」でガンダムの主題歌と挿入歌を収録した際に、「いまはおやすみ」を収録する予定が「きらめきのララァ」になっていたというミスもあったんだとか（笑） pikihouse.cocolog-nifty.com/pikihouse/2010… #ガンダムが開拓したアニメサントラビジネス

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このミスのお詫び的な意味も込めて、「いまはおやすみ」の新録セリフ追加バージョンと「永遠にアムロ」のマチルダバージョンを新たに収録したシングルを発売するに至ったんだそうです。 amazon.co.jp/%E3%81%84%E3%8… #ガンダムが開拓したアニメサントラビジネス

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アルバムの話題に戻って、1979年11月に2枚目のアルバムが発売され、翌年1月にガンダムの放送は終了、そして3月には3枚目のアルバム「アムロよ…」が発売されるという。この3枚目は氷川さんが制作に参加されたドラマ中心のアルバムです。 #ガンダムが開拓したアニメサントラビジネス

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本編が終了することが解っていた時点で、BGM集でもないドラマアルバムがどれくらいお客さんに価値のあるものに出来るのか、藤田さんは思案された中で、氷川さんに協力をあおぎ、構成を担当してもらったそうです。（中島紳介さんとの共同による構成） #ガンダムが開拓したアニメサントラビジネス

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1980年当時ビデオデッキもまだあまり普及していなかった中で、本編を追体験する手段としては、自分や友達がテレビの音声から録ったカセットテープくらいしかなく、そこでガンダムの物語全体を総覧するのに適したドラマアルバムを目指されたそうです。 #ガンダムが開拓したアニメサントラビジネス

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ここで藤田さんが「このアルバム3枚目制作の段階でガンダム劇場版化は決まっていたんだろうか？」と氷川さんに尋ねられたところ、氷川さん曰く「たぶん…1979年の年内には映画化は内定していたのでは？」とのことでした。あくまで推察の話、ですが。 #ガンダムが開拓したアニメサントラビジネス

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さらに氷川さんは「その前にザンボット3を映画にするという企画があり、富野監督が書いた構成案も現存している」と。そしてそのザンボット3劇場版化企画の時に16mmのフィルムを35mmにして劇場でかけられるかどうかのテストもしていたんだとか。 #ガンダムが開拓したアニメサントラビジネス