しおいについて本気出して考えてみた

最近しおい創作が滞っている僕が、ビールを飲みながらしおいについて考えをまとめ、今後の創作の方向性を定めました(自分用)
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洲央 @laurassuoh

しおいについて本気出して考えてみる

2015-01-14 01:12:49
洲央 @laurassuoh

まず「僕はしおいに恋をしていない」という前提に立とう。なぜなら僕にとってしおいは回想的、懐古的意味合いが強い一種の概念装置として働いているからだ。それは例えば「風鈴、蚊取り線香、花火、スイカ」などと言った夏を表す象徴的な言葉の一群に含まれている。しおいは僕にとって夏の概念なのだ。

2015-01-14 01:14:59
洲央 @laurassuoh

僕のしおいに対する態度は一般的なオタク男性の異性キャラクターに対する「俺の嫁」概念とは違っている。俺の嫁概念では対象は自分と結ばれる事が望まれる。そこで行われるのは疑似恋愛であり、多くは現在の自分の境遇と嫁キャラクターの境遇を一致させる事で達成される。だが、しおいは違う。

2015-01-14 01:18:19
洲央 @laurassuoh

僕のしおいは完全に個別的で絶対的な境遇を持ち合わせている。それは季節に於いては夏であり、時間に於いては過去であり、空間に於いては水のある場所である。俺の嫁概念では中心は自分であるため、世界は自分によって定義されるが、僕のしおいは世界を定義した上で僕に参加を強制する。

2015-01-14 01:20:53
洲央 @laurassuoh

僕がしおいと接するのは過去であり、現在を生きる僕は思い出の中でしか彼女に出会えないのである。恐らく、僕が最近感じているしおい創作への滞り(アイデア不足)の原因はここにある。一般的に、過去は美化され、同時に閉鎖的である。過ぎ去った事象である。おまけにしおいは世界を定義してしまう。

2015-01-14 01:24:37
洲央 @laurassuoh

僕はすでに「孤島のしおい」「プールのしおい」「山里のしおい」を書いてしまった。ここにおいて、しおいにまつわる僕の想像し得る限りの記号的な物語はその原型を表現され尽くしてしまったのではないか。これは創作者としては恐怖である。想像力の枯渇。過去への停滞。僕はしおいに正に囚われている。

2015-01-14 01:26:55
洲央 @laurassuoh

どうすればしおいの呪縛とも言える魅力から解き放たれ、真に創造的なしおいを生み出すことができるのだろうか。方法は2つある。1つ、しおいの季節を変える事。2つ、しおいに連続性を持たせる事、である。しおいの季節を変える事、これはしおいの秋や冬や春を書くのである。それも従来とは違う方法で

2015-01-14 01:29:52
洲央 @laurassuoh

夏を関連させてしまえば、恐らく僕はしおいに囚われてしまう。実際、最新作に於いては夏から秋への変化を書いてはいるが、しおいに囚われ過去に幽閉されてしまった。ここでは起点を夏ではない季節に変化させてみる。こうする事でしおいの大きな魅力である夏への憧れが強調される事だろう。

2015-01-14 01:31:37
洲央 @laurassuoh

もちろん夏に囚われる危険性も存在する。だがしかし、夏を描写せず夏への憧れを書くのなら、夏の概念としてのしおいは発動せず、一個の少女を描き出せるのではないだろうか。牢獄の中の景色ではなく、牢獄の中を外側から描写してみせるのだ。これが1つ目の方法である。

2015-01-14 01:33:56
洲央 @laurassuoh

2つ目、僕としてはこちらの方により効果を期待しているのだが、しおいに連続性を持たせる事である。簡単に言うと、これは「しおいを殺さない」事だと言える。僕の創作に於いてしおいは夏の概念であり、僕にとっての夏は「円環するが二度と同じではない季節」であった。

2015-01-14 01:35:59
洲央 @laurassuoh

僕にとって夏とは二度と来ないからこそ輝くものであり、しおいは一夏の過ち、一夏の夢の象徴であったのだ。そこに於いて僕はしおいと夏を過ごした後で起こる隔たりに着目して創作を行ってきた。つまりは永遠に一夏に留まるしおいと歳をとっていく僕、というすれ違いの構造である。

2015-01-14 01:38:05
洲央 @laurassuoh

ベルクソンのイマージュ論ではないが、僕はしおいとの時間のズレ、しおいの永遠性への最終的な回帰、僕の一生をかけた夏への憧れにも似た衝動を契機に創作を行ってきた。だが、それは必然的に限界を迎えた。永遠など存在しないのである。だからこそ、ここで示されるのはしおいの連続性であるべきだ。

2015-01-14 01:41:01
洲央 @laurassuoh

しおいはあの夏の存在ではなく、今もここに生きている、連続している存在なのだ。そう提示することで回想は回想でしかなくなり、僕はしおいと確かな自己、確かな実存を得るに至る。そこには憧れとともに、過去を見るしかできない自分自身への克服が示され、僕としおいは夏を脱出することができるだろう

2015-01-14 01:42:58
洲央 @laurassuoh

「あの夏」へ帰るのではなく、「この夏」をしおいと共に過ごす決意が僕には必要なのかもしれない

2015-01-14 01:45:43