フランス・イタリアの負け方・敗戦国の「物語」 内田さん

第二次世界大戦では、フランスは敗れて枢軸国側となり、最後は連合国に復帰、イタリアは敗れて連合国側についた。
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内田樹 @levinassien

京都での講演ならびに打ち上げだん。敗戦を引き受ける主体の立ち上げのために敗戦国はどういう「物語」を擬制したか、というおもーい話をしました。ドイツもイタリアもフランスも、どこも苦しみました。そして、「成功した」と言い切れる国はどこにもありません。

2015-01-18 19:34:40
内田樹 @levinassien

でも、強いて言うと、イタリアが一番敗戦経験のトラウマが軽いのかも知れません。ローマ帝国以来「勝ち慣れて」いると同時に「負け慣れて」もいるから。負けるときに直感的に最も「傷の浅い」負けかたを選択できる。

2015-01-18 19:38:48
内田樹 @levinassien

ともに自国軍を率いてドイツ軍を追い出して、勝利宣言をしながらド・ゴールとバドリオではそのあとの政治的プレゼンスがまるで違います(だいたいバドリオなんて日本人は誰も知らない)。でも、それがよかったのかも知れません。

2015-01-18 19:43:38
内田樹 @levinassien

イタリアは敗戦を総括する時に「弱い物語」しか持てなかった。イタリアは連合国であり、枢軸国であった。勝者であり、敗者でもあった。英雄はいたけど、すぐ馬脚を現した。何となくだらっと参戦し、何となくだらっと終戦を迎えた。もしかすると大人なのかも知れない。

2015-01-18 19:48:02
内田樹 @levinassien

比較敗戦論、今年暇があったらやってみたいですね。

2015-01-18 19:48:50