S-M 音楽

あ阿々。 @rainbow_solara

1 すばるが作業してるときは、声をかけない。 近付かない。 邪魔しない。 私の決まり。 言われたわけじゃないけど、そこは私が立ち入っちゃいけない場所。 今日も朝から機材に向かってる。 ギターやレコーダーやPC。 同じフレーズを、何度も何度も繰り返し紡いでる。

あ阿々。 @rainbow_solara

2 コーヒー飲んだら1人で買い物にでも行こうかな。 いない方がよさそう。 「…俺にもちょーだい」 いつの間にかすばるが背後に立ってた。 差し出したカップを無言で受け取って、一口。 「あかんなあ」 頭を掻き毟って、溜息と一緒に一言。 みたいだね、って言葉を飲みこんだ。

あ阿々。 @rainbow_solara

3 「あっこから進まへん」 独り言のように話すすばる。 返事をするわけでもなく、相槌を打つわけでもない。 ただ聞いてるだけ。 「出かけるん？」 『うん、そのつもり』 「…ふうん」 頭をポリポリ掻きながら、キッチンを出て行く。

あ阿々。 @rainbow_solara

4 ボーっとしながら、心ここにあらずって感じ。 いつものこと。 それだけ集中して入り込んでるってことだね。 着替えて、準備をして、出る前に一応声をかける。 『行ってくるね？夜までには帰って来るから』 椅子に伸びて目を閉じてる。 聞こえてるかな？ まあいいか。

あ阿々。 @rainbow_solara

5 扉を閉めようとすると、名前を呼ばれた。 ？ 見ると、そのまま手招きしてる。 近付いて覗き込むと、手を取られてそのまま反転させられた。 ぎゅうって抱き締めて、首筋に顔を埋めてくる。 服の裾から入ってくる手。 無言で受け入れる。

あ阿々。 @rainbow_solara

6 私にできる唯一の事。 私の役目。 思考をリセットしたかったり、転換したいときに求めてくるすばる。 優しくキスして触ってくれるときもあれば、乱暴に服を剥ぎ取ってそのまま挿れられるときもある。 なんでもいい。 役に立てるなら。 それが何かの糸口になるなら。

あ阿々。 @rainbow_solara

7 「…声、聞かして？」 そう言われて、食いしばった唇を弛める。 余計な音は聞きたくないかもしれない。 そう思って堪えてたけど、勢いよく突き上げられて、あられもない声をあげる。 それが望みなら。 なんでも言うこときくよ。

あ阿々。 @rainbow_solara

8 痛いくらいに抉られて、服も髪もグチャグチャに乱されて。 奥に叩きつけるように精液が吐き出される。 すばるのいらないもの。 全部、私の中に。 しばらく抱き合った後、離れてまた作業に戻って行く。 その背中を見つめながら、少しの間微睡んだ。

あ阿々。 @rainbow_solara

9 「…わぁっ！？」 すばるの大声で覚醒する。 『…どしたの？』 「…レコーダー回ったままやった」 ヘッドホンを外しながら、こちらを振り向く。 「お前の声、入っとる」 『ちょ！消してよ！！』 「いやや」 スッキリしたような、楽しそうな顔。 「今度聞かしたるわ」

あ阿々。 @rainbow_solara

10 ニヤニヤしながらまたヘッドホンを被る。 作業中は邪魔しないこと。 だから、無理矢理消させることなんて出来ない。 もう…。 そんな顔見たら、怒れなくなっちゃうじゃない…。 名曲作ってくんなきゃ、許さないんだからね？ やっと進みだしたメロディを耳に、もう一度目を閉じた。

あ阿々。 @rainbow_solara

1 毎日のようにあいつを抱く。 それが当たり前の日々。 ライブの前なんて尚更。 祭の前の興奮で、壊れるくらい抱かんと静まらへんし眠られへん。 そんな俺でも、せーへんくなる時期がある。

あ阿々。 @rainbow_solara

2 レコーディングん時。 ライブと違って、自分の中のもんを研ぎ澄まして創りあげていく作業。 溜めたもんを、マイクの前で一気に吐き出す。 そのエネルギーが出て行ってまうような気がして。

あ阿々。 @rainbow_solara

3 あいつも分かってるから、何も言わへん。 一緒に布団に入っても、手繋いで眠るだけ。 でも、それを破ったことがある。 曲の所為やろか。 えらい優しくて甘い曲で。 デモをずっと聞いてて、そんであいつ見たら、何かもうたまらんくなって、抱いた。

あ阿々。 @rainbow_solara

4 びっくりしとった。 何や知らんけど、めっちゃ優しくしたくて。 いっぱいキスして、壊れもんみたいに触って。 大事に大事に抱いたら、泣かれてもーた。 愛してるって、幸せやなって、思た。

あ阿々。 @rainbow_solara

5 レコーディング、そんなん思い出してたらめっちゃ甘い声で歌っとって、プロデューサーに褒められた。 そんなんやからか、ライブで歌うときでもこの曲だけあいつんこと思い出すねん。 …何や恥ずかしい。 あいつには内緒な？

あ阿々。 @rainbow_solara

1 梅雨入りして、外は雨。 外から聞こえるホワイトノイズと、それとセッションしてるようなブルースハープの音。 すばるの気分に合わせて紡がれる音楽に耳を澄ませながら洗濯物を干す。 今日は部屋干しだなー。 浴室乾燥機回そうかな。 …っと、終わり。 気付くと音は止まってた。

あ阿々。 @rainbow_solara

2 寝たかな？ 覗くとソファの上、寝転がってこっちをみてるすばる。 『どしたの？』 何も言わず手招き。 『…？きゃっ！？』 近付くと、すばるの上に引っ張り上げられてうつぶせにさせられる。 『なになに！？』 すばるの目の前に私のお尻。

あ阿々。 @rainbow_solara

3 慌てて振り向くと、ニヤニヤしながら撫で回して顔を埋めてきた。 『ちょっと！』 焦って暴れる私を無視して、スカートめくり上げてパンツずり下げて露わになったソコにキスしてくる。 何の準備も出来てなくて慌てる私。 ビクッて体を震わせて耐える。 「今日何の日？」 今日？

あ阿々。 @rainbow_solara

4 6月9日？ …ロックの日？ …。 「ん、舐めて？」 見ると、いつの間にか剥き出しになって硬くそそり立つすばる。 あーもう…そういうこと？ 仕方ないなあ…。 チュッて先っぽの液を舐め取った。 笑う気配がして、舌が奥に入ってくる。 ゾクゾク背筋を駆け上がる快感。

あ阿々。 @rainbow_solara

5 セックスと音楽って似てるよね。 全部さらけ出して乗っかって繋がって揺られてやめられなくて。 全部貴方に届けたくて浴びたくて。 言葉なんていらない。 今この瞬間はすばるだけ。 体に刻むリズムと絡み合って奏でる声で。 ずっとこうしていよう。 今日は音楽とセックスの日。

あ阿々。 @rainbow_solara

「あの、さ…」 『んぁっ、…な、に？』 「あの曲、な？」 『…？』 「お前の好きなテンポやって気付いてた？」 『ぇ？』 「ほら、これ…っ！」 『きゃ、やぁぁっ！』 「好っ、き、やろ、っ？」 『だ、めぇっ！あぁぁんっ！』 「イきそ？」 『ばっ、かぁっ…///』