パンルヴェ方程式周辺のお話

この分野周辺の研究者の方々のTWのまとめ 特に黒木氏の連続TWをまとめて、後で自分の参考にしようと考えて作成。
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黒木玄 Gen Kuroki @genkuroki

@genkuroki 以上のようなことは、「τ函数は行列式になっている」という立場で書かれたたくさんの論文をどのように眺めていても出て来ない。「τは函数である」という立場でさらなる代数的な研究を行なうのは中途半端な立場だったのではないか?

2015-01-27 10:49:01
黒木玄 Gen Kuroki @genkuroki

@genkuroki 訂正。 「dominant整ウェイトを最高ウェイトμに持つ可積分表現L(μ)」→「dominant整ウェイトμを最高ウェイトに持つ可積分表現L(μ)」 「最高ウェイトμに持つ可積分表現L(μ)」→「最高ウェイトμの可積分表現L(μ)」

2015-01-27 10:53:25
黒木玄 Gen Kuroki @genkuroki

@genkuroki 量子τ函数とKac-Moody代数の表現論の関係の続き。量子τ函数がtranslation functorの化身になっているという主張の内容を詳しく説明する。以下、λとμはdominant整ウェイトであるとし、wはワイル群の元であるとする。

2015-01-27 11:25:42
黒木玄 Gen Kuroki @genkuroki

ワイル群のshifted actionをw.λ=w(λ+ρ)-ρと書く。Verma表現M(w.λ)をλ+μに対応するブロックに移すtranslation functorをTと書くと、T(M(w.λ))=M(w.(λ+μ))となる。M(w.λ)はM(λ)の部分表現であり、続く

2015-01-27 11:29:58
黒木玄 Gen Kuroki @genkuroki

続き、T(M(w.λ))はM(w.λ)とL(μ)のテンソル積の部分表現なので、T(M(w.λ))はM(λ)とL(μ)のテンソル積の部分表現になっている。M(w.(λ+μ))はM(λ+μ)の部分表現であり、M(λ+μ)はM(λ)とL(μ)のテンソル積の部分表現になっている。続く

2015-01-27 11:33:39
黒木玄 Gen Kuroki @genkuroki

続き。Verma表現M(λ)と可積分表現L(μ)の最高ウェイトベクトルをそれぞれv(λ)、u(μ)と書く。それらのテンソル積をv(λ)×u(μ)と書く。F_iたちのある具体的な非可換多項式F_w(λ)によってv(w.λ)はv(λ)=F_w(λ)v(λ)と表わされる。続く

2015-01-27 11:47:59
黒木玄 Gen Kuroki @genkuroki

続き。登場した表現たちの包含関係を追うと Δ(F_w(λ+μ))(v(λ)×u(μ))∈M(w.λ)×L(μ)=(U F_w(λ) v_λ)×L(μ) が成立することがわかる。ここでUは普遍展開環で、Δはその余積で、×はテンソル積を表わす。これが重要な式。これより、続く

2015-01-27 11:54:03
黒木玄 Gen Kuroki @genkuroki

続き。これより、 F_w(λ+μ))v(λ)∈U F_w(λ)v_λ となることがわかる。すなわち F_w(λ+μ)) F_w(λ)^{-1} ∈U. 割り切れる!割り切った結果が実は量子化されたτ函数τ(w(μ))にほぼなっている!続く

2015-01-27 11:57:41
黒木玄 Gen Kuroki @genkuroki

続き。以上で説明をサボったがτ変数たちにはワイル群を双有理的に作用させることができる。μに対応するτ変数の単項式τ^μにワイル群の元wを作用させた結果としてτ(w(μ))が定義される。

2015-01-27 12:01:01
黒木玄 Gen Kuroki @genkuroki

量子化される前のτ(w(μ))はJacobi-Trudi型の行列式表示(の一般化)を持つ。行列式の成分は従属変数について多項式なので量子化される前のτ(w(μ))も従属変数の多項式になる。この多項式性の量子化が F_w(λ+μ)) F_w(λ)^{-1} ∈U になっている。

2015-01-27 12:04:17
黒木玄 Gen Kuroki @genkuroki

つまり、τ(w(μ))の多項式性の量子化は「singular vectorがsingular vectorで割り切れる」という結果になっており、その結果はtranslation functorを使って証明されるという仕組みになっているわけ。

2015-01-27 12:05:53
黒木玄 Gen Kuroki @genkuroki

非可換環の元を成分に持つ行列式も「非可換行列式」(Gelfand-Retakh)ある。しかし、一般に非可換行列式は成分の多項式ではなく、非可換有理函数になってしまう。非可換な場合には行列式で書けていても、そこからすぐには多項式性は出て来ない。

2015-01-27 12:09:06