パンルヴェ方程式周辺のお話

この分野周辺の研究者の方々のTWのまとめ 特に黒木氏の連続TWをまとめて、後で自分の参考にしようと考えて作成。
3
🥑 @yujitach

超幾何関数 2F1 って(affineでない)SL(2)の4点 conformal block だったのか!知らんかった。合流型は irregular conf block. drive.google.com/viewerng/a/rik… ああ、これを知っていれば物理数学の講義で話せたのに(嘘)

2015-01-23 23:49:15
Paul Painlevé@JPN @Paul_Painleve

@yujitach 今、うちの業界で話題沸騰です。Olegは11月(数理研での研究会)、1月(そのファイル)、3月(熊本)となぜかバラバラに3度来日することになりました。1月の立教で初めて聞かれた江口さんも、かなり興味を持たれていました。これもAGTがあったからこそです。

2015-01-23 23:55:59
🥑 @yujitach

@Paul_Painleve こんな明示公式になるんですね。パンルヴェも勉強してみたいとずっと思っていて、何冊か著名な本は買ったものの、積ん読です ...

2015-01-23 23:59:11
Paul Painlevé@JPN @Paul_Painleve

第3パンルヴェの原点の周りの漸近解だと、McCoy-Tracy-Wu の明示式が昔からあった(読みやすいのはarxiv.org/abs/solv-int/9…)のだけど、そのあと神保の漸近式が出て、その後30年ずっと前に進んでなかった。

2015-01-24 00:10:27
🥑 @yujitach

@Paul_Painleve B(σ+n) について n をフーリエ変換するところがミステリアスですね...

2015-01-24 11:55:43
Paul Painlevé@JPN @Paul_Painleve

@yujitach P6の漸近展開は二重和 Σ_{n:0→∞}Σ_{m:-n→+n}, c{nm} t^{n+mσ} の形をしていて、和を並び替えて、共形ブロックを係数とするフーリエ級数の形になる、というのは驚きでした。まだ理由がよくわからないでいます。

2015-01-24 16:19:38
Paul Painlevé@JPN @Paul_Painleve

広田の双線型化や佐藤グラスマンの理論は、1980年前後に可積分系の研究の中で日本で行われた大革命である。この成功体験が90年代以降の失敗の元で、パンルヴェ研究でも初期値空間や特殊解とその行列式表示などの代数的研究に走りすぎて、今回のP6の漸近解析は外国に見事にやられてしまった。

2015-01-24 16:25:00
Paul Painlevé@JPN @Paul_Painleve

パンルヴェ方程式の研究だと、日本から見れば周回遅れとしか見えない焼き直しの論文がいまだに海外から出てくる一方で、日本で大きく欠落してるテーマもある。その温度差をなんとかしたいと思ったこともあるが、私の手に余るし、今は力のある若い方がどんどん出てきているので、変っていくと思っている

2015-01-24 16:28:47
黒木玄 Gen Kuroki @genkuroki

Re: RT 個人的な意見では代数化そのものに罪は無かったと思う。Hamilton構造を捨象してできる話に偏ったのはまずかったと思う。そういう方向だと量子化した場合を含むより徹底した代数化への道が閉ざされてしまう。

2015-01-24 18:27:05
黒木玄 Gen Kuroki @genkuroki

@genkuroki ぼくが導入した量子化されたパンルヴェ的なτ函数たちが従属変数の非可換多項式になる理由が、τ函数たちが表現論におけるtranslation functorsの影になっているから。τ函数は行列式だという発想からこういう認識に至るのは困難だと思う。

2015-01-24 18:33:25
黒木玄 Gen Kuroki @genkuroki

@genkuroki τ函数たちがある自然なfunctorsの影として捉えられるということがわかったのは、より徹底した代数化が必要な正準量子化版を構成しようと努力したから。τ変数を含むHamilton構造の理論が無かったせいでかなり苦労することになった。

2015-01-24 18:40:17
黒木玄 Gen Kuroki @genkuroki

@genkuroki ぼくが定義したパンルヴェ的な量子τ函数たちも双線形方程式をみたしている。ただし、量子化された場合なので、非可換な世界の話になっている。代数に偏った話にしなくても面白いものになっているはず。

2015-01-24 18:42:56
Hiraku Nakajima @hirakunakajima

広田良吾さんにはお会いしたことはないと思いますが、論文 instanton counting on blowupで、爆発方程式が広田微分(の一般化)で書けることを観察しました。昨年 Painleve 方程式と関係させた人もいるようです arxiv.org/abs/1406.3008

2015-01-24 20:06:19
Paul Painlevé@JPN @Paul_Painleve

.@hirakunakajima 昨日から立川さんと話題にしている、パンルヴェ方程式の漸近展開を共形ブロックで表示できることを証明した論文の一つで、第3パンルヴェの場合が、直接的に中島-吉岡と関係するようです。別証が arxiv.org/abs/1401.6104)。

2015-01-24 21:12:20
Hiraku Nakajima @hirakunakajima

@Paul_Painleve お二人のやり取りを見て、夏に京都に来た著者の一人の報告を思い出して、つぶやきました。爆発方程式は、Nekrasov分配関数を決定する方程式で、SU(2)だけでなく、一般のリー群で成り立っている(と予想されている)ので、いろいろ分かるとうれしいです。

2015-01-24 21:48:03
Paul Painlevé@JPN @Paul_Painleve

代数化には罪はなく、むしろ大きな成功を生んだと思います。次の世代が前の世代が気がつかなかったものを見て、枠を超えなければいけなかったのでしょう。黒木さんの仕事ももっと早くにできててもおかしくなかった ".@genkuroki 個人的な意見では代数化そのものに罪は無かったと思う"

2015-01-24 23:13:21
黒木玄 Gen Kuroki @genkuroki

@genkuroki 「量子τ函数」の話の続き。無限自由度のソリトン系の量子化は場の量子論になってしまうので、今の段階では難しすぎる。だから、ひとまず、有限自由度への簡約(相似簡約、string equation)で最も重要なパンルヴェ系の場合に限った話。続く

2015-01-27 10:03:13
黒木玄 Gen Kuroki @genkuroki

@genkuroki パンルヴェ系(古典的な6種のパンルヴェ方程式の一般化、モノドロミー保存変形を含む)の量子化は2次元量子共形場理論およびその変種。有理接続のモノドロミー保存変形の量子化はWZWモデルで、二階の線形常微分方程式の変形はBPZの場合になる。

2015-01-27 10:10:24
黒木玄 Gen Kuroki @genkuroki

@genkuroki たくさんの種類の2次元量子共形場理論があるが、それぞれの古典極限はリーマン面上のなんらかのパンルヴェ系になっていると考えられる。Virasoro代数が特異点の位置を動かす変形(の量子化)を記述している。こういう見方が背景にある。

2015-01-27 10:20:11
黒木玄 Gen Kuroki @genkuroki

@genkuroki もしも量子化される前のパンルヴェ系のτ函数が量子化されれば、量子化されたτ函数と共形場理論の関係がどうなっているかという問題も考えることができる(未解決問題)。現在はこの段階。

2015-01-27 10:22:17
黒木玄 Gen Kuroki @genkuroki

@genkuroki τ函数の量子化では、τを函数ではなく、座標変数だとみなす必要がある。だから「唯一のτ」ではなく、「複数のτ」の側の立場に立つ必要がある。τ_1,...,τ_nは函数ではなく、あるPoisson多様体の座標変数の一部であると考えなければいけない。

2015-01-27 10:27:28
黒木玄 Gen Kuroki @genkuroki

@genkuroki 問題は、τがPoisson多様体の座標変数の一部であるという立場で書かれた仕事が見つからないことだった。Poisson括弧の情報がないと、量子化で非可換性をどう入れたら良いかがわからなくなる。しかし、特別な場合の計算から、続く

2015-01-27 10:32:08
黒木玄 Gen Kuroki @genkuroki

@genkuroki 続き、量子化されたτ_iは単純コルートに対応するパラメータ変数a_iの正準共役変数の指数函数であると考えるが正しそうなことがわかる。量子化したあとにはτ_i=exp(∂/∂a_i)となる。τ_iはパラメータ変数に関する差分作用素になる。

2015-01-27 10:36:26
黒木玄 Gen Kuroki @genkuroki

@genkuroki τ_iは単純コルートの値を1増やす。すなわち、τ_iは表現論における基本ウェイトとほぼ同じものである。この観察はより深い形で正しいことが確認される。τ変数の単項式にはdominant整ウェイトを最高ウェイトμに持つ可積分表現L(μ)が対応している。

2015-01-27 10:42:34
黒木玄 Gen Kuroki @genkuroki

@genkuroki 最高ウェイトμに持つ可積分表現L(μ)にはそれをテンソル積してさらに適切な部分表現を取ることによって定義されるtranslation functorが対応している。実は量子化されたτ函数はtranslation functorが化けたものになっている。

2015-01-27 10:45:18