帯広畜産大学教授の語る「有害表現と表現の自由と現実主義」

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渡邊芳之 @ynabe39

向かい合っている相手の左右は自分と逆であるという「常識」を持って自分の鏡像を見ると,自分の左手が「相手」の右手に,右手が相手の左手になっている。

2010-12-10 18:54:06
渡邊芳之 @ynabe39

慎太郎の作品を読んで問題点を指摘してそれを規制反対につなげるような議論って完全に相手の土俵に乗っちゃってると思う。

2010-12-11 07:10:27
渡邊芳之 @ynabe39

「お前もこんなひどいもの書いてるくせに俺たちの表現に口を出すな」 だと、たとえば慎太郎が「自分は反省した、過去の作品はすべて絶版にする」と言ったらどうするか。

2010-12-11 07:24:27
渡邊芳之 @ynabe39

慎太郎はすでに印税に頼った生活はしてないから、現実的にありうる話じゃないか。もちろんそこで彼が「自分の表現の自由だけ」を主張すれば思う壷だけど、そんなにバカではないと思う。

2010-12-11 07:26:47
渡邊芳之 @ynabe39

「有害だろうと無害だろうとすべての表現は自由なのが原則」「表現の責任は結果においてのみ問われるのが原則」からスタートしないと。

2010-12-11 07:30:27
渡邊芳之 @ynabe39

大昔に慎太郎作品を「有害図書」だから規制しろと主張した人々と同じことを言って、それを規制反対につなげるのはかなりの無理筋。

2010-12-11 07:32:26
渡邊芳之 @ynabe39

「~するはずがない」で組み立てられた戦略は、相手の行動への希望的観測に依存している点で脆弱だ。

2010-12-11 07:38:43
渡邊芳之 @ynabe39

慎太郎は50年前に自分が「有害表現」する側として「規制派」と戦った経験があるんだから「もと共産党員の右翼」みたいなものだ。バカのふりしてるけど手強いよ。

2010-12-11 07:41:32
渡邊芳之 @ynabe39

政治家としての慎太郎は大嫌いだが、彼が50年代に書いたものには存在意義がある。「人を不快にさせる表現」は文学では(もちろんほかの芸術でも)大きな意味を持つ。私はそう思う。

2010-12-11 07:51:32
渡邊芳之 @ynabe39

ドアーズの音楽を聞いて「楽しい!、聴きやすい!」という人よりは「気分が悪くなった、もう聴きたくない」という人の音楽的感受性を信じる。表現にはそういうものがある。

2010-12-11 07:53:49
渡邊芳之 @ynabe39

バルトークの、とくに中期の弦楽四重奏曲もそうした「不快な表現」を通じてもっと大きなものを表現している。

2010-12-11 07:55:10
渡邊芳之 @ynabe39

「慎太郎の小説を読んで不快に感じた」「慎太郎の小説も有害表現である」「だから慎太郎お前が言うな」では「表現の自由」はどこへ行ってしまうか。

2010-12-11 07:57:37
渡邊芳之 @ynabe39

「夫婦別姓だと家庭が崩壊する」と言ってる人と「マンガの性表現が犯罪につながる証拠はない」と言ってる人が同じ人だったりするんだ。

2010-12-11 08:29:20
渡邊芳之 @ynabe39

マンガやアニメの性表現の悪影響に「限定効果論にもとづく否定論」が成り立つなら,夫婦別姓の悪影響なんて「限定効果」すら証明されてないわけだよね。だから「悪影響があるからと夫婦別姓に反対する人は,マンガやアニメの性表現規制には反対できない」。少なくとも論理的にはそう。

2010-12-11 08:45:23
渡邊芳之 @ynabe39

あるいは「限定効果論,あるいは悪影響の証拠がないという理由で性表現規制に反対する人が,家族の崩壊などの悪影響を根拠に夫婦別姓に反対することはできない」。

2010-12-11 08:47:52
渡邊芳之 @ynabe39

もちろんそれらの人々は「中国が日本を侵略しようとしている」とも言えないし「日教組の反日教育が日本人をダメにしている」とも言えない。少なくとも論理的にはそうなる。

2010-12-11 08:50:40
渡邊芳之 @ynabe39

著作権面倒だからほどほどにしよう。

2010-12-11 09:00:50
渡邊芳之 @ynabe39

表現規制については賛成する人々も反対する人々もまとめてロケットに詰め込んで宇宙に送ってしまうのが最大の解決策だ。私のこの表現も有害だから国に規制してもらってください。

2010-12-11 09:12:04
渡邊芳之 @ynabe39

逆に言えば「アメリカで銃規制の問題がどうしてあんなにもめるのかわからない」「銃のような危険なものの規制に反対する理屈がわからない」というのが常識の国で,本来の意味での言論の自由を主張するのはなかなか難しいです。

2010-12-11 09:20:43
渡邊芳之 @ynabe39

早川義夫を聴いていたら部屋にいた次男が「これ聴いてるとムカムカしてくるから上に行くよ」と言って出ていってしまった。早川義夫は素晴らしいし息子もちゃんと音楽のわかる人間に育ち始めた。

2010-12-11 09:32:26
渡邊芳之 @ynabe39

まあ私は「都条例に反対してる人々の中でもっともバカで自分勝手な人」を想定して論を展開しているので,ちゃんと勉強してまじめに考えている人には不快な場合もあると思います。それについてはあらかじめ謝罪します。

2010-12-11 09:45:22
渡邊芳之 @ynabe39

「絶対に害がないと保障された表現」なんてありえない。私が「ああ今日東京に行きたくないなあ」とつぶやいたとして,それがどこかの誰かになんらかの害を与えない保証なんてあるだろうか。

2010-12-11 09:49:46
渡邊芳之 @ynabe39

まあ「前提の問い直し」というのが心理学でも私の専門なので,前提は疑わずに現実論を考えてる人には関係ないのかも。でも「表現の自由」の問題はその「前提と思われているもの」を丁寧に解きほぐして見直していかないと解決のない問題だと思う。

2010-12-11 09:57:20
渡邊芳之 @ynabe39

まあ法学の人っていつもそうなんだ。でもそもそも法律や法制度って人間や社会より前からあるの? 「法学的現実主義」とでも名付けて現実主義の中でも特殊例と位置づけるべき。

2010-12-11 09:59:35
渡邊芳之 @ynabe39

お,ヴントの弟子が起きてきた。

2010-12-11 10:01:20