『「残忍なように見えるイスラム国を作って、テロとの戦いをずっと続けたい」。これが米国の本音』:西谷文和氏ツイートまとめ

イスラム国の人質事件について、日本や周辺国の対応や状況、イスラム国のできた経緯と米国の中東戦略などについて、フリージャーナリストの西谷文和氏のツイートをまとめました(2015年2月1日)。 ●西谷文和氏の2月6日と8,11,12,15,17,19,27日,3月15,16,19,20,22日,4月15,16,17日,5月5,22日のツイートを追加しました。 ●2015年11月13日のパリのテロ事件とそれ以降の西谷文和氏の11月16~27日、12月13~28日のツイートをまとめの先頭に追加しました。  11月19日の[そもそも総研]での西谷文和氏のコメント、画像のツイートを追加しました。  続きを読む
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西谷文和 @saveiraq

残念ながら、常岡氏は私に取材することなく、(つまりウラを取らずに)勝手に安田さん関連のツイートを垂れ流していた。これは彼との会話で今、確認しました。私は身代金交渉をしていません、彼の言うことはウソです。悲しいです。なんでウソつくのか。なんで安田さんのことを第一に考えないのか。

2015-12-27 22:44:50
西谷文和 @saveiraq

常岡氏のウソはこれで明らかになりました。問題は安田さんを無事に救出することです。ヌスラ戦線は、やはり身代金を求めています。なので、政府かご家族が交渉当事者として、ヌスラを説得して、安田さんを取り戻すしかない。日本政府が後藤さんの時の教訓を踏まえて、交渉に臨んでほしいと思います。

2015-12-27 23:26:56
西谷文和 @saveiraq

その上で、これだけを言います。ヌスラは生存確認を出すと言ってます。それは身代金交渉に入りたいから。確実に彼らは交渉をしたがっています。根拠は安田さんの安全にも関わるので明らかにしません。私は常岡さんと違って、無責任な行動をとりたくないので、

2015-12-28 00:18:38
西谷文和 @saveiraq

今週のラジオフオーラムは、私のイラク取材報告です。矢野さんの司会で、クルド軍とISの最前線の様子や、地上戦への訓練の様子、なぜ空爆?仏テロ背後にあるもの、などについて語りました。聴いてやってください。 youtube.com/watch?v=RNcq73…

2015-12-28 09:45:28
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リンク YouTube 西谷文和イラク最新レポート〜フランスのテロ後、世界はどうなるのか?(ラジオフォーラム#155) パリへの同時テロに端を発し、世界中に広がるテロの脅威。イラクから帰国したばかりの西谷が、ISによるテロの背景について最新レポートをお送りします http://www.rafjp.org 00:13 オープニング| 04:03 本編前半| 17:33 小出裕章ジャーナル| 27:10 本編後半| 40:59 みんな...

 
 

● 2015年2月~

 

西谷文和 @saveiraq

後藤さんが殺害されてしまったようだ。イスラム国を許すことができないし、こんなことを絶対に繰り返させてはいけない。その上で、今回の日本政府の対応は失敗続きだったことを指摘したい。まず最初の72時間。非常に貴重な時間中に英国と2+2をした。武器の供与などが議題。なぜ延期しなかった?

2015-02-01 07:25:41
西谷文和 @saveiraq

最初の72時間で本部をヨルダンに置いた。ヨルダンはイスラム国の敵だ。アブドラ国王にできることは少ない。最初から本部はトルコに置くべきだった。トルコはアメリカ側に入るが、イスラム国にも相応の援助をしていた。エルドアン大統領が仲介すれば、イスラム国も応じざるを得ない。時間を無駄にした

2015-02-01 07:28:26
西谷文和 @saveiraq

日本政府は水面下でトルコの協力をあおいでいたようだが、この種の問題は「公式に」お願いすべきだ。安倍首相とエルドアン大統領にはホットラインがある。原発の売り込みで何回もトルコを訪問。安倍首相が直接電話してお願いすべきだった。彼がやったのは「テロには屈しない」と言うだけ。

2015-02-01 07:30:05
西谷文和 @saveiraq

元々、2人が人質にとられていることを知っていながら、エジプトやイスラエルを訪問し、2億ドルの「イスラム国壊滅費」を約束した。安倍首相の危機管理能力のなさがそもそものエラー。動画が公開されたのがイスラエルにいた時だったので、首相会見をイスラエル国旗の前で行った。これもエラー。

2015-02-01 07:32:24
西谷文和 @saveiraq

次に24時間、日没前にパイロットを殺すと言ってきた。日本政府はヨルダンに頼り切った。しかし人質交換の場所はトルコだった。ここでエルドアンに頼んで公式にコメントを出してもらって、時間の引き延ばしをやるべきではなかったか?最後までヨルダンにこだわったのが、致命的エラー。

2015-02-01 07:35:10
西谷文和 @saveiraq

おそらくパイロットは殺害されたのだろう。だからイスラム国側はパイロットを出せなかった。リシャウィ死刑囚をヨルダンが出さねば、後藤さんはパイロットの次に殺害される。もしヨルダンが死刑囚を釈放し、パイロットを取り戻せなければ、ヨルダンの体制も揺らぐ。イスラム国としてはそれも狙いだった

2015-02-01 07:37:25
西谷文和 @saveiraq

事件は世界中でトップニュース。イスラム国の大宣伝になった。外国人戦闘員は、やはりアルカイダよりもイスラム国に参加して来るだろう。さらに敵国ヨルダンの支配体制にひびを入れた。ただ、日本人2人の殺害で、身代金ゲットも人質交換もできなかった。これはイスラム国内部の内紛のたねになる。

2015-02-01 07:40:41
西谷文和 @saveiraq

シリア国内には何百万人という国内避難民がいる。雪の降る中粗末なテントで震えている。この事件で、人道支援者は国内に入れなくなったし、援助物資は届かなくなった。飢えと寒さで、多くの人々が命を落とすだろう。理不尽な現実を目の当たりにして、米国への怒りからイスラム国のテロ理解者も増える

2015-02-01 07:44:47
西谷文和 @saveiraq

アフガンがそうだった。この13年間、米国はタリバンを殺害してきたが、普通の人々も巻き添えにするので、その怒りからニュータリバンが生まれ、今やタリバン勢力がアフガン政府よりも強力になった。「テロとの戦い」は破綻している。空爆を止めて、まずは食料と寒さをしのぐ仮設住宅が必要

2015-02-01 07:47:20
西谷文和 @saveiraq

そうすることで普通のシリア人の命を救う。怒りが和らぐと、イスラム国への参加者も減る。地元の部族を信頼して、彼らに武器を流す。地元に自警団を作る。自由シリア軍の穏健派にも援助を強め、イスラム国支配地域を狭めていく。普通のシリア人は米国の空爆もイスラム国も嫌っている。

2015-02-01 07:50:29
西谷文和 @saveiraq

テレビでは安倍首相が「痛恨の極み」と述べている。「お前の失態に次ぐ失態でこうなったんや!」と叫びたくなる。仏、スペインなどは取り戻している。①危機管理能力のなさ②相手への無用な刺激③ヨルダンという「無能な」国を信頼し切った。ことだどが殺害につながった。「許しがたい」のはお前や!

2015-02-01 07:54:41
西谷文和 @saveiraq

イスラム国の正体を暴く というDVDを作った。イスラム国とはいったい何者なのか?その質問に答えるためには2003年のイラク戦争を分析する必要がある。米国はフセインを倒した。政権を倒したのだから、そこで戦争を終えるべきだった。戦争後、米国の占領政策が今の事態を招く

2015-02-01 10:30:53
西谷文和 @saveiraq

米国はすぐにイラク軍を解体した。約40万人の兵士は、武器を持ったままリストラされた。兵士の多くはスンニ派だった。ふるさとのファルージャやモスルに帰っていった。米国はそのファルージャやモスルで暴虐の限りを尽くす。多くの市民を虐殺していった。元兵士の多くは、このときアルカイダに入る

2015-02-01 10:33:25
西谷文和 @saveiraq

これがイスラム国の火種となる。米国はフセイン時代の官僚もリストラした。官僚たちもスンニ派のふるさとに帰っていく。当然、米軍の虐殺で家族を殺された。この元バース党の官僚たちもアルカイダに吸い寄せられた。イスラム国の組織は、バグダティをトップに、イラク担当、シリア担当の軍人がいる

2015-02-01 10:38:57
西谷文和 @saveiraq

実際にはこの2人の軍人が戦術を練っていると考えられる。2人とも元イラク軍の幹部。2人の軍人の下に、国会にあたる評議会があって、その下に県知事を配置している。こんな組織を考え、機能させるのは、元バース党の官僚だろう。つまりイスラム国は「テロ組織と国家との中間」のようなものになった

2015-02-01 10:40:59
西谷文和 @saveiraq

イスラム国はイラク北部のモスルを陥落させ、銀行を強奪。さらに油田を押さえて1日約2億円の原油収入を得た。そして人質を利用した身代金ビジネスで肥え太っていった。この金で戦闘員を雇い、「イスラム国民」に食料や電気などの「アメ」を配って支配していった。「ムチ」は恐怖政治。

2015-02-01 10:43:19
西谷文和 @saveiraq

つまり米国はフセインを倒した後、イラクをわざと無政府状態にした。なぜか?それが石油の強奪なのだ。戦争後、欧米の石油メジャーがやって来て、イラク原油の75%を奪っていく。イラク政府に入るのはわずか25%だ。それも入札なしの契約で。通常、中東地域では不利な契約でも51%は国家がとる

2015-02-01 10:45:50
西谷文和 @saveiraq

イラクを無政府状態にすれば、メジャーは「取り放題」なのだ。実際にフセインは1970年代にイラク原油施設を国有化した。イギリスは撤退させられた。米英はフセインが敵だった。「強い政府」ができれば米英は困る。むしろ無政府状態が好ましい。戦争でバグダッドの町は破壊された。ゼネコンも来る

2015-02-01 10:48:05
西谷文和 @saveiraq

忘れてはならないのがブッシュ、チェイニーは石油&建設資本の番頭。ラムズフェルドもライスもパウエルも。イラク人は一連の事態を目の当たりにして来た。「テロとの戦い」の本質は、軍需、石油、鉄鋼、治安ビジネスの求めるところ。本質はここにある

2015-02-01 10:50:48
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