後のピノコである。「テラトーマ」 ~STAP細胞よもやま話~
今日はテラトーマの話をおねだり。
ん?
@Butayama3 はーい。では、テラトーマ。日本語では奇形腫と訳していますが、ギリシャ語のterasとomaが語源。語尾の-omaは腫瘍の意味です。メラノーマ(黒色腫)、ミエローマ(骨髄腫)などなど。terasは「怪物」とか「化け物」の意味です。
2015-02-02 22:17:39@Butayama3 キメラマウスのキメラ(キマイラ)もギリシャ神話の怪物だけれど、どう違うの?とギリシャ人の同僚に聞いたら、テラスは総称としての怪物で、キマイラは種類。「妖怪」と「カッパ」のような関係のようです。(職場にギリシャ人がいると、語源を聞けて楽しい)
2015-02-02 22:23:15「ピノコ」とは、手塚治虫先生の「ブラックジャック」の登場人物です。
(みんな知ってるね。)
@Butayama3 @shima_usa96 多能性だから、いろんな組織に分化できんのよ>テラトーマ。だから昔は、「本来は双子で生まれるはずだったもの」とか言われてたことがあった。で、ピノコのエピソードにつながる。
2015-02-02 22:23:37@shima_usa96 @y_tambe ピノコってそういえばデキモノだったですね。中に人が一式入っているっていう。
2015-02-02 22:25:58@y_tambe @Butayama3 「ブラック・ジャック」では「畸形嚢腫」と書かれていて、ある女性の瘤(こぶ)として登場します。瘤の中には、手足や内臓や脳や……。ブラック・ジャックはそれを組み立てて(?)ピノコという女の子にするのです。
2015-02-02 22:31:33@Butayama3 @y_tambe さすがに一式そろっているというのは、ないと思いますが、テラトーマ自体は自然にあって(キメラのように人工的に作るわけではないという意味です)、最初の報告がいつだかはわからなかったのですが、それなりに古くから知られていたはずです。
2015-02-02 22:34:15@shima_usa96 @y_tambe えっと、多能性細胞を皮膚に植え付けるんですよね。そうするとテラトーマになる。つまりいろんなものになっちゃうわけですか。
2015-02-02 22:34:20@Butayama3 @y_tambe ほかの腫瘍は、わりと単純な細胞の塊なのに対して、テラトーマはなかにいろんな組織が入っています。髪の毛や歯などもあるのだとか。
2015-02-02 22:40:16@Butayama3 @y_tambe えーと、ES細胞やiPS細胞のように、多能性のある細胞を免疫のないマウスの皮下に移植すると、いろんな組織を含んだテラトーマができます。調べたい細胞が「多能性」をもつことの証明にも使われているテストです。
2015-02-02 22:43:35@Butayama3 @y_tambe ただ、多能性細胞を移植するとテラトーマができるよ、っていうと本人(?)は「こっちが先だ!」ってきっと怒ると思います。テラトーマは昔から自然にあって(人にも動物にもある腫瘍で)、そこから多能性細胞が人間が見つけ出した、というのが順番です。
2015-02-02 22:47:26@shima_usa96 @Butayama3 この手の実験は、昔から癌細胞の研究によく使われてて。ふつう、マウスにヒトの癌細胞を移植しても、異種の細胞だと免疫が排除するのだけど、「ヌードマウス」という、毛の生えないマウスの系統の皮下に接種すると腫瘍ができる(続
2015-02-02 22:46:35@shima_usa96 @Butayama3 承前)ことが見つかった。で、調べてみたらヌードマウスでは免疫系の一部に欠損があったためだと判った。こうしてできる腫瘍は、出来る場所が違う以上、厳密にはヒト癌のモデルとは言い切れないのだけど、少なくともその細胞が生体内で(続
2015-02-02 22:48:08